来年から一部ゴルフ規則の解釈の仕方が変わる。11月19日、世界のゴルフを統括しているR&A(英ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ)とUSGA(米国ゴルフ協会)は、2014-2015ゴルフ規則ゴルフ規則裁定集の改訂部分について全文を発表し、11月20日に日本ゴルフ協会からリリースされた。今年のBMW選手権でタイガー・ウッズの球が「動いた、動かない」で2罰打となって物議をかもしたルールの裁定が変わり、来年1月1日から無罰と裁定するようになる。ゴルフルール研究家のマイク青木氏に聞いた。
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 このたびの改訂で特に目を引くのは、大きく2点ある。
・「球が動いた、動かされた」の解釈が変わった。
 今年の年間王者を決めるフェデックスカップ・プレーオフシリーズの第三戦「BMW選手権」において、2日目1番ホールで、タイガー・ウッズは、ラフに打ち込んだ球のすぐ近くにある小枝(ルースインペディメント)を取り除こうとして手で触れたところ、球が僅かだが動いた。それは、テレビの画面ではっきりと映し出されていた。
 しかし、タイガーは、「インプレーの球を動かしながら、元位置にリプレースしなかったから2罰打」の裁定を下したスラガー・ホワイト競技委員に対して、「球はただ揺れただけだ」という主張を繰り返し、明らかに裁定に対する不満を漏らした。だがテレビのビデオテープに「インプレーの球が動かされた」証拠が鮮明に残されていたため、2罰打は撤回されることがなかった。
 この一件を重く見たR&AとUSGAは協議の末、「肉眼では“動いた”と確認する事が難しかった球の場合には、たとえ鮮明なテレビの画像で “動いた”と見える球であっても、“動かなかったものとみなす”」と解釈すべしとする新裁定18/4を追加した。[用語の定義35(球が動く、動かされる)および規則18-2参照]
だが、鮮明なテレビの映像であろうがなかろうが、「球が動いた」ことは紛れもない事実なわけで、この新裁定には無理があるような気がする。
 筆者としては、タイガーには己の非をいさぎよく認めて2罰打を受け入れて欲しかった。そうすれば、このような苦肉の策の新しい裁定を出さずに済んだであろうから。
 もうひとつの注目すべき解釈の仕方の変更は、暫定球のプレーに関してである。
・暫定球をプレーするに際しての“球を探しに出かける”の解釈が変わった。
 今までは、初めの球をプレーした後その球を探しに出かけてたとえ数ヤードでも前進したならば、もう暫定球をプレーする権利を失った。[規則27-2aおよび裁定27-2a/1.5参照]
 このため、初めの球を探すため数ヤード前進してから「暫定球をプレーします」と宣言して戻って別の球をプレーした場合は、その別の球は暫定球とはならず、1罰打の上インプレーの球となり、同時に、初めの球はアウトオブプレーの球になった。
 そこで、この度、R&AとUSGAは、暫定球をプレーする権利を失うことなく約50ヤードは前進してもよいことに解釈を緩和した。40〜50ヤード前進しなければ、初めの球が紛失かアウトオブバウンズのおそれがあるのかどうか判別するのが難しいケースがあることから、このような変更に至ったものだが、ご説ごもっともで歓迎すべき変更と言えよう。

マイク青木
ゴルフルール研究家
中央大学法学部法律学科卒。1965年フリーのフォトジャーナリストとして渡米、以来足掛け20年間米国に滞在し数々の取材をこなす。
1976年からは特に米PGAツアーをはじめとする米国の主なゴルフ競技の取材に専念するかたわら、ゴルフルールの研究に没頭する。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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