資産運用で生じた利益が非課税になる「NISA」。メリットはわかりやすいが、中身は少々複雑。投資家デビューする人でも本当に活用できるのか? 基本のQ&Aで理解していこう。

◎投資家デビューに最適の「NISA」

 NISAのメリットを理解するために、金融商品に対する税制を整理しておこう。現在、預貯金や国債、社債の利子には、基本的に20.315%の税率が適用される。内訳は、所得税および復興特別所得税が15.315%、住民税が5%だ。一方、株式や投資信託の値上がり益や配当金、分配金には、所得税および復興特別所得税7.147%+住民税3%=10.147%しか課税されていない(源泉徴収の場合)。これは株式に対する「軽減税率」と呼ばれる措置で景気対策として継続されてきた。

 その軽減税率がいよいよ2014年1月から撤廃され、株や投資信託の利益にも20・315%が課税される。つまり、来年からは、株や投資信託の利益は約2割が税金として持っていかれるのだが、NISA口座であれば税金は0円。森永卓郎さんが、「資産運用をするなら絶対に利用すべき」と語る理由が改めてわかるだろう。

「非課税枠の100万円をすべて使い切る必要はありません。無理のない範囲で利用すべきです」(ファイナンシャルプランナー・池崎美盤さん)

 投資家デビューには最適の制度なのだ。

【資産運用に絶好の制度がスタート】「NISA」丸わかりQ&A

[Q1] 対象となる金融商品は?

 NISAの適用を受けられる金融商品は決まっている。株式、投資信託(一部除く)、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、外貨MMFなど。除外されるものは、定期預金などの預貯金、個人向け国債や社債、外国債券といった各種債券、外貨預金、FX(外国為替証拠金取引)などである。

 ただし、金融庁は、現時点では除外されている、元本保証または元本保証性の高い金融商品である公社債(国債や政府保証債、地方債、社債など)や公社債投信(安全性の高い公社債中心で運用する投資信託)を、NISA対象とする要望を出している。それが認められれば、16年1月から追加される可能性がある。

[Q2] 何が非課税になる?

 NISA対象の金融商品を購入して得られる、値上がり益(キャピタルゲイン)や配当および分配金(インカムゲイン)に課税される税金が非課税になる。2014年1月からは、NISA以外の口座では、キャピタルゲインとインカムゲインには、所得税+住民税の合計20.315%が課税されることになる。

何が非課税になる?

[Q3] いくらまで非課税になる?

 NISAの非課税枠は投資金額に設定されている。年間では最大100万円。それが5年間保有でき、その間は毎年100万円の枠が加わるため、最大500万円までNISA口座内の非課税枠を拡大することが可能となっている。

 一方、キャピタルゲインやインカムゲインには、非課税枠の金額的な上限はない。したがって、100万円で購入した株が、200万円に値上がりしても、300万円に値上がりしても、どちらのキャピタルゲインにも税金はかからない。

いくらまで非課税になる?

[Q4] 非課税になる期間は?

 NISAは2014年1月からスタートする。その時点から、非課税の投資枠が年間100万円ずつ、2023年までの10年間毎年追加設定される。ただし、年間投資枠の有効期間は5年。設定最終年の23年の投資枠の有効期限は27年までだ。それぞれ5年経過したら、売却するか、翌年に追加される枠に移管するか、課税される一般口座などに移管するかの選択となる。

非課税になる期間は?

[Q5] 現在保有している株や投信は対象にできる?

 個人投資家がすでに証券会社や銀行の口座で保有している株式や投資信託をNISAに移すことはできない。NISAの非課税メリットを受けられるのは、開設したNISA口座で新規に購入した金融商品に限られている。

[Q6] 口座はどこで作れる?

 銀行やゆうちょ銀行、証券会社で可能。ただし、銀行やゆうちょ銀行では株式は購入できないなど、NISA口座が作れる金融機関が、すべてのNISA対象金融商品を販売しているわけではない。また、NISAで買える投資信託は4000本以上あり、金融機関によってラインアップが違うことにも注意。

口座はどこで作れる?

[Q7] まとまった資金がなくても使える?

 投資信託は金融機関によっては1000円から購入できるので、1000円からでも投資は可能。非課税枠の100万円は1度の投資ですべて使っても、何回かに分けても構わない。月々の積み立て投資をすることもできる。

[Q8] デメリットはある?

 通常の課税される一般口座や特定口座では、運用で損失が生じた場合、ほかの証券口座で生じた利益と相殺して、課税を軽減することが可能。また、ほかの口座で相殺できなかった場合は、翌年以降に損失を繰り越すことができる。しかし、NISAでは、そうした相殺や繰り越しは不可。損失が生じた時は不利になる。

デメリットはある?