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東京ディズニーリゾートのキャストと言えば、世の中の多くの人々が憧れる職業です。私にも元キャストの友人・知人が何人もいますが、誰もがキャストをしていた当時を誇らしげに語るのが印象的です。

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先日、ニューイヤーキャスト採用面接会の開催が発表されました。約1,300名もの大量採用を予定しているとのこと。東京ディズニーリゾートのキャストになる大チャンスです。

ただ、華やかな職であるからこそ、「やってみたいけど、自分には向いていないかも……」と尻込みする方も少なくないはずです。例えば、キャストとして働くうえで欠かせない資質、向いている性格みたいなものがあるのでしょうか?

そこで今回は、東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドのキャスティング部で、採用マーケティングを担当している神野 桂さんに、直接お話を聞いてきました。

■一番大切なのはチームワーク

――本日はよろしくお願いいたします。さっそくお聞きしたいのですが、率直に、東京ディズニーリゾートのキャストになるうえで、一番大切なことは何ですか? 
どのような人材を求めているのでしょうか。

神野さん:東京ディズニーリゾートのキャストとして働くうえで一番大切なのは、チームワークです。

弊社では、東京ディズニーリゾートを、青空を背景にした巨大なステージであると考えています。見るものすべてがショーであり、お客様はショーに参加していただくゲスト、東京ディズニーリゾートで働く従業員をショーを演じるキャスト(=役者)と呼んでいます。

この「ステージ」ですが、普段、パークに遊びに来ていただいた際に、みなさんが接している「オンステージ」と、みなさんからは見ることができない「バックステージ」があります。「バックステージ」にも、たくさんのキャストがいて、双方が連携することで、毎日の東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの運営が成り立っています。

運営していく上で一番大切なのはチームワークです。パークを訪れてくださるゲストや、一緒に働く仲間のキャストのことまで考えて行動できる、という点が一番重要になってきます。

■高いコミュニケーション能力は必ずしも必要ではない

――キャストというと、いつも笑顔で、ハキハキとしていて……というふうに、コミュニケーション能力に長けている印象があります。

例えば、ふだんから明るくて、友達が多いような人でなければ務まらないのでしょうか? 自分にもできるのかな?と不安になる方も多いと思うのですが。

神野さん:必ずしも高いコミュニケーション能力が必要だというわけではありません。まったくアルバイト経験がない方でも安心して働いていただけるように、トレーニングを整備しています。勤務形態にもよりますが、一人でゲストの前に立つまでに、入社時、所属部門、OJTなどたくさんのトレーニングを受けていただきます。その後も習熟度に応じて段階的にトレーニングを行っております。

また、コミュニケーションが得意な方もいれば、どちらかといえば得意ではないと思っている方もいらっしゃいます。そういった方には、バックステージから東京ディズニーリゾートを支えるお仕事もありますよ、とご紹介しております。

レストランを例にとれば、「お料理や美味しいものが大好きで、料理を通じてゲストとコミュニケーションを取りたい」という方は、フードサービスキャストをオススメしていますし、「お話をするのはちょっと苦手だけど、料理を通じてサービスをしたい」という方には、調理補助を担当するカリナリーキャストをオススメしています。

どちらの仕事も最終的にゲストに楽しんでもらいたい、喜んでもらいたい、という思いは変わりません。ゲストと接する機会のないカリナリーのお仕事でも、下げられてきたお皿に、ソースで「ありがとう」と書いてあった、なんてエピソードもあるんですよ。また、「料理がおいしかった」とゲストから賛辞のお手紙をもらうこともあります。ゲストと直接お話できなくても、ゲストの存在を感じられる機会はたくさんあります。

配属先はみなさんからのご希望と、こちらから適正と勤務条件を見させていただき、総合的に判断して決定しています。接客は苦手かもと思っている方でも、バックステージのお仕事もありますので、一緒に働く仲間とのチームワーク、コミュニケーションがとれれば、まったく心配はいりません。

■キャストをしていて「自分が変わる」経験をする人は少なくない

――なるほど、遊びに行っているだけでは見えない「バックステージ」にも、たくさんの役割があるんですね。ところで、元キャストの知人から、「キャストとして働いて自分が変わった」という話を耳にした経験があります。そういう方は多いのでしょうか?

神野さん:キャストとして働いたことで、「新しい目標ができました」「夢ができました」という声や、逆に苦手なことにチャレンジして「自分が変わった」という声は、実際多く耳にします。

例えば、フードサービスキャストとして働いていて、自主的にソムリエの資格にチャレンジをし、資格を取得したキャストがおります。東京ディズニーシーがオープンして、アルコールの提供が始まり『テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ』でソムリエキャストとして勤務することになりました。

また、カリナリーキャストとして働いていて、料理に興味を持ち、調理師免許を取得したキャストもおります。オンステージのキャストで、サービスそのものが好きで興味を持ち、サービス接遇検定の1級に合格したキャストも何名かいます。

――なぜ、向上心が生まれるのでしょう? 例えば、調理補助を行うアルバイトは世の中に無数にありますが、それがきっかけで「調理師免許を取得しよう」とは、なかなかならないと思うのですが。

神野さん:毎日サービスをしていて、周囲にも同じように頑張っている人がいる環境なので、「もっと良いサービスがしたい」という思いが生まれやすい好循環があるのだと思います。

■キャストの成長を応援する制度

 ――うーん! いい職場ですね。株式会社オリエンタルランドとして、スキルアップやキャリアアップを応援しているようなことはありますか?

神野さん:はい。例えば「夢支援金制度」があります。一定の基準を満たした者に「業務に関わる資格」もしくは「個人のキャリア形成に関わる資格」の受験料を、合否にかかわらず、会社が補助する制度です。サービススキルや専門スキルのさらなる向上を目指して、資格の取得に向けてチャレンジしているキャストがたくさんいます。

また、海外からゲストがお越しになることが多いので、「外国語でゲストサービスをしたい」と考えるキャストもたくさんいます。外国語でディズニーの基準を満たしたご案内ができるキャストのみが着けられる、ランゲージピンというものがあります。英語、中国語、韓国語に関しては、社内でランゲージピンを取得するための語学クラスを開催しています。ネイティブの講師から、パークですぐに使えるゲストサービスの用語などをレベル別に学ぶことができます。

■言われたから動くのではなく、相手のことを考えて自ら動けるか

――東京ディズニーリゾートが理想とする “おもてなしの哲学” について、教えてください。実際にキャストとして働くとしたら、どのような点が重要になりますか?

神野さん:すべてのゲストにハピネスを提供することが、東京ディズニーリゾートが理想とするおもてなしであると考えています。ウォルト・ディズニーが次のような言葉を残しています。

「世界中でもっとも素晴らしい場所を夢見て、創造することはできる。設計し、建設することもできるだろう。しかし、その夢を実現するには人々の力が必要だ。」

キャストにとって一番の喜びは、東京ディズニーリゾートに訪れるすべてのゲストに、ハピネスを感じていただくことです。ゲストと接する「オンステージ」のキャストも、ゲストと接する機会のない「バックステージ」のキャストも、同じ気持ちで働いています。

私自身がキャストをしていたときの経験から言えば、例えばサービスであれば、上司から言われて心に残っているのは、「言われたから動くのではなくて、相手のことを考えて自ら動けるかどうかが大切」ということなんです。

マーチャンダイズキャスト(商品販売)でしたら、例えばゲストがお土産を選んでいて、どんどんと増えていってしまうことがあると思います。その時に、たくさん荷物をお持ちのゲストを見て、買い物カゴを渡そうとすぐに思えるかどうか。

――すごく納得できます。東京ディズニーリゾートでは、期待を超えるサプライズがあるんですよね。

■夢が叶う場所でゲストに魔法をかけるのがキャストの役割

――では最後に、キャストに憧れているみなさんにメッセージがあれば、お願いいたします。

神野さん:東京ディズニーリゾートは「Where dreams come true(夢がかなう場所)」です。キャストは、夢がかなう場所である東京ディズニーリゾートで、ゲストに魔法をかける重要な存在です。

アトラクションやエンターテイメントだけでなく、ゲストの夢を実現させることができるのは、やはり人の力だと考えています。

キャストは、ゲストの喜ぶ姿に一番幸せを感じます。訪れるすべてのゲストに、素敵な思い出をお持ち帰りいただけるように、努力できる人、努力したいと思える人を、一人でも多くキャストとしてお迎えしたいと思っております。

年明け、2014年1月10日(金)、11日(土)に、1,300名採用予定のニューイヤーキャスト採用面接会を予定しています。手ぶらで参加できますので、キャストのお仕事に興味をお持ちの方は、ぜひご参加ください。

――履歴書も不要なのですか?

神野さん:はい。当日、顔写真を撮らせていただいたり、今までの職務経歴などを記入していただく書類はありますが、お持ちいただくものはありません。

――神野さん、どうもありがとうございました!

■総括:心配するよりチャレンジ、かも

インタビューは以上です。私自身、年に何十回も東京ディズニーリゾートへ遊びに行っていますが、キャストについては知らないことばかり。興味深い話をたくさん聞くことができて、とても楽しい取材になりました。

個人的には、ゲストの見えないところでもたくさんのキャストが働いている、という事実が盲点でした。もしゲストとのやりとりに自信がなければ、バックステージから東京ディズニーリゾートのおもてなしを支える道があるわけですね。

ただ、お話を聞いた感触では、よほど話すのが苦手というのでなければ、あまり心配せずにチャレンジしてもいい気がしました。しっかり研修期間を設けているし、何より、素晴らしいお手本になる先輩が、周囲にたくさんいるわけですから。

「あの先輩みたいになりたい」というところからスタートして、追いつけ追い越せと切磋琢磨しているうちに、不安なんかどこかへ吹き飛んでしまうのかもしれません。「キャストは憧れだけど、自分にできるのか不安」という方は、案ずるより産むが易し、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

■東京ディズニーリゾート・ニューイヤーキャスト採用面接会【事前予約制】
[ http://www.castingline.net/ ]

【日時】1/10(金)、11(土)10:00〜19:30(最終受付時間19:00)
【会場】東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート(東京ディズニーリゾート・オフィシャルホテル)1階インペリアルホール

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