「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝した谷原秀人、2位になった石川遼が、21日(木)からオーストラリア・ロイヤルメルボルンGCで行われる「ISPSハンダワールドカップ」に出場する。過去3度出場し、いずれもトップ10の好成績を収めた田中秀道に、雰囲気や期待感を聞いてみた。
米ツアーで上位に入るのと優勝するのは別次元
 今回の代表2人は、「三井住友VISA太平洋マスターズ」でワンツーフィニッシュし、メンタル的にすごくいい状態で、絶好のタイミングで組めたなと感じる。特に石川選手はここ半年、心身ともに上昇してきて、なによりゴルフを楽しめるようになっている。谷原選手は3回目の出場だが、今年は勝ちそうで勝てない試合が続いたので「やっと勝てた」という気持ちでいけることで、余裕があるのではないか。かなりの期待をしていい2人だと思う。
 私が初めて行ったのは2000年のアルゼンチン。「日本代表」として「日の丸を背負う」というチャンスを丸山(茂樹)さんからもらって、武者震いした覚えがある。
 私の場合はアマでナショナルチームなどの経験がなくプロになったので、日の丸を背負う緊張感がどういうものか、分からなかった。現地で領事館のパーティーなどがあって「すごいことになっている」と感じた。いつもと違う緊張感が強くて、丸山さんに迷惑を掛けないようにと思ったが、逆にいつもは出ないようなミスをして変なことになってしまった。私1人でバタバタして4位。2回目(03年7位)、3回目(04年10位)と丸山さんと行くうちに緊張感もほぐれて、経験値も上がっていったが、最後まで自分の腕がなかった(笑)。
 だが、まったく知らない選手のゴルフを見られる。アルゼンチンでは一緒に回ったイングランドの選手の打ったボールがギャラリーの頭に当たってフェアウエーに出てきた。血まみれになったその人が「オレも曲げるけど、お前はフェアウエーでよかったなあ。オレは大丈夫だから」って、その選手を慰めているのを見て、ゴルフ観も変わった気がする。
 この大会でいいのは、今の自分の状況をぶつけられる、未来の自分への資料になるということだと思う。「日の丸を背負う」という中で、いつもの自分ではない自分を見つけられ、今後のバロメーターになる雰囲気があるからだ。いつもと違う中で自分を試せるのが、逆に楽しみだったところもある。
 初めて出る石川選手にはプレッシャーになるかもしれないが、そこでいいゴルフが出来たらもっと自信がつくだろう。谷原選手は「なんとかなるっしょ」ぐらいの天然的に、あの場に行ってもスーッと入っていけるタイプ。ロイヤルメルボルンは難しいコースではあるが、今の精神状態でやれれば上位進出、優勝争いはできる。まずは「日の丸を背負う」ことを楽しんでほしい。
田中秀道
91年にプロ入り。95年フィリップモリス選手権でツアー初優勝。166センチ、68キロの小柄な体ながら、体をフルに使ったスイングで300ヤードを飛ばし人気を得た。2001年に米ツアー最終予選を突破して02年から5年間、米ツアーに挑戦した。04年BCオープン、05年クライスラー選手権で3位が最高。現在は日本ツアー復帰を目指す一方、テレビ解説なども行っている。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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