シグナルトークが、2013年12月5日から7連勝で10万円分の賞品を提供する「麻雀七勲杯」を開催している。同社代表取締役の栢孝文氏に、「麻雀七勲杯」の開催概要と開催の狙いについて聞いた。(写真は、シグナルトークの栢孝文氏。サーチナ撮影)

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 2013年4月に4万6351人が参加した「全国麻雀選手権」を開催したシグナルトーク(東京都大田区)が、2013年12月5日から7連勝で10万円分の賞品(商品券)を提供する「麻雀七勲杯」を開催している。同社代表取締役の栢孝文氏に、「麻雀七勲杯」の開催概要と開催の狙いについて聞いた。

――2013年12月5日から「麻雀七勲杯」というイベントを開催するということですが、どのような内容ですか?

 オンライン麻雀「Maru-Jan」において、連勝数を競う、新しい形の競技大会です。参加費・登録料・対局料など全て無料で参加することができ、最高7連勝で商品券(JCBギフトカード)10万円分などの賞品が獲得できます。

 当社では、2013年4月に賞金総額1000万円で麻雀の実力を競う「全国麻雀選手権」を開催し、4万6351人の参加を得ました。この選手権は、麻雀日本一を競う競技会という位置づけで開催しましたが、今回の「七勲杯」は、多くの方々に参加を願う“お祭り”という位置づけです。「連勝」という運にも左右される要素を切り口にして、賞品の獲得をめざしていただきたいと思っています。

 「全国麻雀選手権」を企画・運営したことによって、大会の運営が賭博に当たらず、景品表示法の懸賞規則など各種国内法・条例に関して適法であるということが確認できました。また、数万人規模の大きな大会を運営するノウハウも得ることができましたので、今回の「七勲杯」についても、みなさまに安心して参加していただけると思います。

――「全国麻雀選手権」は、4万6000人を超える多くの参加があったということですが、どのような方々が参加したのですか?

 「Maru-Jan」の登録は、メールアドレスだけで、誰でも無料で登録できるものなので、どのような方々が参加されたのかということについて、正確な属性はわかりません。ただ、準決勝に残った100人の顔ぶれから、全国津々浦々から参加していただいたことがわかりました。ちょうど、日本の人口分布に等しいくらいに、地方からの参加が目立ちました。

 また、準決勝には女性も参加していましたし、決勝には20代の若者も残りました。優勝は、谷翼プロという最高位戦プロ麻雀協会に所属するプロの方でしたが、決勝戦に残ったファイナリストはプロとアマがそれぞれ2人ずつでした。対局の模様は、youtubeでも公開され、すでに約16万回も再生視聴されていますが、手堅くプレイするプロに対して、アマ選手は果敢に攻撃するという非常にエキサイティングな対戦が繰り広げられました。

――「全国麻雀選手権」の開催を通じて、大会運営者として感じたことは?

 想像以上に大きな反響がありました。プロの方々からも、これほど大規模な大会がなかったので、刺激を受けた、楽しかった、ワクワクしたという感想をいただきましたし、全国から多くの方々に参加していただき、「Maru-Jan」が提供している「賭けない麻雀」については、多くの方々に賛同していただけることがわかりました。

――「全国麻雀選手権」と「麻雀七勲杯」の違いは?

 「選手権」は、東南戦8戦を行って、そのトータルで順位づけをするという形式でしたので、その結果には参加者の実力が反映されるものでした。それと比較すると「七勲杯」は、1回勝負の勝ち負けで、連勝数を競う大会なので、対局するメンバーや、その時々の対局の流れで偶然勝てることも含め、多分に運に左右される要素が強い大会だと思っています。

 優勝賞金500万円という大きな賞金を用意した「選手権」とは違って、「七勲杯」は、最高の7連勝の賞品が10万円相当の商品券です。6連勝が富士通ノートパソコン(5万円相当)、5連勝が5000円分の商品券、4連勝が1000円分の商品券という賞金です。それぞれ先着100名に賞品をプレゼントします。勝率25%という確率から単純に計算すると、たとえば、4万人が参加する大会になった場合、7連勝は2名、6連勝は10名程度出ます。多くの方にチャレンジしていただきたいと思います。

――「麻雀七勲杯」の運営について、たとえば、対戦相手のメンバーの力量による不公平が生じることがありませんか? また、オンラインで参加する場合、どんな時間であっても対戦相手4人が揃うのでしょうか?

 対戦相手は、プロ・アマを問わずに、ランダムに決まりますので、時には、プロ3人に対してアマは自分だけということも可能性としてはありますが、それも含めて“運”の部分として楽しんでいただきたいと思います。

 一方、対戦相手につきましては、現在の「Maru-Jan」の通常の運営の状況から、もっとも参加者の多い夜の時間帯であれば10秒以内にメンバーが揃いますし、もっともメンバーが揃いにくい夜明け前の時間帯でも2-3分間で揃っていますので、メンバーが集まるのを待って無為に時間を待っているという心配はありません。

 さらに、途中で退席するような場合には、サーバーが引き継いでプレイを代行する機能があります。コンピューターは、いわゆる定石どおりに打つ仕組みなので、残ったメンバーが、それによって場が壊れるようなことにはなりません。

 ただし、参加資格は、1人1回だけですが、そのIDは、1台のパソコンに1つなので、1台のパソコンしかない状況で家族が参加される場合は、どなたか代表が1人で参加するようにしていただく必要があります。

 また、不正な行為については、「Maru-Jan」の運営を9年以上にわたって続けてきて、徹底して排除する仕組みが出来上がっています。すべてのゲーム進行をチェックして不自然な打ち方はピックアップして検証していますので、不正行為はできません。全ての参加者が、それぞれの実力で勝ち抜きを競う大会を運営します。

――「全国麻雀選手権」では、参加者1人につき10円を積み立てて老人ホームに、44セットの麻雀牌とマットを贈呈しましたが、今回の大会でも同様な社会貢献活動を実施するのですか?

 今回は、東日本復興支援サイトで商品を購入して、参加者の中から希望される方に抽選で70名に、東北の特産品をプレゼントします。ひとつは、宮城県石巻元気商店ダイチの漢方和牛ヘルシー赤身モモステーキセット300g(税込送料別4095円)、また、福島県会津素材広場会津地鶏みしやま会津地鶏5種セット(税込送料込5000円)を、それぞれ35名ずつにプレゼントします。

――今後の大会運営、また、「Maru-Jan」の運営は?

 「全国麻雀選手権」は、大きな反響がありましたので、継続する方向で検討しています。ただ、毎年開催するのか、五輪のように4年に1度にするのかなど、開催頻度については最終決定をしていません。「麻雀七勲杯」は、今回の開催内容を振り返った上で検討したいと考えています。

 このような業界の活性化を願う競技大会を開催するのは、当社が「Maru-Jan」という麻雀ゲームを主力とし、「Maru-Jan」の存続を第一義として取り組んでいるからこそです。一般のベンチャー企業であれば、成長を重視して既存ゲームのバージョンアップや新作の投入を次々に行うのでしょうが、当社には、成長を追求して経営するという考えがありません。株式の公開をめざさないのも、成長よりも「Maru-Jan」の存続を重視するためです。

 世の中には、たくさんのITサービスがありますが、10年と続いているサービスは多くありません。改良という名の下で、同じタイトルでも当初の内容とはまるで異なるサービスになっていたり、サービスそのものを取りやめてしまうものが多いのが実態です。その中にあって、「Maru-Jan」は、数年間遠ざかって復帰しても、以前のままにゲームを楽しめるという存在でありたいと思っています。

 老舗といわれる事業を守っている経営者は、「守るべきものは守る。変えるべきは変える」とよくおっしゃっています。「Maru-Jan」も基本的なサービス内容を守りながら、対応する端末を拡大するなど、IT技術の進展に歩調を合わせ、いつまでも続くオンラインゲームとして、多くの方々に遊んでいただける存在としてあり続けたいと思っています。(編集担当:徳永浩)