投資情報会社・フィスコの為替担当が、11月25日〜11月29日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、12月17〜18日の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)に向けて、米国の景況感を見極め、日本のインフレ率を見極める展開が予想される。黒田日銀総裁が追加緩和策に言及していることで、日本銀行金融政策決定会合の議事録、黒田日銀総裁の発言、日本のインフレ率に警戒する展開となる。

【米国ヘッジファンドと企業の決算】
 11月末決算のヘッジファンド勢は、安倍トレード(日本株買い・円売り)の手仕舞いを活発化させており、日本株売り・円買い圧力が強まることが予想される。ヘッジファンド勢は、年末に向けた米国企業の利益送金、12月のテーパリングへの思惑から、98-99円を行使価格、102-103円を消滅条件(ノックアウト)とするドルコールオプションに取り組んでおり、攻防戦にも警戒する展開となる。12月末決算の米系企業は、利益送金のドル買い圧力を強めていることで、下値は限定的だと予想される。

【米国の景況感】
 バーナンキ米国連邦準備理事会(FRB)議長は、「緩和縮小の開始には、多数の経済指標が必要」と述べていることで、米国の住宅関連指標、個人消費関連指標、景況感関連指標、雇用関連指標を見極める展開となる。

【10月日本銀行金融政策決定会合議事録】(26日)
 黒田日銀総裁は、「仮に上下のリスクが顕現したら、躊躇なく政策を調整」と述べ、金融政策に余地があることを示唆している。10月の日本銀行金融政策決定会合議事録では、金融政策の余地を探ることになる。

【10月日本のインフレ率】(29日)
 日本の10月のインフレ率は、デフレからの脱却を確認することになる。FRBによる量的緩和政策からの「出口戦略」の模索と、日本銀行による異次元の量的・質的金融緩和へ継続により、ドル高・円安トレンドの継続が予想される。

 11月25日〜29日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)10月住宅着工・建設許可件数− 26日(火)日本時間午後10時30分発表
・予想は、住宅着工件数は92.3万戸、建設許可件数は93.5万戸
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は、10月が55で9月57から低下しており、許可件数にはマイナス要因。住宅着工件数は、先行指標となる9月の建設許可件数のデータが揃っていないため、予測は困難だが、8月時点で増加傾向は確認されていないことからプラス要因にはならない見込み。コンセンサスは妥当か。

○(米)11月消費者信頼感指数− 26日(水)日本時間27日午前0時発表
・予想は、72.1
 参考指標となる11月ミシガン大学消費者信頼感指数は10月73.2から11月は72.0に低下。11月下旬にかけて株高が継続していることはプラス材料だが、財政問題に対する不安感は払拭されていない。住宅市況がやや軟調であること、雇用環境の持続的な改善は期待できないことを総合的に判断すると予想をやや下回る可能性がある。

○(米)10月耐久財受注− 27日(水)日本時間午後10時30分発表
・予想は、前月比予想-1.7%
 参考となる9月の輸送機器を除く数字は前月比-0.1%、輸送用機器を含めた数字は+3.8%だった。9月は企業の投資抑制が影響した可能性がある。航空機を除く非国防資本財の受注は予想外の減少。企業投資がしっかりと回復している状況ではないとみられており、市場予想は妥当か。

○(日)10月全国消費者物価指数 29日(金)午前8時30分発表
・予想は、全体の数字は前年比+1.1%、コアは同比+0.9%
 参考となる9月のコア指数は、前年同月比+0.7%。生鮮食品を含む総合は前年比+1.1%。10月の東京都区部消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合が前年比+0.3%。また、10月の国内企業物価指数は前年比+2.5%で9月実績の+2.2%を上回っている。これらのデータを考慮すると市場予想は妥当か。

 主な発表予定は、25日(月):(米)10月中古住宅販売仮契約、27日(水):(米)11月シカゴ購買部協会景気指数、(米)10月景気先行指数、29日(金):(日)10月完全失業率、(日)10月鉱工業生産指数

【予想レンジ】
・ドル・円98円00銭〜103円00銭