日本郵便の西村哲さん

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師走も半ば、そろそろ「年賀状づくり」に重い腰を上げ始める時期だ。毎年のこととはいえ、デザイン作りに印刷、宛名書き――と思い浮かべるだけで億劫になる人も多いだろう。

そうした中、最近ではスマホだけで簡単に年賀状を出せるサービスが出てきている。

「どこでも手軽に作れる」

スマホの機能をいかし、相手の住所を知らなくてもリアルな年賀状を送れるアプリ「はがきデザインキット2014」(iOS/Androidに対応)を無料で提供しているのは、日本郵便だ。

もともとウェブサイト「郵便年賀.jp」で年賀状のデザイン作りから投函まで一括で請け負うサービスを展開していたが、スマホアプリの配信をはじめたのは2012年から。

サービスの狙いを、「郵便年賀.jp」の開発に携わる日本郵便の西村哲さんは、

「もともと年賀はがきについて購入していただいた後のサービスを充実したいという思いがありました。そこで年賀状の作成を楽しみながら手軽に作れる環境整備をしようと生まれたのがこれらのサービスです」

と説明する。

西村さんによれば、「最近の年賀状は写真を使ったものが圧倒的に多い」。スマホのカメラはデジカメ並みに高画質なので「親和性が高い」との判断から、このアプリが誕生した。

ターゲットは20〜30代の若者層。アプリで年賀状をつくるメリットをこう話す。

「駅で電車を待っている間や会社の昼休みなど、どこでも気軽にできること、素材(撮影した写真)が端末に入っているので年末バタバタの時にも準備なしに作れることですね。あと、意外かもしれませんが、このサービスはお正月明けの需要も多いんです。『出し忘れた相手から来ちゃった〜』という時に、正月休み中にテレビを見ながらでもササっと送れるのもポイントです」

スマホに保存された連絡先を読み込んで宛名にできるほか、住所がわからない場合も、iOSなら携帯のメールアドレスや電話番号、Androidの場合はtwitterやmixiを通じて送れる(受取人が受け取り許可し住所の入力に応じた場合)。

この他、裏面だけを印刷した年賀はがきを自宅に送ってもらい宛名やメッセージを手書きして送れたり、相手によってオリジナルメッセージをつけられたりなど、自由度が高いのも特長だ。

「やっぱり、もらうと嬉しい」

「たくさんの企業から声がかかって、年賀状を使って色々なことができるという手ごたえを感じています」

日本郵便の試みはワンストップサービスだけではない。今年はYahoo!年賀状と連携し、企業とコラボした年賀状の販売も話題だ。受け取った人はディズニー映画の視聴やコカ・コーラ1本、TSUTAYAでのDVD・CDレンタル1枚無料などのサービスを受けられる。時代の変化とともに年賀状も進化しているようだ。

「メールの普及とともに若い人にとってちょっと高い壁になっている年賀状の『入口』をくぐってもらうにはどうすればいいかを考えて、『あいさつ』という本来の目的に『プレゼント』という付加価値をつけたんです。年賀状を本格的にやりとりするようになるのは結婚や子どもが生まれてからが多いのですが、その前にエンタメ性の高い企画で年賀状の楽しさや『リアルのよさ』を実感してもらえれば。やっぱりもらうと嬉しいですし、書く立場からは自分や相手の1年を振り返るいい機会になりますからね」(西村さん)