大震災という未曾有の災害に対するダメージに対し、「雑損控除」の特例措置や災害減免法がフォローの手を差し伸べる!税制も特例措置で被災者を支援!東日本大震災が住宅や家財などにとてつもない被害をもたらしたことは、テレビに映し出された映像を通じて世界中の人たちが知っている。税務当局も被災者に対していくつかの特例措置を設けて、税負担の軽減を図っている。もともと災害や盗難、横領によって損害を被った場合は、「雑損控除」の適用が受けられる。ただ、通常はその災害が収まってから1年以内に支出した費用が控除の対象となる。しかし、東日本大震災に伴う損害の場合は、以後3年以内の支出まで対象が拡大されている。さらに、「特例として前年の申告分にも適用でき、2010年分の確定申告を更正請求することも可能」(林さん)なのだ。具体的には、確定申告書の「雑損控除」欄をクリックし、損害額を記入していく。大震災に伴う損害の場合、具体的な金額の計算がまだ済んでいなければ、まずは「損失額の計算をする」というボタンを押す。そして、切り替わった画面上に、?住宅、?家財、?車両といった項目別に入力していく。なお、下図中央は?の記入欄だ。実際に控除できるのは、?保険金などで補てんされた分を差し引いた損失額-総所得金額×10%、?差引損失額における災害関連支出の金額ー5万円のうち、金額の大きいほうだ。そして、損害が甚大で全額を控除しきれない場合は、翌年以降も最長3年間は繰越控除が受けられる。「大震災で被災した人には『雑損控除』の特例が設けられているだけでなく、『災害減免法』の適用によって所得税が軽減もしくは減免される可能性があります」(林さん)

下の表のように、所得が500万円以下の人は所得税の全額が免除され、750万円超1000万円以下の人でも4分の1を軽減してもらえる。また、ローン返済中の自宅が震災で崩壊して居住できなくなっても、引き続き住宅ローン控除(ネットマネー本誌2012年3月号43ページ参照)の適用が受けられる。


林 裕二林税理士事務所法人税、所得税等の決算申告業務や税務相談、企業内セミナー講師、原稿執筆等に従事。ファイナンシャル・プランナーとしては、独立系FP会社、証券アナリストや保険コンサルタントとの共同による包括的コンサルティングを行なう。「くりっく365」のセミナーでは講師も務める。
―--この記事は「WEBネットマネー2012年3月号」に掲載されたものです。