この9月以降、外国人投資家たちが大挙して来日していた。今回“日本詣で”した人物の中には、企業買収ファンド「コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)」を率いるヘンリー・クラビス氏とジョージ・ロバーツ氏、世界最大の投資ファンド「ブラックストーン・グループ」を経営するスティーブ・シュワルツマン氏といったカリスマ投資家の名も見られた。
 
 11月7日、岡三証券の投資セミナーで講演したエド・ハイマン氏の発言も、市場関係者の間で大きな話題となった。このセミナーに5年連続で出席した全米人気ナンバーワン・エコノミストである同氏は、こんな指摘をしたという。
 
「米国経済は良くなっている。欧州経済もプラス成長に転じてきた。日本も目覚ましく蘇った。懸念された中国も破綻は逃れた。どこかが特に沸いているということはないが、全般的にすべてが良くなっている。こんなことは過去5年間なかった。2014年は世界同時景気拡大の年になるのではないか」
 
 中でも、ハイマン氏は、米国経済について、こう楽観論をぶった。
 
「人口の増加、エネルギーブーム、強いドル、労働環境の改善、ダイナミックなハイテク部門、住宅市場の回復、柔軟な金融政策など、中長期で見た米国経済の強みが明らかになってきた」
 
 過去の値動きを見ればわかる通り、日本株は米国株と密接に関連して動く傾向が強い。米国経済の復調は、間違いなく日本経済にも好景気をもたらし、日本株にもポジティブな要素となる。
 
 しかも、日本株は米国株に比べて、上昇余地はまだまだ大きいのである。日経CNBC経済解説部コメンテーターの瀬川剛氏が語る。
 
「日本企業の今期中間決算の利益面を見ると、過去最高益を計上したリーマンショック(2008年9月)前の2008年3月期の水準までまだ戻っていない。日経平均株価も、2007年7月に1万8200円台の高値を付けて下落に転じて以降、現在もそれを回復していません。高値を付けた時の上場企業全体の時価総額は582兆円だったが、現在のそれはまだ430兆円にすぎません」
 
 一方、米国はどうなのかというと、株価はすでにリーマンショック前の水準を回復し、史上最高値を更新する活況ぶりを呈している。
 
「企業利益も、米国企業全体でいうと、すでにリーマンショック前の水準を回復しています。日銀がさらに金融緩和を拡大する姿勢を見せていることを勘案すれば、日本株が米国同様、リーマンショック前の水準に戻っても何の不思議はない。したがって、日本株への投資価値は高いというのが、大半の外国人投資家たちの見方なのです。彼らの“日本詣で”が、その何よりの証左でしょう」(瀬川氏)

※週刊ポスト2013年11月29日号