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次期FRB(連邦準備制度理事会)議長にジャネット・イエレンFRB副議長が指名された。FRBは米国の金融政策の司令塔。その議長は、米国経済の将来の舵取りを行なう重要なポジションだ。

イエレン氏は?筋金入りのハト派〞といわれる。景気回復や雇用の拡大のためには、強力な金融緩和が必要だという考え方だ。雇用の拡大を重視するイエレン氏は、多少のインフレ率の上昇は容認する可能性が強い。つまり、現在行なわれている金融政策が長期間継続される可能性が大きいとみられている。

米国の金融緩和の継続は、過剰流動性資金を通じて日本の景気回復や株高に寄与する。イエレン氏のFRB議長就任は日本にとっても好都合であるはずだ。

しかし、事はそれほど単純ではない。実は2014年1月に退任予定のバーナンキ議長のほかに、来年は複数のFRB理事の退任が予定されている。

今年8月にデューク理事が退任しており、後任は決まっていない。ラスキン理事が財務副長官に就任する予定で、バーナンキ議長と同様にパウエル理事も任期を迎える。FRBの議長、副議長を含めた7名のうち3名が交代する予定だ。

現在のFRBはバーナンキ議長の意思が尊重される「バーナンキ追随型」理事が多いが、理事交代でこの構成、つまりイエレン副議長が議長に就任した場合に、「イエレン追随型」になるとは必ずしもいえない。

加えて、FOMC(連邦公開市場委員会)でFRB理事とともに金融政策の決定に投票権を持つ地区連銀総裁のうち、常に投票権を持つニューヨーク連銀総裁以外の4名の地区連銀総裁は輪番となっており、来年は交代の年だ。また、クリーブランド地区連銀のピアナルト総裁は2014年初頭に退任を表明しており、新総裁が選任される。

つまり、FRB理事と、輪番により新たにFOMCメンバーとなる地区連銀総裁の構成によっては、イエレン新議長の政策が否決される可能性があるのだ。

FRBは今年12月23日に創立100周年を迎えるが、この100年間に副議長から議長に就任した例はなく、また、女性議長も誕生していない。世界経済の中核をつかさどるFRBは、議長人事だけではなく、FOMCの投票権をめぐる人事でもまだまだ予断を許さない状況なのだ。FRB初の女性議長の前途は多難だ。

この記事は「WEBネットマネー2014年1月号」に掲載されたものです。