2001年9月11日にアメリカ合衆国を襲った「同時多発テロ」。イスラム過激派による正義を主張するための聖戦という名のテロにより、世界貿易センタービルとペンタゴンが襲撃され、約3,000人もの尊い命が奪われました。アメリカは報復として、軍を主体とした国際部隊による無人機での攻撃を開始したことは、みなさん覚えていると思います。『わたしはマララ』の著者マララ・ユスフザイも、奇跡的に一命はとりとめたものの、イスラム過激派の被害にあった一人です。2009年、マララは11歳のとき、タリバンの支配下にあったスワート渓谷で、恐怖に怯えながら生きる人々の悲惨な暮らしぶりを伝えるブログを開始。タリバンによる女子校の破壊活動を批判し、女性への教育の必要性を訴えました。その勇気ある行動は欧米から注目され、パキスタン政府もマララを「勇気ある少女」として表彰します。しかし、マララの影響力が強くなればなるほど、タリバンから命を狙われる危険性が増していきました。そして、マララはタリバンによって頭を撃たれました。2012年10月9日の下校中の出来事でした――。「親愛なる兄弟姉妹のみなさん、忘れてはなりません。何百万もの人が貧困、不正、無知に苦しんでいます。何百万もの子どもたちが学校に通えずにいます。わたしたちの兄弟姉妹が、明るく平和な未来を待ち望んでいます。そのために、世界の無学、貧困、テロに立ち向かいましょう。本とペンを持って闘いましょう。それこそが、わたしたちのもっとも強力な武器なのです。ひとりの子ども、ひとりの教師、一冊の本、そして一本のペンが、世界を変えるのです。教育こそ、唯一の解決策です。まず、教育を」上記は、2013年7月12日に、マララが国連本部で行ったスピーチの一部です。マララは撃たれた後も、パキスタンの不安定な情勢と、そこにはびこるタリバン勢力に臆することなく果敢に立ち向かい続けています。彼女は"すべての男の子と女の子が教育を受けられるように"という夢を諦めていません。そして次のように言います。「タリバンはわたしたちからペンや教科書を奪うことはできても、考える力を奪うことはできない」タリバンの弾圧にもめげず、弱い立場にある女性の声なき声を拡散し、女性の権利や人権の獲得を目指すマララ。本書に書かれた少女の強い意志と痛切なメッセージに、希望の光を感じられるかもしれません。これからの世界や教育、人権の在り方を考えるきっかけとして、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
『わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』 著者:マララ・ユスフザイ,クリスティーナ・ラム 出版社:学研マーケティング >>元の記事を見る

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