性は生なり。食は生命の源であり、同時に精力の源でもある。在野に眠る性豪たちは食にもこだわっている。今回も、作家・麻未知花氏が解説する。

 「食生活の改善で、勃起力の増強に大きな効果が得られた」と教えてくれたのは、68歳の元会社員Kさんです。「僕は男の象徴ともいえる力強い勃起と持続力を保つため、日々の食生活で亜鉛不足にならないよう気を使っています。亜鉛の含量が高い牡蠣やレバー、松の実などを意識的に食べていますが、亜鉛を効果的に取り込むためには血流も良くしなくちゃいけないので、生姜も毎日欠かさない工夫もしています」とも。
 ミネラルの一つである亜鉛には、人間の生殖機能を整える作用があるといわれています。特に男性の場合、前立腺の機能を保つ働きや精子の数を増やす効果を期待できるそうです。
 そのためにもKさんは、レバーの入った野菜炒めや豚肉のしょうが焼きを作って食べているそうです。
 Kさんのパートナーの女性は「70手前の男性とは思えないギンギンのペニスが膣の中に入ってきて、びっくりする」と言っています。Kさんの見た目もお肌のツヤとハリが一目瞭然に輝かしい。性機能の健康が外見にも反映されているのでしょうね。

 もう一人ご紹介したいと思います。70歳の元料理人のSさんです。彼は好みの女性を街で見かけたときにセックスを想像すると、ペニスが硬くなるほど下半身が元気です。秘訣は、定年退職するまでの30年以上もの間、スッポンや魚介類の料理など、精力のつく食材を小皿に取り分けて、味見として毎日のように食べてきたところにあるそうです。
 特に好んで食べたのが、『タラバガニのクネル』という、タラバガニのすり身で作った西洋風だんごです。これに生ウニと甘エビの頭で作ったソースを絡めて、強壮効果のあるクレソンを乗せたメニューだそうですが、とても精力がついたそうです。タラバガニは疲労回復に効果があるタウリンが多く含まれており、セックス後も体が軽くなるので私も好んで食べています。
 スッポン、ウニ、タラバガニ…。こうした高くておいしい食材を毎日食べてこられたのは料理人の特権でしょうが、うらやましい限りです。

 ただ、Sさんのように高い食材を使わなくても精力は増強できると思います。
 私が積極的に摂っているのは、冷え性にも良いといわれている生姜紅茶です。これに生姜とオリゴ糖が入っているハチミツを入れて飲んでいます。女性は足が冷えるとセックスのときになかなかイケません。イキにくい奥様をお持ちの方にはプレゼントをお薦めします。また、毎日の料理の1品に必ず精力増強や免疫力アップを期待できる“ネバネバ食材”を入れています。例えば、納豆の中に大葉やみょうがの薬味を入れたり、山芋には、キムチを混ぜたりして食べています。オクラとなめこ和えには、岩のりを入れると味付けをしなくても美味しくいただけます。簡単料理ですから、続けやすいのではないでしょうか。
 バランスの良い食事+精力のつく食事が、心身共に健康でいられるのです。これこそ性豪の秘訣です。

麻未知花…作家・恋愛セラピスト。FMラジオのパーソナリティー、医学会秘書などを経てカウンセリング経験をもとに熟年期と性をテーマに執筆。著書に『素敵な熟年期』『50代から楽しむセックス』などがある。