2015年春卒の就職活動が、本日12月1日に解禁となりました。厚労省の発表によれば、15歳から24歳の若者の完全失業率は、9.1%(平成21年平均)。フリーターの数も、平成15年の217万人をピークに5年連続で減少したものの、平成21年には178万人と6年ぶりに増加するなど厳しい状況に。若者を取り巻く「雇用問題」は、深刻な状態が続いています。書籍『これからどうする』は、政治・経済・文化・社会・科学技術など、さまざまな分野で活躍する228人が、「これからどうする」を真剣かつ大胆に提案した一冊です。雇用問題については、東京大学教授で労働経済学を専門とする玄田有史が考えをまとめています。玄田氏の考えは、「若者よ、安定を求めるな」。そして、具体的なアドバイスとして、医療・福祉関係の仕事をすすめています。もちろん大変な仕事であることは玄田氏も承知の上ですが、今後とも持続的に成長する可能性が高いのが、医療・福祉関係の分野なのです。2002年以降、製造業や建設業が百万人以上も就業者数を減らしました。それに対し、唯一百万人以上増えているのが、医療・福祉の分野。どこの施設も人手が足りていないのが現状なのです。各地のハローワークを訪れた玄田氏は、「看護や介護の求人は、大抵の地域でどこにでもあるということ。その資格さえあれば、どこで暮らしても働ける場所はある。看護師の資格を取る方法は様々あるし、奨学金なども利用できる」ことに気づいたと言います。とはいえ、依然求人が多いということは、重労働で賃金が安いという点から、敬遠する人が多いためだと考えられます。しかし、そこにこそ「チャンス」があるとは玄田氏の弁です。「社会で確実に必要とされながら、多くがやりたがらない仕事を、率先して厭わずやれる。その姿勢があれば、医療や福祉に限らず、どんな若者にも仕事はある。多くの若者は、今でも有名な大企業や公務員として働くことに憧れる。そこには安定した仕事や給料が必ずあると信じている。しかし今やそれは幻想だ。大企業の多くが業績不振に悩み、大規模なリストラも避けられない。伝統のある大企業でも、将来存続しなくなることもあり得る。『平家物語』ではないが、経済は盛者必衰である。財政難もあり、公務員への要求もどんどん厳しくなる」(玄田氏)どんな会社に入ることよりも、どんな仕事をするにも、最も大切なことは、仕事に対する「姿勢」であると、玄田氏は言います。「これからの若者は『安定』など求めてはいけない。むしろ安定など、どこにもないと割り切るくらいがいい。多くの人がやりたがらないけれど、誰かがやらなければならない、社会にとって『必要』な仕事は何か。そこに黙々とやり続けられるものがあるか。それを多くの若者が見つけたとき、不透明な未来にも、はじめて希望の光が差すだろう」(玄田氏)医療や福祉に代表される「必要」な仕事に就くことが、生き延びるための血となり肉となるのかもしれません。
『これからどうする――未来のつくり方』 著者: 出版社:岩波書店 >>元の記事を見る

■ 関連記事・五木寛之が『生きるヒント』で予見 若者のSNS投稿炎上は、日本人のユーモアの変化のせいだったバツイチと結婚した方が幸福度は高い?「結婚の幸福度指数」にみる幸せのカタチ 若手政治家が考える「僕らの声が政治家に届かない4つの理由」

■配信元
WEB本の雑誌