Jリート市場は2001年に創設されて12年が経過。2007年の過熱から一気に約4分の1にまで下落して低迷していた市場は、経営が手詰まりになった投資法人の合併やスポンサー交代もメドがついたところで、アベノミクスによる市場復活が始まった。今後のJリート市場はさらに上昇相場を迎えるのか…。その動向を探った。Jリート(日本版不動産投資信託)といっても、なじみの薄い人も多いだろう。2001年に東京証券取引所が創設し、現状銘柄数は42。「不動産に投資して、投資家にどんな恩恵があるのか?」「不動産投資信託ということは、投資信託と同じなのか?」「そもそも、もう土地は上がらないだろう」など、疑問や誤解を持っている人も多いだろう。その半面、Jリートにだけ投資し、4000万円を1年で1億1000万円にし、その後も毎年20%の運用利回りで勝ち続けている『Jリート市場は宝の山だ』(ポプラ社)の著者、伊山俊介さんのような個人投資家もいる。「Jリートは高い分配金が魅力。現状でも3〜5%、市場が悪いときは、10%近い利回りになる。これを放っておく手はない。不動産という現物を持っているので、万一、上場廃止になっても紙くずにはならない。株式に比べ、ミドルリスク・ミドルリターンといえる」と伊山さん。Jリートの仕組みは、銀行や証券会社を通じて販売されている投資信託と違い、「投資法人型」といって投資信託そのものが法人格を持っている。その会社が発行する株式が上場されているのがJリートだ(下図参照)。つまり、株式とかなり性格が似通っている。投資家から集めた資金で不動産を取得。その賃料と売却益が収入になる。Jリートは経費を差し引いた利益の90%超を分配することで法人税が実質免除されるルールとなっている。そのため、高い分配金利回りを常に維持できるのだ。円安で外国人投資家も不動産取得に動きだしたJリート市場は2001年の創設以来、徐々に値を上げ、2007年5月には東証REIT指数で2612ポイントという高値までいった。創設から6年で一気に2・6倍の価格になったのだ。しかし、リーマン・ショックで、2008年10 月には704ポイントまで急落し、膠着状態が続いた。その後、経営が行き詰まる投資法人もあり、合併やスポンサー入れ替えが急ピッチで進んだ。そんなさなか、アベノミクス相場で株価とともに、Jリート市場も再び上昇。現状、一服感はあるが、Jリートの本領を発揮するタイミングがいよいよやって来たといえる。「Jリートは、今や最大の不動産の買い手です。大きな物件が開発されたときは、その取得者として必ず名を連ねます。政府もデフレ脱却の重要な担い手と位置づけて後押しをしているので、市場規模が今後、どんどん成長していくのは間違いありません」(日興SMBC証券/鳥井裕史さん)三菱UFJモルガンスタンレー証券の竹内一史さんは、「東証REIT指数は数年後には2000ポイントまで上がる」と強気の発言。政府の後押しに加え、円安で外国人投資家も日本の不動産取得に動きだしたからだ。さらに、東京オリンピック開催決定がプラス要因として加わった。2007年の水準まで届くかはわからないが、Jリート市場は?今が宝の山〞なのかもしれない。

予想利回りランキングTOP151位 ケネディクス・レジデンシャル投資法人(3278)予想分配利回り:5.59%価格:20万8500円2位 MIDリート投資法人(3227)予想分配利回り:5.39%価格:22万4300円3位 野村不動産マスターファンド投資法人(3285)予想分配利回り:5.15%価格:10万100円4位 いちご不動産投資法人(8975)予想分配利回り:4.97%価格:6万円5位 スターツプロシード投資法人(8979)予想分配利回り:4.90%価格:16万9500円6位 プレミア投資法人(8956)予想分配利回り:4.78%価格:39万4000円7位 コンフォリア・レジデンシャル投資法人(3282)予想分配利回り:4.77%価格:67万9000円8位 SIA不動産投資法人(3290)予想分配利回り:4.70%価格:40万1000円9位 トップリート投資法人(8982)予想分配利回り:4.60%価格:44万2000円10位 阪急リート投資法人(8977)予想分配利回り:4.59%価格:55万3000円11位 野村不動産レジデンシャル投資法人(3240)予想分配利回り:4.41%価格:55万2000円12位 星野リゾート・リート投資法人(3287)予想分配利回り:4.39%価格:56万7000円13位 平和不動産リート投資法人(8966)予想分配利回り:4.38%価格:7万5500円14位 ケネディクス不動産投資法人(8972)予想分配利回り:4.37%価格:43万4500円15位 積水ハウス・SI投資法人(8973)予想分配利回り:4.35%価格:48万4000円※価格、予想分配利回り(年間)は2013年11月8日現在。予想分配利回りは「年換算予想分配金(当期予想分配金+次期予想分配金)÷投資口価格」で算出。アベノミクスで値上がりした銘柄・値下がりした銘柄ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)出資原初価格:8万3333円11月8日の終値:14万4500円価格騰落率:173.0%予想分配利回り(年):3.81%日本プライムリアルティ投資法人(8955)出資原初価格:20万円11月8日の終値:32万8000円価格騰落率:164.0%予想分配利回り(年):3.54%大和ハウス・レジデンシャル投資法人(8984)出資原初価格:25万円11月8日の終値:40万6500円価格騰落率:162.6%予想分配利回り(年):4.14%GLP投資法人(3281)出資原初価格:6万2500円11月8日の終値:9万9000円価格騰落率:158.4%予想分配利回り(年):4.28%日本リテールファンド投資法人(8953)出資原初価格:12万5000円11月8日の終値:19万5000円価格騰落率:156.0%予想分配利回り(年):4.14%アドバンス・レジデンシャル投資法人(3269)出資原初価格:16万6666円11月8日の終値:21万8600円価格騰落率:131.1%予想分配利回り(年):4.12%オリックス不動産投資法人(8954)出資原初価格:10万円11月8日の終値:12万円価格騰落率:120.0%予想分配利回り(年):3.96%ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)出資原初価格:4万1666円11月8日の終値:4万5100円価格騰落率:105.8%予想分配利回り(年):4.00%ケネディクス・レジデンシャル投資法人(3278)出資原初価格:20万円11月8日の終値:20万8500円価格騰落率:104.2%予想分配利回り(年):5.59%野村不動産マスターファンド投資法人(3285)出資原初価格:10万円11月8日の終値:10万100円価格騰落率:100.01%予想分配利回り(年):5.15%スターツプロシード投資法人(8979)出資原初価格:20万円11月8日の終値:16万9500円価格騰落率:−15.25%予想分配利回り(年):4.90%いちご不動産投資法人(8975)出資原初価格:7万1429円11月8日の終値:6万円価格騰落率:−16.0%予想分配利回り(年):4.97%平和不動産リート投資法人(8966)出資原初価格:12万5000円11月8日の終値:7万5500円価格騰落率:−39.6%予想分配利回り(年):4.38%日本賃貸住宅投資法人(8986)出資原初価格:12万5000円11月8日の終値:6万7400円価格騰落率:−46.08%予想分配利回り(年):4.30%インヴィンシブル投資法人(8963)出資原初価格:8万円11月8日の終値:1万3230円価格騰落率:−83.5%予想分配利回り(年):3.02%出所:山崎成人氏の資料より編集部が作成。※価格、予想利回り(年間)は2013年10月16日現在。価格騰落率は上場時の初値から11月8日の終値までのもの。出資原初価格は投資法人設立時の1口当たりの価格。投資口分割をした場合は分割後の価格。鳥井裕史SMBC日興証券 株式調査部シニアアナリスト大和総研等で年金運用コンサルティング業務の一環として不動産投資分析業務、2006年よりリート専門のアナリスト業務に従事。10年10月より現職。竹内一史三菱UFJモルガン・スタンレー証券 エクイティリサーチ部シニアアナリスト2004年、J.P.モルガン証券に入社し、株式調査部アナリストに。06年からJリートを担当。09年より現職。山崎成人Jリートアナリスト三菱商事等を経て、1981年に三菱地所住宅販売に入社。札幌支店長、情報システム室長等を歴任後、2000年に独立。01年より日本初のJリートアナリストとして活動している。荒木智浩野村證券 エクイティ・リサーチ部エグゼクティブディレクター1998年4月、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。2005年2月、野村證券に入社。以来、Jリートセクターのアナリストを務める。この記事は「WEBネットマネー2014年1月号」に掲載されたものです。