太ると味覚が変わる「甘みを感じる味覚細胞が減る」−米研究

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マウスを使った研究の結果、肥満のマウスは他と比べて甘みをつかさどる味覚細胞の数が減り、味覚の働きも弱くなることが分かりました。

どうして太っている人はたくさん食べてしまうの?その理由の1つには、味覚の変化があるようです。

バッファロー大学は、マウスを使って、味覚に関する実験を行いました。50匹のマウスを半分に分け、片方には脂肪分の多い餌を与えて太らせます。その後、両グループの舌を調べたところ、太ったマウスの方が味覚細胞の数が少なかったそうです。

特に、甘みを感じる領域で顕著でした。

さらに、実際に甘みの感じ方が違うのかどうか、脳の信号を分析しました。味を感じると、脳細胞のカルシウムの濃度が高くなります。太ったマウスは、このカルシウムレベルが上がりにくくなっていたそうです。ちなみに、甘みだけでなく苦みへの反応も弱くなったということです。

同研究をリードしたキャスリン・メドラー教授は、「太ると甘みを感じにくくなることは、肥満と食欲の新しい関係を示唆しているかもしれません」と分析。味を感じにくいために、よりたくさん食べたくなるのかもしれないというのです。

太ることで食欲がアップするとすれば、肥満に悩む人には悪循環。食べ物をおいしく感じるためにも、肥満を防ぐ努力が必要なようです。

参考:Does Obesity Reshape Our Sense of Taste?
http://www.newswise.com/outlines/does-obesity-reshape-our-sense-of-taste