5月以降、低迷が続いていた新興国株相場だが、9月は久しぶりの全面高に。ただし、米国の予算案をめぐる対立など不安の火種は尽きず、相場の先行きはまだ不透明だ。どうなる新興国?9月の新興国株相場は、懸念材料であった米国の量的緩和縮小が見送られたことに加え、中国および欧州の経済指標に改善の兆しが見え始めたことなどから軒並み上伸した。ただ、9月下旬に米国で2014会計年度の予算案をめぐり政府と野党の対立が本格化すると、財政問題への警戒感から上げ幅を縮小した。中国本土の代表的株価インデックスである上海総合指数は9月30日までの1カ月間で3・6%、香港ハンセン指数は5・2%それぞれ上昇した。中国政府が発表した8月のCPI(消費者物価指数)、貿易統計、鉱工業生産などがいずれも好調だったことから、成長鈍化に歯止めがかかったとの期待が高まった。特に8月の鉱工業生産は前年同月比10・4%増とエコノミストの事前予想を大きく上回り、株式投資意欲を改善させた。欧州の経済指標にも改善の兆しが見られており、中国および欧州経済の影響を受けやすいブラジルのボベスパ指数も1カ月間で4・7%上昇。同じく中国向け、欧州向け輸出への依存度が高い韓国のKOSPI(韓国総合株価指数)も9月11日に心理的節目となる2000ポイントを突破。ソウル株式市場では9月30日まで24営業日連続で外国人投資家が買い越した。しかし、中国を除く大半の新興国株市場では、米国FOMC(連邦公開市場委員会)が量的緩和縮小の見送りを決定した9月19日をピークに上昇幅は縮小した。上値の重しとなった米国の予算案をめぐる対立は、結局、膠着状態のまま新会計年度に持ち越されており、10月以降の新興国株相場は予断を許さない状況となりそうだ。

この記事は「WEBネットマネー2013年12月号」に掲載されたものです。