日経ストックリーグという野村証券と日経新聞が主催する学生向けの株式の投資ポートフォリオ戦略を競うイベントがある。中学生から大学生までの学生たちが、株式投資戦略について分析し、レポートとしてまとめるというものである。具体的には、投資テーマ、投資銘柄、そして各銘柄への投資ウェイトを決めていく。

 中学生、高校生の場合は株式投資理論を学ぶ場は存在しないため、投資テーマのストーリー性が重要視されるが、大学生の場合は投資理論やファイナンス理論を学んでいる学生も少なからず存在するため、投資戦略も評価対象項目となる。そんな日経ストックリーグにゼミ生(3年生)が取り組んでおり、先週投資銘柄の選択を終えた。

そりゃみんな儲かる銘柄に投資したい

 学生たちに、「自分だったらどんな銘柄に投資をしたい?」と聞いてみると、「儲かる銘柄」と間髪なく答える。もちろん儲かる銘柄が分かればそれに越したことはないが、それが難しいことは皆十分に分かっている。

 また、儲かる銘柄のスクリーニング手法として適用しうる投資理論は、理論的株価の算出やPERなどのバリュエーション指標に基づく株価評価であり、そこで他と差別化をすることはなかなかできない。したがって、どのグループもストーリーで差別化するか、あるいは、新たな株価評価指標を自ら開発するかのどちらかに傾倒することになる。まずは前者、時間的余裕があれば後者ということになる。そこでまずはストーリー固めから入る。

 次に学生たちに質問をする。「みんな今後社会人になるよね。自分の資産形成のために毎月投資をしたくなるような投資信託のポートフォリオってどんなものだろうか?どんなストーリーのポートフォリオ、投資信託に投資したい?」これら質問に対する答えはすぐには返ってこない。

独立系の投資信託の中には面白い存在も

 そこで世の中にはどんな投資信託が存在するか調べることになる。しかし、調べれば調べるほどに自分たちが投資をしたいと思うようなストーリー、あるいは、タマシイを持った投資信託が存在しないことに気づくことになる。そこで学生たちは、「なるほど、だから自分たちで考えないといけないのだ」と思い馳せることになる。

 確かに、学生たちと一緒に調べてみると、多くの投資信託はどれも画一的であり、テーマ設定も面白みがない。海外、新興国、成長など見慣れたキーワードが並ぶだけで心が動かない。そんな中、近年登場し始めた独立系の投資信託の中には面白いものが存在する。

 例えばコモンズ投信。自分の成長や子供の未来のための投資信託という理念を掲げている。「心のスイッチを入れる」という表現を用いているあたり、なるほど共感型投資信託なのだと分かる。昨今はクラウドファンディングでも東北の復興支援や発展途上国向けのマイクロファイナンスなどが行われており、この共感型というのは今後の投資において一つのキーワードとなっていきそうである。

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