Jリート投資では、高い分配金を安定してもらいたい人と一定期間で値上がり益を取りたい人がいる。それぞれどんなポイントを見て、銘柄を選べばいいのか。相場の見通しとともに“Jリート四天王”に聞いた。

値上がりは物流、オフィス。分配金は住居型を狙え!

2013年1月8日に1122ポイントだった東証REIT指数は、3月27日には1700ポイントにまで急上昇。しかしその後は膠着状態を続けており、東京オリンピック開催決定で多少は上昇傾向に転じたものの、まだまだ不透明さの残る動きだ。

しかし、長年Jリートの動きを分析している?四天王〞はそろって強気の発言。資産デフレ脱却の担い手としての政府の擁護、日銀による買い入れ、不動産価格上昇とオフィス空室率改善、そして東京オリンピック開催決定と強気要素に事欠かないからだ。

値上がり益狙いと分配金狙いに分けて銘柄を聞くと、値上がりについては、需要が拡大する物流施設型と今後の賃料アップも期待できるオフィス型が推し。オリンピック需要でホテル型もダークホースだ。分配金狙いは収益の安定した住居型が期待大だ。

物件積極取得が来年以降の分配金増期待に

現状、東証REIT指数は1450ポイント前後ですが、年末には1550ポイント、来年以降1800ポイントまで上昇するとみます。その理由は、第1に不動産価格の値上がり、第2にオフィス賃料の値上がりが来年以降予測されるからです。

Jリート全体の物件取得実績は2011年が7109億円、2012年が7848億円に対し、2013年は9月末時点ですでに1兆7865億円(予定含む)。来年以降の不動産価格上昇を見込んでの物件取得で、増配や資産価格の上昇が見込まれます。オフィス空室率が改善傾向で、賃料の下げ止まりも見えていることから、特にオフィス型は今後、値上がり、分配金の増加が期待できます。物流施設型も成長産業で期待大です。

値上がり注目銘柄

日本プロロジスリート投資法人(3283)
価格:93万円
分配金/分配金利回り:1万8191円/3.91%

日本プライムリアルティ投資法人(8955)
価格:32万8000円
分配金/分配金利回り:5800円/3.53%

ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
価格:4万5100円
分配金/分配金利回り:1803円/3.99%

分配金注目銘柄

日本ロジスティクスファンド投資法人(8967)
価格:100万5000円
分配金/分配金利回り:1万8000円/3.58%

オリックス不動産投資法人(8954)
価格:12万円
分配金/分配金利回り:2370円/3.95%

日本アコモデーションファンド投資法人(3226)
価格:68万6000円
分配金/分配金利回り:1万4400円/4.19%

鳥井裕史
SMBC日興証券 株式調査部シニアアナリスト

大和総研等で年金運用コンサルティング業務の一環として不動産投資分析業務、2006年よりリート専門のアナリスト業務に従事。10年10月より現職。

含み益が株価に織り込まれていない割安銘柄を

Jリートは、実は為替動向の影響を大きく受けます。円安になると、外国人投資家にとって投資のハードルが下がるから。その証拠に売り越しだった外国人投資家の投資動向が、2013年4月には800億円の買い越しになりました。また、不動産価格自体もすでに上昇傾向にあります。

Jリート価格はもともと長期金利と逆相関にあり、債券価格的な動きをします。しかし、不動産価格の上昇に伴い、株価に連動する二面性を持ち始めました。今後は株式的な動きをする局面に入り、Jリートの含み益が評価され、どんどん価格が上がっていくとみます。

3年以内に2000ポイントまでいくでしょう。今は含み益が価格に織り込まれていない銘柄が特に注目です。

値上がり注目銘柄

ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)
価格:14万4500円
分配金/分配金利回り:2750円/3.80%

アドバンス・レジデンス投資法人(3269)
価格:21万8600円
分配金/分配金利回り:4500円/4.11%

大和ハウスリート投資法人(3263)
価格:73万5000円
分配金/分配金利回り:1万5600円/4.24%

分配金注目銘柄

ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
価格:4万5100円
分配金/分配金利回り:1803円/3.99%

オリックス不動産投資法人(8954)
価格:12万円
分配金/分配金利回り:2370円/3.95%

野村不動産マスターファンド投資法人(3285)
価格:10万100円
分配金/分配金利回り:2780円/5.55%

竹内一史
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 エクイティリサーチ部シニアアナリスト

2004年、J.P.モルガン証券に入社し、株式調査部アナリストに。06年からJリートを担当。09年より現職。

分配金と値上がり益の両方が狙えNISA向き

Jリートは年利回り3〜5%の分配金がもらえるうえに、今後の不動産価格の上昇に連動して価格も上がっていくので、売却益も得られます。2014年1月からNISA(少額投資非課税制度)が始まりますが、高い分配金、値上がり益の両方を非課税で受け取れるので、ぴったりの商品です。ただ、ここで買っても50%くらいの値上がりでは売らないほうがいいでしょう。

Jリートのメリットは結局は分配金の高さ。2倍にでもならない限りは、3〜5年は保有しておきましょう。

Jリートは8月が悪く、11 月にたるみ、12月〜翌1月がよいという循環相場。それを見越して、買いを入れるのもコツ。価格が出資原初価格より高い、いつでも増資OKな銘柄が狙い目です。

値上がり注目銘柄

ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
価格:4万5100円
分配金/分配金利回り:1803円/3.99%

オリックス不動産投資法人(8954)
価格:12万円
分配金/分配金利回り:2370円/3.95%

野村不動産マスターファンド投資法人(3285)
価格:10万100円
分配金/分配金利回り:2780円/5.55%

分配金注目銘柄

ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)
価格:14万4500円
分配金/分配金利回り:2750円/3.80%

アドバンス・レジデンス投資法人(3269)
価格:21万8600円
分配金/分配金利回り:4500円/4.11%

大和ハウスリート投資法人(3263)
価格:73万5000円
分配金/分配金利回り:1万5600円/4.24%

山崎成人
Jリートアナリスト

三菱商事等を経て、1981年に三菱地所住宅販売に入社。札幌支店長、情報システム室長等を歴任後、2000年に独立。01年より日本初のJリートアナリストとして活動している。

日米の金利上昇がリスク要因。足元は堅調

アベノミクス相場で上昇していた東証REIT指数ですが、実は日経平均株価などの株式指数に比べると、アンダーパフォームでした。その後は膠着していましたが、東京オリンピック開催決定で、再び上昇傾向にあります。

膠着の要因は、日米の金利上昇懸念が挙げられます。米国のQE(量的緩和)縮小開始を契機に米国の金利は上昇。それに伴い日本の金利も上昇すると、借り入れをベースとしているJリートにはネガティブ要因になります。また、最近、Jリート市場は米国リート市場の動きに連動する傾向があるので、米国の金利上昇↓米国リート市場停滞↓日本リート市場に影響、という懸念も考えられます。

このような懸念材料はありますが、政府・日銀のリフレ政策、東京オリンピック開催など、これほどまでに好条件がそろっている環境や10年もの国債の利回りが1%前後である限り、1700〜1800ポイントまでのREIT指数の上昇は期待できるとみています。種別では2008年以降、空室率が上昇、稼働率重視で賃料が下落傾向だったオフィス型が空室率改善、賃料改善で今後回復が期待できます。住宅型は賃料が市況に左右されない傾向にあり、常に安定している点が魅力です。物流型は通信販売業者等の大型物流施設の需要が強く、それに比べ低水準な供給という構図から、引き続き好調な推移を予想。また、オリンピック開催決定で恩恵を被るのはホテル型でしょう。市場全体では、投信が人気で相場上昇の一因となっています。

荒木智浩
野村證券 エクイティ・リサーチ部エグゼクティブディレクター

1998年4月、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。2005年2月、野村證券に入社。以来、Jリートセクターのアナリストを務める。

この記事は「WEBネットマネー2014年1月号」に掲載されたものです。