ロボット掃除機の先駆け『ルンバ』 ブランド力どこまで守れるか

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 年末の大掃除シーズンを迎え、家庭用ロボット掃除機の販売合戦が過熱している。

 テレビCMなどで「マネのできない掃除力」を謳いシェアトップを独走するのは、ロボット掃除機の先駆けである米アイロボット社の『ルンバ』だ。2002年に日本市場に参入したルンバは、これまで約100万台を売り上げ、世界での販売台数も1000万台を超えている。

「今でも『ロボット掃除機が欲しい』ではなく、『ルンバが欲しい』と指名買いするお客さんが多い。『ダイソン』と一緒でそのブランド力は絶大です」(大手家電量販店)

 軍事用途にも使われる高度な人工知能(AI)を使って、予測不能のランダムな動きで部屋の隅々まで動き回るルンバは、確かに他メーカーでは真似のできない技術力を誇っている。

 だが、そんな王者ルンバを猛追するのは、シャープの『ココロボ』である。家電ジャーナリストの安蔵靖志氏が解説する。

「ロボット掃除機は基本的に回転ブラシでゴミやホコリを掻き集める機能がメインで、吸う力はあまり期待できませんでした。そこでココロボは超音波センサーを搭載してゴミの多い場所で吸引力を上げる機能を追加したり、本体の大きさをコンパクトにして狭いイスの間にも入り込めるようにしたりと、ルンバとは違った特徴を持たせて支持を高めています」

 音声認識機能がついた“しゃべる掃除機”としても知られるココロボの最新機種は、なんと天気予報までしてくれる。「天気教えて」と問いかけると「明日の天気は雨だよ」などと答える。また、スマホを使って外出先からほかの家電の操作指示もできる。

 巷では「ここまでの機能が掃除機に必要なのか」との声もあるが、前出の安蔵氏は「家電製品が家庭の中でどんな役割を担っていくのか、その方向性を模索するのは挑戦的でおもしろい試み」と評価する。

 その他、ロボット掃除機は東芝や韓国のLG電子、玩具メーカーであるバンダイナムコグループの家電製造会社(シー・シー・ビー)などが参入して凌ぎを削っているが、最近ではビックカメラやニトリなど小売業界までPB(自主企画)のロボット掃除機を開発し、市場はまさに群雄割拠の様相を呈してきた。

 小売り大手のロボット掃除機で注目度が高いのは、イオンの自走式ロボットクリーナー。同社は<次のバリューを家電から>を合言葉に、PBブランド「トップバリュ」の家電製品を2015年度までに現在の40品目から200品目に増やす意気込みで、ロボット掃除機はその試金石といえる。

「ルンバはダストボックスに溜まったゴミがキレイに取れずに、最終的には他の掃除機で吸い取らなければならないのが難点。その点、イオンのロボット掃除機はダストボックスを水洗いできるのがいい。価格も7980円と魅力的」(ルンバユーザーの40代女性)

 相変わらずネット販売の最低価格がルンバの売れ筋モデルで3万〜5万円、ココロボも5万円は下らない高価なロボット掃除機市場の中では、低価格は最強の武器になろう。だが、購入する際には注意点もある。

「ロボット掃除機は定期的なブラシやフィルターの交換が必要なうえ、長年使えば充電式のバッテリーが消耗してくるので故障も増えてくる。そうしたメンテナンスやサポート面で安心できるメーカーかどうかは購入する際の重要なポイントになるでしょう。PBでも保証期間の長さを売りにしている製品はありますしね。

 また、ガラスや鏡のついた家具は赤外線に弱いなど、モデルによってセンサーの具合が異なるので、部屋のつくりと用途によって機種選びも変わってくるでしょう。自分に合った性能をよく吟味して購入しないと無駄に高い買い物で終わってしまう可能性はあります」(安蔵氏)

 ロボットも万能ではないことを考慮して、“大掃除の心強い味方”を選びたい。