経団連が11月13日に発表した大手企業の今冬のボーナス調査(第1回集計)によると、妥結した76社の平均は82万2121円で、前年より5.79%増加した。バブル期の1990年(6.15%)に次ぐ伸び率だという。

 新聞各紙は「バブル以来」とアベノミクスの賃上げ効果を喧伝しているが、ネット調査会社クロス・マーケティング社の調査では5割を超える人がボーナスに期待していないといい、意識の乖離がある。経済ジャーナリストの溝上憲文氏は分析する。

「業種による差が著しく出ています。アベノミクスによる円安の恩恵を受けた自動車が牽引する一方、そのマイナス作用を受けた形で、燃料や原材料の輸入価格高騰の煽りを受けた業種に打撃が来ている。とくに関西電力の0円をはじめ、電力会社やエネルギー関連企業は苦しいです」

 経団連発表の調査を見ても、自動車が前年比13%という過去最高の伸び幅を記録したのに対し、原材料高騰の煽りを受けやすい紙・パルプは5.42%減、化学も4.43%減という深刻な下落率となった。

 では、具体的な「勝ち組企業」「負け組企業」はどこなのか──。本誌は、各企業へのアンケートと、自動車や電機などの労組が加盟するJCM(金属労協)の公表資料などをもとに、有名企業105社の冬のボーナス金額を調査した。

 結果は、やはり自動車が断トツだった。トヨタは11万円アップ、ホンダは19万円アップと驚異の伸び幅を記録した。

 トヨタの40代事務系中堅社員は、笑顔が隠せない。

「円安で業績が良くなったのは、アベノミクスのおかげでもあるので、家族にも『永田町に足を向けて寝るな』といっています。

 消費増税前でもあり、ボーナスを当て込んで、思い切って40万円ほどの北欧の食堂テーブルと椅子、それと家電量販店で家内に電子レンジ、息子にはタブレット型パソコン、私は一眼カメラと、約20万円をまとめ買いしてしまいました。

 バブル時代の先輩たちに比べれば、まだまだ地味だと思いますが、個人的にはこんなバブリーな気持ちは初めてです」

※週刊ポスト2013年12月13日号