1ドル=100円前後のボックス相場が続いてきた為替市場だが、一時103円台に突入する局面も見られた。今後も円安が続くのか、酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表の酒匂隆雄氏が読み解く。

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 欧州中央銀行(ECB)は、11月7日にECB理事会で利下げを決定。政策金利を、過去最低となる0.25%とした。この措置について、インフレ率がECBの目標を大きく下回り、上向く兆しが見えないことを主因とし、さらなる利下げの可能性についても言及した。

 為替市場では、このECB理事会では利下げはないとの予想が大勢を占めていたため、やや大きい反応を示した。特に、ユーロは対ドルで1%以上下落し、ほぼ2か月弱ぶりの安値となる1.3304ドルをつけた。その後も、ユーロは対ドルで弱含んでいる。

 一方、ユーロ/円については、利下げ直後はユーロ安が進んだものの、すぐに利下げ前の水準にほぼ戻ってしまった。その代り、米ドル/円では小幅に円安が進み、それまでのボックス圏の円安の下限での推移となった。つまり、ECBの利下げは、米ドル高につながり、その影響で、対ドルで円安が進んだ格好だ。

 12月上旬には、米ドルは1ドル=103円を超えてきたが、さらに円安が進むかどうかは、やはり、米連邦準備制度理事会(FRB)により量的金融緩和の縮小(テーパリング)の行方だろう。

 10月の米雇用統計の数字が良好だったことから、米国市場を中心に、いったん遠退いたテーパリングの開始時期に対する予想が前倒しとなっている。もっとも早いものでは、2013年12月中旬の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定されるという予想だ。しかし、そうスムーズに行かないのではないかと考えている。

 その理由は、米国の住宅市場が変調をきたしているからだ。新築住宅販売件数は比較的好調を維持しているが、中古住宅販売戸数および住宅販売保留指数、建設業者指数といった住宅関連指標の直近の数字はいずれも振るわない。その背景について、米不動産市場関係者は、住宅ローン金利の上昇が回復を妨げていると見ている。

 テーパリングによってさらに米金利が上昇し、連れて住宅ローン金利が上がってしまうと、まだ回復途上にある住宅市場が腰折れする可能性もある。雇用回復にしっかりした自信が持てない状況で、テーパリングに踏み切るとは考えにくい。

※マネーポスト2014年新春号