本日、12月7日公開の映画『チャイ・コイ』のご紹介です。主演の川島なお美(53)が大胆な脱ぎっぷりを披露するということで注目を集めていますが、内容は“大人の女性のための”ラブストーリー。原作は岩井志麻子著の同名小説で、実はこの物語は原作著者の実体験に基づいたもの。小説ではベトナム男性との恋愛物語ですが、映画ではタイを舞台に、人気作家・瑞島麻衣子(川島なお美)と、韓国人青年ハヌル(イ・テガン)との一時の儚く情熱的な恋愛を描いています。

旅先のイケメンウェイターに、驚異の行動力で接近!

2人の出会いは、麻衣子が立ち寄ったタイのレストラン。そこで働いているハヌルを一目見て気になってしまう麻衣子。好みの男性なら、当然のこと。そして注文を聞きにきたハヌルの手が麻衣子の手に触れた瞬間、麻衣子は恋に落ちてしまうのです。きっと彼女は、手フェチ? 好みはいろいろだけれど、男性の体の一部分や仕草に思わずぐっとくるのは、わかる気がします。そして女性なら一度は、こんな瞬間が訪れることを期待したことがあるはず。でも実際はイケメンを鑑賞しただけで終わってしまうのが現実です。「その先はなかなか発展しないから期待しない」と、ついついマイナス思考になってしまうのだけれど、そんな女性たちの背中を押してくれる麻衣子の行動力。彼にガイドを頼み、急接近。その後、彼のアパートで欲望のままにベッドイン。大胆かつ行動的な麻衣子に羨望の思いがよぎってしまいます。

「欲望のままにベッドイン」に対する複雑な女心

でも「これって旅先での単なるアバンチュールじゃない?」と、観ている側としては羨ましい気持ちを振り払うように突っ込みを入れてしまいます。そして2人の関係を全否定してみるも、こんな恋愛に憧れる自分がいるということまでは否定できず、とても複雑な心境のまま、作品に引き込まれてしまうのです。言葉すら通じず、お互いの欲望だけで体を重ねる麻衣子とハヌルに未来はない。麻衣子は、仕事もお金も充分満たされているのに心は満たされていない女性。一方ハヌルも心に闇を抱えている。そんな2人だからこそ欲望のままに突き進んでしまったのでしょうね。現実的に考えれば未来のない恋愛には、虚しさしか感じないはずなのだけれど、一瞬でもお互いの思いを燃焼できれば、それはそれで素敵な恋愛だとも思えます。むしろ心のままに愛し合う瞬間には、駆け引きも何もないのだから、最も純粋な愛なんじゃないかしら…。

女性主導の展開で、不倫のモヤモヤを解消?

さらに単なる欲望を消化するだけのアバンチュールとは思えない理由がまだあります。それは、出会いから終始女性主導で進んでいく恋愛という設定です。これが男性主導で展開してしまえば、単なるエロ話に過ぎなかったのではないでしょうか。自立した女性ならではの大人の恋愛は、こうでなくっちゃ! 男に媚びず、振り回されず。

でも実は麻衣子は日本で担当編集と不倫しちゃってるから、実際には全く精神的に自立していない女性なのです。そんな自分が嫌で、空虚感を感じ、ハヌルへの思いに自分のやりきれなさをぶつけた感も否めない。男性視点で見ると、単なるセクシーな作品なんでしょうが、女性が観るならもっと深く観なきゃもったいない作品。そして美しくエロティックな映像に引き込まれながら、麻衣子を自分に重ね、しばし妄想に浸り、現実逃避してみるというのもこの映画の楽しみ方の一つです。

といいつつ、なんといっても最大の見どころは主演作13年振りとなる川島なお美様。ついつい「様」という敬称を使いたくなってしまうほど、50代に突入している彼女の信じられないほどの美しい肢体は、女性を勇気づけてくれます。なお美様、あっぱれ!

文=Shino(篠 友子)

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