植草まさしの30万円株上昇ネタ8連発!!
銘柄選びには着眼点が大切。ここでは、東証1部昇格といった需給に影響する材料と、除染・廃炉をはじめとする収益に影響する材料で銘柄をピックアップしてみた。

爆上昇?超王道 東証一部にステップアップする新興株

1部昇格で需給一変。機関投資家が買い

東証が上場企業の1部昇格を発表すると、翌日から株価が上昇するケースが多い。持ち株の騰落が東証1部全体の相場に連動するように運用する?パッシブ投資家〞が新たに購入するため、証券ディーラーや個人が先回り買いするからだ。

最近、東証はジャスダックやマザーズ上場の企業の幹部を集めたセミナーで、1部昇格に向けたアドバイスをしている。企業統合で銘柄が減っており、東証も1部銘柄を増やしたいようだ。

時価総額の大きい銘柄が新興市場にとどまっている場合、株主数が足りないだけのことが多い。こうした企業は創業者など大株主による持ち株放出で、すぐにでも1部市場に移れるのだが……。

東証1部に市場替え期待の5銘柄

理研ビタミン(東証2部・4526)
株価(売買単位):2339円(100株)
いくらで買える?:23万3900円

理化学研究所から派生した食品メーカー。1部上場観測がある一方、筆頭株主であるキッコーマンの完全子会社化説が出たことも。

エン・ジャパン(ジャスダック・4849)
株価(売買単位):2328円(100株)
いくらで買える?:23万2800円

求人情報サイト運営の大手。安倍政権は雇用流動化を強く志向しており、派遣会社からの広告収入が大きいエン・ジャパンにもプラス。

いちごグループホールディングス(ジャスダック・2337)
株価(売買単位):407円(100株)
いくらで買える?:4万700円

不動産ファンドを組成・運用が事業の柱。株価400円台で時価総額2000億円前後と、すぐに東証1部に昇格できる規模である。

ハイレックスコーポレーション(東証2部・7279)
株価(売買単位):2100円(100株)
いくらで買える?:21万円

独立系の自動車部品メーカー。時価総額も財務体質も東証1部にすぐに移れる規模だ。創業者一族の持ち株放出を注視したい。

楽天(ジャスダック・4755)
株価(売買単位):1329円(100株)
いくらで買える?:13万2900円

時価総額は約1兆8000億円と、すべての新興市場銘柄で最大規模。社内英語公用語化を海外事業の拡大にどう役立てるかに注目が集まる。

爆上昇?超大穴 低格付け・赤字・不適切会計…悪材料織り込み株

悪材料は消化完了。あとは上がるだけ?

赤字や不適切会計の会社を敬遠する投資家は多いが、一般に、公表された悪材料は株価にすでに織り込まれているとされる。注意したいのは悪材料の種類だ。不祥事ならば再発の可能性は低いが、本業そのものの不振ならば、見極めが難しく、会社の知名度や規模だけでは先行きも読みにくい。

ここではパナソニックを挙げた。円安でひと息つくことなく大規模リストラを発表した点は注目に値する。逆に、半導体やデジカメに執着する企業はリストラが追いつかない可能性が……。

一方、債務超過の小型株はハイリターンを覚悟できる投資家専用。資金調達の見通しが重要だ。増資に成功すれば、それだけで株価は急伸する。

株価も信用力も超回復しそうな5銘柄

パナソニック(東証1部・6752)
株価(売買単位):994円(100株)
いくらで買える?:9万9400円

半導体部門の大幅リストラなどで構造転換を急ぐが、円安に頼らないビジネスモデルを打ち出すまで業績は不安定か。

価値開発(東証2部・3010)
株価(売買単位):35円(1000株)
いくらで買える?:3万5000円

繊維会社から投資事業に業態転換したが、うまくいかない。ホテル事業を主軸に据えるが、再生シナリオに不透明感が……。

北海道電力(東証1部・9509)
株価(売買単位):1209円(100株)
いくらで買える?:12万900円

これから冬にかけて電力消費量が増え、発電用の石油・石炭代が経営を圧迫する。ただ、原発再稼働なら急反発しそうだ。

イー・キャッシュ(東証マザーズ・3840)
株価(売買単位):1万2340円(1株)
いくらで買える?:1万2340円

ICタグ関連のシステム開発が主力だが、経営不振が続く。来年3月期末までに債務超過を脱しないと、上場廃止に。増資を模索中か。

アルデプロ(東証マザーズ・8925)
株価(売買単位):328円(1株)
いくらで買える?:328円

金融機関の協力を取り付け、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)で再建中。前7月期に債務超過は脱した。

爆上昇? 売買単位100株統一

売買金額低下による流動性向上は好材料

株の売買単位は1株から2000株まであり、誤発注の原因ともなり、実務上も煩雑だ。東証などの呼びかけで100株と1000株の2種類に統一される方向にある。

理論上は、売買に必要な最低単位株数を変えても、企業そのものの価値は同じなので、株価には影響しない。しかし現実には、売買単位の変更が買いを呼ぶケースは多い。売買単位変更で取引しやすくなって日々の出来高が厚みを増し、これまで薄商いを理由に取引を手控えていた法人投資家も参戦してくるためといわれる。左の表にはないが、最低投資金額100万円以上の株は株式分割する可能性も大きい。

売買単位変更で需給がよくなる5銘柄

三菱ケミカルホルディングス(東証1部・4188)
株価(売買単位):442円(500株)
いくらで買える?:22万1000円

財界本流の名門なのに、売買単位は500株と変則的。医薬品も汎用化学品も上向きだ。不採算のエチレンプラントの1基停止はプラス材料。

サマンサタバサジャパンリミテッド(東証マザーズ・7829)
株価(売買単位):4万2000円(1株)
いくらで買える?:4万2000円

自社ブランドのレディースバッグが急速に浸透し、積極出店も成功した。個人消費回復のトレンドにも乗っている。売買単位は1株だ。

日本高純度化学(東証1部・4973)
株価(売買単位):21万6700円(1株)
いくらで買える?:21万6700円

電子部品用の金メッキ薬に強い。顧客企業の収益回復がプラス材料になる。有利子負債ゼロだが、日々の売買は非常に少ない。

エムスリー(東証1部・2413)
株価(売買単位):24万9600円(1株)
いくらで買える?:24万9600円

ソニーが筆頭株主として発行済み株式の約50%を保有するが、持ち株比率を引き下げる可能性もありそうだ。現行1株単位での売買。

朝日ラバー(ジャスダック・5162)
株価(売買単位):325円(500株)
いくらで買える?:16万2500円

工業用ゴムを製造している。自動車向けが順調に伸びているほか、医療向けも有力な収益源として育ってきた。現行500株単位。

爆上昇? 巨大年金が買う新興株

大口投資家に先回り。成長株でも安定重視

公的年金も高収益を求め新興株を買う。注目はオンリーワン企業である。

年金による株式運用の規制は緩和される方向にある。これまでTOPIX(東証株価指数)とほぼ同じ値動きの銘柄構成だったが、今後は市場全体を上回る動きを追う積極運用が拡大しそうだ。

ただ、年金は冒険できない資金のため、運用スタイルも保守的になる。財務状態が安定し、さらに銘柄選定の理由を明確に説明できる企業にほど投資マネーが向かいやすい。「個人は株価水準を買い、機関投資家は理由を買う」といわれるが、需給を買うのが王道だ。

ROEが◎で年金も買いやすい5銘柄

ハーモニック・ドライブ・システムズ(ジャスダック・6324)
株価(売買単位):2018円(100株)
いくらで買える?:20万1800円

産業用ロボットの微妙な力加減を生む減速装置を製造している。独自技術のある企業は機関投資家の買いを呼びやすい。

ユーグレナ(東証マザーズ・2931)
株価(売買単位):1480円(100株)
いくらで買える?:14万8000円

微生物のミドリムシを原料に食品や化粧品を製造・販売する東大発のバイオベンチャー。類似企業がないのが強みだ。

タカラバイオ(東証マザーズ・4974)
株価(売買単位):2131円(100株)
いくらで買える?:21万3100円

新興バイオ企業の中でもバックが酒類大手の宝ホールディングスなので、機関投資家が手を出しやすい。配当があるのも強み。

ジーテクト(ジャスダック・5970)
株価(売買単位):3145円(100株)
いくらで買える?:31万4500円

ホンダ傘下の自動車部品会社。車体の骨格部分を設計から担当する。増収・増配。数年で売上高2000億円の大台に乗せる勢い。

スターバックスコーヒー ジャパン(ジャスダック・2712)
株価(売買単位):1092円(100株)
いくらで買える?:10万9200円

店舗の純増が続く。消費者の低価格志向が一段落したこともプラスに働いている。9月末に1対100の株式分割を実施済み。

※ROE=自己資本利益率。

爆上昇? 2014年、記念配当期待

来年が節目の銘柄。記念配当で株高

創業年や上場年から数えて節目の年に、記念配当を出す企業が多い。財務状態が安定し、足元の業績が好調な企業は記念配当を期待できる。

記念配当が高配当定着の前兆となることもある。記念配当は特別な利益還元なので、翌期以降も続ける必要はない。そこで、企業経営者はとりあえず記念配当で株主還元を増やし、翌期は普通配当に切り替えるケースも少なくない。「記念配当ならば文句を言われない」とばかりに大盤振る舞いするオーナー経営者もいる。株主還元というよりお手盛りだが、便乗するのもよさそうだ。

創業、上場からキリのいい年数の5銘柄

協和エクシオ(東証1部・1951)
株価(売買単位):1132円(100株)
いくらで買える?:11万3200円

来年5月に会社設立から60周年を迎える。1100億円を超える利益剰余金があり、今期も連続増益が濃厚で、配当の積み増し余地は大だ。

KIMOTO(東証1部・7908)
株価(売買単位):926円(100株)
いくらで買える?:9万2600円

来年1月で上場20周年。液晶用フィルムの大手。スマホの販売拡大で売上高が伸びている。実質、無借金経営だ。

キトー(東証1部・6409)
株価(売買単位):1570円(100株)
いくらで買える?:15万7000円

工場用に特化した搬送機器メーカー。日本企業の海外進出に合わせて、海外での仕事が増えている。戦中の創立から来年7月で70周年。

大幸薬品(東証1部・4574)
株価(売買単位):1624円(100株)
いくらで買える?:16万2400円

「正露丸」で有名な老舗企業だが、来年3月で上場から丸5年と、マーケットでは若い企業。新工場投資が一段落し、次は株主還元か。

エイチーム(東証1部・3662)
株価(売買単位):2453円(100株)
いくらで買える?:24万5300円

東証1部へのスピード上場で有名。来年11月に会社設立から10年。実質無借金で、すでに優良企業のポジションにある。

爆上昇? ソチ五輪!

定番の五輪関連株東京の前哨戦に

2014年2月7日から23日までの約2週間、ロシア南西部のソチで冬季五輪が開催される。冬季五輪は競技数が少ないため、日本人選手がメダルを獲得した場合、限られた銘柄に資金が集まることになるだろう。

2014年2月まで持ちたい3銘柄

アシックス(東証1部・7936)
株価(売買単位):1679円(100株)
いくらで買える?:16万7900円

スポーツウエア大手。日本オリンピック委員会の公式パートナー。オリンピックやワールドカップなどの際、決まったように株の売買が活発化する。

アルペン(東証1部・3028)
株価(売買単位):1790円(100株)
いくらで買える?:17万9000円

スポーツ用品の小売店を展開。ウインタースポーツ全般に強い。同業のヒマラヤも20万円以下で投資できる。

コナミ(東証1部・9766)
株価(売買単位):2434円(100株)
いくらで買える?:24万3400円

傘下にスポーツクラブを運営するコナミスポーツ。カジノ解禁関連株の有力銘柄でもあり、話題性は豊富だ。

爆上昇? 研究開発で成長

研究開発重視の銘柄。将来の成長に布石

研究開発費は製造業の?命〞。利益の何割を配当や内部留保に充て、何割を研究開発に使うかは経営判断そのものであり、企業経営者の能力が将来に業績としてはっきりと表れる。長期的な株価上昇の材料だ。

次世代の成長に取り組む5銘柄

日本ケミカルリサーチ(東証2部・4552)
株価(売買単位):1837円(100株)
いくらで買える?:18万3700円

売上高150億円規模の企業だが、研究開発費は毎年20億円規模。ヒト成長ホルモン製剤の分野で、世界の薬品大手をリードする。

カシオ計算機(東証1部・6952)
株価(売買単位):909円(100株)
いくらで買える?:9万900円

他の電気機器大手とは一線を画し、ユニークな商品開発で存在感を発揮してきた。研究費のわりに特許出願件数が多いことでも知られる企業だ。

鳥居薬品(東証1部・4551)
株価(売買単位):2563円(100株)
いくらで買える?:25万6300円

売上高の約15%を研究開発費に投入し、主力である腎臓領域でトップランナーのポジションを維持している。JTの傘下。

日本電波工業(東証1部・6779)
株価(売買単位):884円(100株)
いくらで買える?:8万8400円

水晶部品の専業メーカー。売上高に占める研究開発費の比率は5%強と、電気機器セクターではかなり高い部類だ。

ナノキャリア(東証マザーズ・4571)
株価(売買単位):20万6300円(1株)
いくらで買える?:20万6300円

創薬ベンチャー。開発費を惜しげもなく投入し、業績的には今が勝負のしどころだ。ハイリスク・ハイリターンの投資になる。

爆上昇? 除染・廃炉に予算

除染・廃炉は国家事業。日本の威信かかる

東電・福島第1原発の廃炉と周辺の除染は、国家的な長期事業と位置づけられている。東京オリンピック招致の際、安倍首相が世界を相手に安全を確約したこともあり、与党幹部たちは政治生命を賭けて取り組むはずだ。

国策で予算が回ってくる5銘柄

ジャパンベストレスキューシステム(東証1部・2453)
株価(売買単位):8万1400円(1株)
いくらで買える?:8万1400円

カギの紛失や水回りトラブルなど家庭向け「生活救急車サービス」で知られる。子会社が道路除染のノウハウを持って活動中。

アゼアス(東証2部・3161)
株価(売買単位):415円(100株)
いくらで買える?:4万1500円

東証2部でもかなり小型の部類。米国デュポン社製の防護服を扱っており、除染作業の進展につれて売り上げが伸びそうだ。

ラサ工業(東証1部・4022)
株価(売買単位):207円(1000株)
いくらで買える?:20万7000円

高濃度に汚染された砂を分離する技術を持つ。経営再建はゆっくりだが進んでおり、数年先の復配も見えてきた。

タクミナ(東証2部・6322)
株価(売買単位):606円(100株)
いくらで買える?:6万600円

精密ポンプを手がけ、汚染水を回収できるポンプ技術を保有する。海外向けプラントも円安などを追い風に好調に推移している。

環境管理センター(ジャスダック・4657)
株価(売買単位):805円(100株)
いくらで買える?:8万500円

超微量物質の検出・分析に強く、除染や放射能測定で継続的な需要がありそう。春には中国のPM2.5関連株として注目されそうだ。

※株価は2013年11月8日現在。

植草まさし
経済ジャーナリスト

外資系金融機関を経て、現職。マーケットの裏も表も知り尽くす事情通。日々、特ダネを探して兜町、日本橋を歩く。



この記事は「WEBネットマネー2014年1月号」に掲載されたものです。