[STEP 1] 「NISA」向きの金融商品とは?

◎ハイリスク&ハイリターンの金融商品はやめる

 NISAで投資家デビューをする人には、どんな金融商品が良いのだろうか? ファンド情報サービス会社リッパーのファンドアナリストである篠田尚子さんは、非課税となる期間がポイントと語る。

「5年は資産運用としては長いとは言えません。値動きが大きい、いわゆるハイリスク&ハイリターンの金融商品だと、5年後に値下がりしている可能性もあります」

 例えば、個別企業の株に投資をした場合、業績予想の下方修正といったひとつの悪い材料で、大きく値を下げることは日常茶飯事。4年間保有していても、5年目に購入時の株価よりも値下がりしてしまっては、NISAのメリットはなくなってしまう。

「NISAは売却した時点で非課税枠を使ったことになります。できるだけ長く保有して、利益は大きくしたい。したがって、短期間で大きな値上がりは期待できないが、値下がりリスクもそれほど高くない金融商品、つまり、ミドルリスク&ミドルリターンの金融商品が向いていると思います」(篠田さん。以下同)

 では、ミドルリスク&ミドルリターンの金融商品とは具体的には何か。NISA対象商品では、投資信託が該当するという。運用のプロであるファンドマネージャーが個人投資家の代わりに投資をする金融商品だ。次にその中から具体的なものを紹介してもらおう。

[STEP 1] 「NISA」向きの金融商品とは?

[STEP 2] 選択肢の第1候補は低コスト・インデックス投信

◎投資信託選びはコストに注目する

「個人投資家がNISAで購入することができる投資信託は、現在、4000銘柄以上あります。その中には、個別の日本株よりもリスクが高いものから、社債と同じくらいローリスクのものまで存在します。NISAの非課税期間である5年間の運用を前提とすると、第1候補となる選択肢はインデックス投信でしょう」

 インデックス投信とは、金融市場の様々な「指数」=インデックスと同じ値動きをすることを目指して運用される投資信託のこと。国内外の株式市場や債券市場に連動する多数のインデックス投信があり、例えば、日本株インデックス投信であれば、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)のどちらかに連動するものが多い。

「TOPIX型のインデックス投信は、株式市場全体の動きを反映するため、ひとつの銘柄で大きく値を下げることはありません。個別株よりも、リスクはかなり小さくなります」

 また、インデックス投信は、ほかの投資信託と比べて、手数料などのコストが安いのもメリットだという。実は、投資信託のコストは同じではない。運用する会社によって変わってくる。そして、コストは運用成績に直結するだけになるべく安いものが望ましい。そこで、低コストのインデックス投信を次ページに挙げてもらったので参考にしてほしい。

◆注目の低コスト・インデックス投信◆

注目の低コスト・インデックス投信

※データはすべて7月24日時点。

■投資対象別リスク&リターン

投資対象別リスク&リターン

リスク&リターンの基本は、「債券よりも株式のほうが大きい」「国内よりも海外のほうが大きい」(=為替リスク)ということ。バランス型とは複数のインデックス投信を組み合わせたもの。

【用語解説】

●販売手数料
購入時に支払う手数料。購入金額に対する割合で示される。投資信託によって変わり、0〜3.15%程度と大きな差がある。インデックス投信の場合は高くても1%程度。

●信託報酬
投資信託を運用する金融機関に対する費用として支払う。料率は投資信託によって変わり、投資金額の0.2〜3%程度とやはり差がある。保有している期間、日割りで徴収される。

[STEP 3] 篠田さんオススメ、アラフォー向けポートフォリオ

◎低コスト・インデックス投信でオリジナルポートフォリオ構築

 上の表を見てもわかるように、ひと口にインデックス投信といっても、様々な指数に連動するものがある。そのため、リスク&リターンにおいても大きな差がある(「投資対象別リスク&リターン」参照)。

「ミドルリスク&ミドルリターンといえるのは、国内株式型まででしょうか。海外株式型は、株式のリスクに為替のリスクが加わるため、投資ビギナーの方にとっては、ややハイリスクになります」

 しかし、ハイリスク&ハイリターンの投資信託であっても、ローリスク&ローリターンのものを組み合わせると、リスクが「中和」されるという。

「投資信託の金融商品としてのメリットは、少額で分散投資ができる点。そして、分散はすればするほどリスクを抑制できます。そこで、インデックス投信を組み合わせて、ポートフォリオを作っては」

 篠田さんがオススメするポートフォリオが下の円グラフだ。

「ベースを為替リスクのない日本株とし、先進国の金融資産をバランスよく取り入れました。また、投資のベテランであっても難易度が高い新興国の株を、手軽に投資ができる投資信託の利点を生かして組み入れています。新興国株でポートフォリオ全体の利回り向上を狙っています」

 また、上表で取り上げた『eMAXIS』なら、8資産均等のバランス型も選択肢に挙がるという。低コストのインデックス投信は、『eMAXIS』以外にも、三井住友トラスト・アセットマネジメントの『SMT インデックスシリーズ』がある。いずれも、すべての金融機関で販売しているわけではないのでチェックが必要だ。

篠田さんがオススメするポートフォリオ

 リッパー・ジャパン シニア・リサーチ・アナリスト 篠田尚子さん

リッパー・ジャパン
シニア・リサーチ・アナリスト
篠田尚子さん

慶応大学卒業後、国内銀行にて投資信託、変額年金をはじめとする個人向け資産運用相談業務を担当。2006年、リッパー・ジャパン(トムソン・ロイター)に入社。投資信託のデータ分析業務を経て、現職。