東京ビッグサイトから幕張メッセへ?(写真はコミックマーケット84の様子)

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 8日、今月29日より東京ビッグサイトに開催されるコミックマーケット85を前に、第三回拡大準備集会が開催された。拡大準備集会は毎回、コミックマーケット前に開催されるもの。スタッフのみならず一般参加者も参加し、準備会に対して質疑が行われる場だ。

 ここは、毎回、コミックマーケットをとりまくさまざまな問題などについて、コミックマーケットを主催するコミックマーケット準備会が直接回答し、今後の方針を示す場所でもある。

 今回の準備会で最も注目を浴びたのは、2015年に開催予定のコミケットスペシャルの開催地が千葉県の幕張メッセで開催されるという発表だった。コミケットスペシャルは、年2回の通常開催以外に行われるもの。過去には沖縄、水戸での"地方開催"、24時間で搬入から撤収までを行う"24耐開催"も行われている。

 いわば、通常のコミケとは異なるやり方が目玉となるコミケット。今回の幕張メッセでの開催がどのような形になるかは未定だが、大きく注目される理由は、いくつかある。一つは、コミックマーケットの事件史に刻まれる「コミケ幕張メッセ追放事件」が、いよいよ精算されたのか? と考えられることだ。

 コミックマーケットは89年冬から、会場を当時国内最大級の規模であった幕張メッセに移動し、開催していた。ところが、91年、男性向け同人誌を委託販売していた都内の書店などがワイセツ容疑で摘発される事件が発生。こうした状況の中で、幕張メッセを管轄する千葉県西警察署が幕張メッセに対して事情聴取を行ったことから、幕張メッセが突如、会場の貸し出しを拒否したのである。すでに開催告知やサークル申込みが完了した時点での貸し出し拒否に準備会は急遽、会場を晴海の東京国際見本市会場に移動し、無事に開催にこぎつけたのである。

 今回の開催決定には、この事件による両者の関係が20年余りを経て解決されたと見ることもできる。しかし、今回の準備会の席上で、準備会側はあくまで「手打ちではない」ことを強調。今後は千葉県の青少年健全育成条例との絡みについても担当者と話し合っていくことを示した。開催までの間に、どのような話し合いが行われるかも、注目したいところだ。

 もうひとつ、今回、準備会がコミケットスペシャルを幕張メッセに決定した理由として噂されているのは、オリンピックとの関連だ。すでに知られているように、東京ビッグサイトが、2020年の東京オリンピック会場になるのは決定事項。19年から、オリンピック準備のために使用は困難になると見られている。その代替会場として、最も有力視されているのが幕張メッセなのだ。幕張メッセを除けば、首都圏に現在のコミックマーケットを収容できる規模の会場は存在しない。全国には、いくつか収容可能と思われる会場が存在はしている。しかし、地方で開催した場合には、搬入・スタッフの確保などの問題点も多い。そのため、オリンピックに向けて準備会と幕張メッセがなんらかの手打ちをするのではないかという見方は以前から存在する。

 果たして、コミケットスペシャルはオリンピック対策へ向けた布石なのか? 準備会関係者に話を聞いたところ「ノーコメント」を貫かれた。

 オリンピック前後のコミックマーケットはどこで開催されるのか? 今後とも取材を続けていく。
(取材・文/昼間 たかし)