2012年分の申告時から一元化されるが、2011年分はまだ旧税制のまま。取引所FX(外国為替証拠金取引)と店頭FXでは申告方法が異なるので注意!取引所FXの利益にかかる税率は一律20%結論から言えば、「くりっく365」や「大証FX」のような取引所を通したトレード(取引所FX)と比べ、FX業者を通した店頭FXは税金面で不利になるケースが多い。そこで、今年の取引分(来年の確定申告分)から店頭FXにも取引所FXと同じく「申告分離課税」が適用されることになった。とはいえ、今回の確定申告は従来税制のままなので、間違えないように。まず、取引所FXに適用される「申告分離課税」においては、ほかの所得と合算されることはなく、純粋にFXの収益に対して20%の一律税率が課される。ところが、店頭FXの収益はほかの雑所得と合算したうえで、所得が多いほど税金が増える累進税率が適用されるのだ。でっかく稼いだトレーダーほど店頭FXのほうが不利に働くが、今回は従来税制にのっとって申告するしかすべはないだろう。どちらにも共通しているのは、FXで稼いだ年間収益が20万円を超えたら、確定申告を行なわなければならないことだ。そして、取引所FXの場合は確定申告書の「先物取引に係る雑所得等」という項目をクリックし、続いて表示された画面で必要事項に入力していくことになる。

日経225先物やオプション、取引所CFD(差金決済取引)、上場カバードワラント、商品先物取引なども同じく「先物取引に係る雑所得等」に該当し、それらと取引所FXの損益を通算することも可能。だが、株式の現物や信用取引との通算は不可だ。なお、大きな損失を被った場合は、翌年以降も最長3年にわたって利益と通算する「繰越控除」も認められている。一方、店頭FXの利益は雑所得に分類される点は取引所FXと同じだが、こちらは「申告分離課税」ではなく「総合課税」の対象となる。そして、「先物取引に係る雑所得」を除くほかの雑所得と合算したうえで、その金額に応じた税率が課せられる。累進課税の税率は最高50%(住民税含む)に及び、たくさん稼いだ人は利益の半分を召し上げられてしまう。「店頭FXで損失が出ていたら、ほかの雑所得の利益と相殺することが可能で、その分だけ税金が抑えられます。ただし、雑所得以外とは通算できません」(税理士の林さん)さて、店頭FXの申告手続きは、確定申告書の上のほうにある雑所得の欄の「その他」と書かれた部分をクリックすることからスタートする。すぐに別の画面(左下の画面キャプチャー参照)が開くので、取引内容を入力していこう。必要経費も認められているので、「トレードを行なううえで欠かせなかった」と税務当局を納得させられるものなら(万が一、問い合わせがあった場合に備えて)、遠慮なく計上しよう。「セミナー代やその会場に通うための交通費も計上可能です。パソコンについては完全にFX専用でない限り、購入費用の全額を経費にすることはできません」(林さん)冒頭でも触れたように、「総合課税」扱いは今回限り。昨年からの未決済ポジションがあれば、その利益は「申告分離課税」の対象となる。

林 裕二林税理士事務所法人税、所得税等の決算申告業務や税務相談、企業内セミナー講師、原稿執筆等に従事。ファイナンシャル・プランナーとしては、独立系FP会社、証券アナリストや保険コンサルタントとの共同による包括的コンサルティングを行なう。「くりっく365」のセミナーでは講師も務める。
―--この記事は「WEBネットマネー2012年3月号」に掲載されたものです。