又吉がSFを読まずに来た理由、「エンダーのゲーム」で新境地拓く。

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お笑いコンビ・ピースの又吉直樹(33歳)と加藤夏希(28歳)が11月21日、一度は絶版となり入手不可能となったものの、映画化にあたり新訳版として復刊された「エンダーのゲーム」の発売記念イベントに登壇。「映画と原作本のどちらを先に体感するとよりこの世界観を楽しめるのか」をテーマにトークを繰り広げた。

この日、“よしもとオシャレ芸人”として知られている又吉は、真っ赤な蝶ネクタイに赤い水玉のジャケットという独創的なファッションに身を包み、「ピース又吉です。宜しくお願いします!」と話しながら登場し、冬にふさわしい落ち着いたベージュ色のワンピースで登場した加藤も続けて「加藤夏希です。宜しくお願いします!」と挨拶。

多忙な中、月に5〜6冊の本を読破し読書家で知られている又吉は、原作本を読んだ感想を「今回初めて(『エンダーのゲーム』を)読みました。SF小説は普段あまり読まないんですが、面白かったです! スケールが大きいのはもちろん、主人公の心の葛藤があって、僕が普段読むジャンルの人間模様と似ていました。集中して一気に読んだんですが上巻は6時間、下巻は5時間、ほとんど止まることなく喫茶店で読みました。一度、女性が変な男の人に勧誘されそうになっていた時は、止まりそうになりましたが(笑)。この小説は古いって感じがしなかったです。ネットやゲームなどが出てきて、現代の作品と変わらない要素がたくさんありました」と新たなジャンルの境地を拓いたことを明かした。

続けて、ゲームやアニメ好きの加藤も、日本のアニメに影響を与えた伝説の原作を映画化した本作を鑑賞し「(『エンダーのゲーム』は)知らなかったです。日本のアニメに影響を与えた作品と聞いたのですが、本当にそう思いました。『エヴァンゲリオン』や『トップを狙え』など、日本の色んな人に影響を与えて」と熱く語った。

それを聞いた又吉も「確かにそうですね」と加藤の話に首を縦に振りながら共感。さらに加藤は「日本人が好きな要素がたくさん入っています。SFにとらわれることなく、幼い子供たちのコミュニティがあって、すごい先読みしていて、まさに今を描いているなと思いました。観た後にたくさん話したくなる作品でしたね」と語った。

映像の魅力を思う存分話している加藤の話を聞き、又吉は「映像にどうやってするんだろうって思って読んでいました。細かい戦術があって無重力のところの映像が一番見たいです!」と熱心に語り、いち早く映画を鑑賞した加藤は好きなシーンを「たくさんあるんですが、バトルスクールで戦う時の戦略がかっこ良かったです。エンダーはひとりぼっちだったのに、リーダーシップをとって、周りを惹きつけていく姿が良かったです」と話すと、まだ話し足りない様子の又吉の好きなシーンは「エンダーが家族から離れてバトルスクールに旅立つ時の別れのシーン。エンダーが戦いに向かっていくのに、戦いたくないという葛藤があって、頑張れって気持になります。僕が6歳の頃は泥団子をいかに固くするかを考えていましたね(笑)」と、立て続けにアピールした。

それぞれの角度から「エンダーのゲーム」の魅力を熱弁し合った2人も最後はお互いの意見に感化され、原作本と映画どちらを先に体感しても「エンダーのゲーム」の世界観を十分に楽しめるという想いがひとつになったところでイベントは終了した。

また、イベント後の囲み取材では、「なぜたくさん本を読みながら、SFはあまり読んで来なかったんですか?」とたずねられた又吉。「日本の有名な作家さんから読んでいったんですけど、あまりいろいろと広げて読み進めると読み切れないので、20代で日本の作家さんの本を読んで、30代で海外の作家さんの本を読もうと思っていたんです。……いま33歳なんですけど、まだ日本に留まってます(笑)。宇宙(SF)にたどり着くのは、50歳くらいになるかも」と返答しつつ、「でも、今作でSFは難しくないことがわかったので、機会があれば読んでいきたい」と、読書へのさらなる意欲を語った。

映画「エンダーのゲーム」は2014年1月18日より全国公開。

☆「エンダーのゲーム」ストーリー

エンダー・ウィッギンは禁断の“サード(第三子)”として生まれたために、友達もいない孤独な少年時代を過ごしていた。だが、彼はエンダー(終わらせる者)という名の通り、宇宙戦争を終わらせ地球を滅亡から救う使命を背負っていたのだ。

敵は、独自に進化し圧倒的な軍事力を誇る昆虫型生命体フォーミック。その第二次侵攻に備え、世界中から選抜された少年戦士たちと共に防衛軍ベースキャンプのバトルスクールに送られたエンダーは、過酷な訓練によって宇宙で戦うためのあらゆる術を叩き込まれる。たとえ敵であろうと、多くの生命を奪う戦争は許されるのか? …エンダーは強い疑問を抱き苦悩しながらも、驚くべき速さで戦士として頭角を現し、少年戦士たちの指揮官となる。いつ開戦するかもわからない焦燥感と、絶望的なまでの孤独や重圧と戦うエンダーに、最終戦争の時が迫る。

そこには純粋な彼の心を破壊しかねない、衝撃のエンディングが待ち受けていた…。