投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の12月2日〜12月6日の動きを振り返りつつ、12月9日〜12月13日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は下落。名実ともに師走相場入りとなり、相場格言通り「2日新甫(しんぽ。日替わりの発会日)は荒れる」状況になった。週前半は小動きが続き、3日には11月28日に付けた終値ベースでの年初来高値を更新した。しかし、好調な経済指標の発表が相次ぐ米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)が近く量的緩和縮小に動くとの懸念が再燃。NYダウは16000ドルの節目を割り込み、この流れを受けて主要銘柄への利益確定が強まった。

 先物主導によるインデックス売りなどの影響から、日経平均は4、5日の2日間で500円を超える下落に。5日の取引をみても、前場は売り先行後に15400円を回復する局面を見せ、その後15300円を割り込み、後場は再び15400円を回復した後に15200円を割り込むなど、今週に控えているメジャーSQ週並みの値動きの荒さだった。

 そのなかで、ソフトバンク<9984>が急動意をみせたほか、ネットやバイオ関連など中小型株への物色が活発となるなど、個人投資家の物色意欲は旺盛だった。もっとも、資金の逃げ足は速く、いったん値動きが止まると急速に値を下げるなど、全体地合いが調整入りとなるなか、腰の据わった資金は入りづらかった。

 週末の日経平均は15100円レベルまでの調整をみせた後は、買い戻しや押し目買いから踏ん張りをみせていた。25日線などテクニカル面でのサポートや心理的な節目でもある15000円接近で、ボトムを形成しておきたいところであろう。

 まずは週末6日に発表される11月の米雇用統計の結果を受けた米国市場の動向を見極めたいところであろう。ただ、これまでの経済指標の内容からコンセンサスを上回ることが予想されている。上振れともなれば、17-18日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和縮小に踏み切るとの思惑が一段と強まる。米国では節税対策に伴う売りが出やすい状況でもあり、日本株への利益確定にも波及することになりそうだ。

 また、今週13日には12月の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)となる。既に先週の動きから早めにロールオーバーを進めているとの見方もされていたが、よりSQに絡んだ商いが中心になるようだと、物色は個人主体による中小型株や材料系の銘柄にシフトしやすいであろう。メジャーSQ通過後は、海外勢はクリスマス休暇入りとなるため、一気に商いが細る可能性もある。政策などをテーマとした個別対応に向かいやすい。

 日経平均は一先ず15000円割れを回避した格好ではあるが、明確なボトム意識は強まっていない。さらに甘利経済再生相は5日、自らの体調について「早期の舌がん」と明らかにした。環太平洋経済連携協定(TPP)関係閣僚会合は欠席し、今週にも手術をするようである。3-4週間後には公務に復帰する見通しと報じられているが、日経平均の13000円、14800円の“甘利越え”をみせてきた株式市場にとってマイナス材料になりやすい。

 15000円若しくは9月、10月高値の14800円辺りでのボトム形成が意識される。甘利経済再生相は10月に、「株価は14800円の壁を突破できずに資産効果が止まっている」と発言し、その後甘利越えをみせた。

 また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオ見直しへの期待も根強いほか、日銀による追加緩和政策への思惑など、株価対策への期待は大きいだろう。メジャーSQ通過後は商いが細る可能性があるが、海外勢による利益確定なども一巡することで、押し目買いのタイミングとして意識される。アベノミクスへの期待から、15000〜14800円辺りは割り込むことが許されない価格帯である。