<ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日◇8日◇東京よみうりカントリークラブ(7,023ヤード・パー70)>
 「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の最終日。プロ12年目の宮里優作がこの日1つスコアを落としながらもトータル13アンダーで逃げ切り、悲願のツアー初優勝を達成した。
宮里優作の1打速報で初優勝をプレーバック!
 みんな泣いていた。宮里3ストロークのリードで迎えた最終18番。グリーン右手前からサンドウェッジで放った約10ヤードのアプローチが傾斜で転がってカップに消えた瞬間、誰よりも勝利を待ち望まれた宮里家の二男がガッツポーズの後に崩れ落ちた。突如訪れた歓喜の瞬間。四つんばいになって涙にむせぶヒーローに18ホールついて回った父優氏、母の豊子さん、妹の藍。そして妻の紗千恵さんの目が真っ赤に染まった。
 3ストロークのリードを持って迎えた最終日も、勝利へは決して平たんな道のりではなかった。大歓声に後押しされて放った1番のティショットは右に大きく曲げて崖下に落とす大トラブル。崖の下からのセカンドはグリーン手前のバンカーで目玉になり、3打目は再び反対側のバンカーにつかまった。4打目も強く入ったがピンに当たってここはボギーにおさめるも、4番で2つ目のボギー。それでも、途切れそうな勝利への細い糸を懸命に紡いだ。
 「追う立場のほうがこのコースでは絶対にしんどいと思っていた。とにかくミスしてもネガティブワードを言わないように結果だけ。感情はいれずに、そこは流していた」。中盤では3連続ボギーもあったが、落胆することもなく過度に喜ぶこともなく、常にフラットな精神状態を貫いた。この日急きょ駆け付けた父・優さんも「メンタルが平坦だった。仕草に焦りがなかった」と落ち着きを失わなかった我が子に勝利の予感を感じ取っていた。
 日本学生3連覇などタイトルを総なめにしたアマチュア時代からプロトーナメントでたびたび優勝を争い、鳴り物入りで03年にプロ転向。だれもがすぐに頂点をつかみ取る逸材と信じて疑わなかった。しかし、その手に勝利をつかむことがないまま11年が経過。昨年は腰痛から7試合連続予選落ちも経験し「あきらめかけたこともあった」。
 だが、結果が出ない中でも宮里を支えたのは家族だった。ゴルフを与えてくれた両親、離れていても常に連絡を取り合う兄・聖志と妹の藍。そしてなにより07年に結婚した妻に何度も支えられた。「妻は僕のせいでいろいろ言われたと思うし、辛い思いをさせてきたと思います。これから幸せにしたい」。
 そう語った夫を涙で見つめた紗千恵さんは、宮里が悩んでいる時期も無言の愛をつらぬいていた。「シードを何年も守ってくれて活躍してくれていることがすごい。優勝というのは人から何回も言われていると思うので、2人の中で優勝という言葉を話すことはなかったです」。そんな妻の気遣いが痛いほどにわかっているからこそ、なによりも優勝を届けたかった。
 家ではゴルフの話をしなかった宮里も今年の「コカ・コーラ東海クラシック」で最終日を2位タイでスタートするときに初めて妻に「絶対優勝してくるから」と宣言。結果は13位タイに終わったが、2人の子供にも恵まれた家族へ恩返しをしたいという思いは強くなっていた。
 そして迎えた2013年シーズン最終戦。前週の「カシオワールドオープン」で7位タイに入り、滑り込みでつかんだ大舞台に待ち焦がれた歓喜の瞬間はあった。劇的な幕切れに酔った8,065人の大ギャラリーは宮里の12年分の思いをしっかり受け止めた。
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