【お金】“毎月5万円で1億円”…悪質な金融業者の見破り方をFPが解説!

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お金の「そうなんだ!」「本当?」といったいろんなヒントをファイナンシャル・プランナーの筆者が紹介します。

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今回は電車内広告やテレビCMでもよく目にした「毎月5万円で1億円」のお話です。この業者は6カ月の業務停止命令を受けていますが、何がマズかったのでしょうか。予め見分ける方法は?

■みんな目にした「毎月5万円で1億円」が営業停止処分に

「毎月5万円で1億円」という広告を見かけた人は多いと思います。首都圏の電車にはたくさん広告が貼られていましたし、テレビCMも出されていました。

雑誌にもかなり多く記事広告が掲載されていたようですし、SNSをやっていたときにネットのバナー広告でみかけた人も多いことでしょう。若手俳優を起用した、なかなか目立つ広告だったと思います。

この会社の広告によれば、国の年金があてにならない世代は、自分で毎月5万円のペースで積み立てていかないと、老後に必要な1億円は貯まらない、と強調されており、そのために外国の運用が上手い金融商品を紹介します、とうたわれていました。

しかし、「最近Facebookで広告みかけないな」と思っていませんでしたか?

実はこの会社、現在営業停止中なのです。「紹介」ではなく実質的に「販売」業者であったこと(個人から助言料をもらうと同時に金融商品の業者からもキックバックをもらっていた。この場合、無認可で金融商品は販売したことになり違法である)、実際に提供していない金融商品を広告に載せたり、キックバックがないと表記するなど広告に不当表示があったことなどがその理由です。

処分は6カ月の営業停止となっており、これはきわめて重く、違反の内容が大問題であったことを意味します。

あれだけCMを出していたのに、問題アリ、とされたわけですがそもそも何がまずかったのでしょうか。

■「毎月5万円で1億円」は正しい?

このCMを見た普通の人が最初に感じるのは「毎月5万円で1億円なんてウソでしょう?」だと思います。しかし、実はこれはウソというわけではありません。

仮に22歳の新入社員が毎月5万円を定年退職まで積み立てるとします。60歳まで38年ありますから、仮に利息ゼロでも2280万円が貯まる計算です。運用の利益が税金や手数料を引いて年7%も入れば、この2280万円は1億1300万円に成長します。これは運用の理論では複利効果といわれるもので、「計算上」はウソではないのです。

問題は、その先にありました。本当なら、「毎月5万円を貯めたとして、全額を元本割れするリスク商品に投入していいのか」「提示されている商品は本当に高い利回りが得られるものなのか」「っていうか、そもそも1億円が本当に必要なのか」といった点を疑ってみなければいけないのです。

この会社は、年金不安をあおったり(実際には破綻しないので5000万円も貯めれば十分)、日本はダメだけれど海外には優れた商品がたくさんあるとあおっていました(日本人の自信のなさにつけこむ。海外の商品なので本当に優れているかはよく分からない)。私たちを驚かせ、怖がらせることで、普通の20代、30代にとっては大金であるはずの「毎月5万円」を契約させていた、というわけです。

幸いにして運用に回したお金は消えていないので、悪質な詐欺事件ではありませんでしたが、短期解約の場合は投資金額がほとんど戻ってこない契約だったようで、これも契約の際にチェックすべきポイントといえます。

■最大の教訓は「本当とウソはごちゃ混ぜ」で出てくること

今回の問題から、「お金の問題に巻き込まれない」ためのいくつかのヒントがあるように思います。

たとえば「華美なCMには注意する(CMで私たちが儲かるわけではない)」「どんなときも無理しすぎた金額を入金してはいけない(例えば定期預金を2.5万円、投資に2.5万円積み立てれば半額は確実に保全される」「高い利回りをあたかも保証したかのような広告は疑うこと(過去の利回りは将来を保証してくれない)」などのポイントは今回学ぶことのできる教訓です。

いくつかのチェックポイントを抑えるだけで、結果として金融商品のトラブルの多くを避けることができます。

相手を疑うなんてあまりやりたくないことかもしれません。しかし、本当に悪質な金融業者は、あなたのお金を持ち逃げすることもありますから、慎重なぐらいがちょうどいいのです。

また、今回の最大の教訓としてもうひとつ指摘してみたいことがあります。それは「本当のこととウソがごちゃ混ぜになって、広告が作られている」ことです。

5万円をうまく運用し続ければ1億円になることとか、海外にも投資をしたほうがいい、というのは本当です。しかし、年金が破綻するといったおどしや、必ず高い利回りの商品を提供できるかのようなミスリードとごちゃ混ぜにすることで、全体として「正しいことのようなイメージ」が作られていきます。

もともと広告が自社の悪口を書くことはありません。それはお菓子でも服でもパソコンの広告でも同じです。金融商品の広告もいいことばかり書いているのではないか、と思ってチェックすると、失敗する確率はぐんと下がるでしょう。

ほとんどの金融商品はまともな商売をしています。ぜひ、悪質な業者にダマされないようにしてみてください。

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