昨年3月の写真。F1チーム「ザウバー」に所属していた頃のセルジオ・ペレス (撮影:DPPI/フォート・キシモト)

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昨年まで小林可夢偉のチームメイトを務め、今年キャリア3年目にして鳴り物入りで名門マクラーレンに加入したメキシコ人F1ドライバー、セルジオ・ペレスがわずか1年でチームを離れることを発表。スポンサーの資金力にものを言わせ、超名門チームのシートを射止めたシンデレラ・ボーイが23歳にしてF1引退の窮地に追い込まれている。

13日、ペレスは自身のTwitterで「チームの成功を今後も祈りたい。ずっとマクラーレンのファンだ。しかし優勝争いできる最高のパッケージを得るために将来を見すえる」と、2013年シーズンいっぱいでのチーム離脱を表明。チームに敬意を表す一方で、地元で開催されたスポンサー向けのイベントでは「キャリアで最低の1年」「あんなマシンで自分の能力を引き出すことは難しい」と恨み節を炸裂していたという。

彼の意見ももっともで、常に優勝グループを争ってきたマクラーレンが今年は絶不調。同僚で2009年王者ジェンソン・バトンもペレス同様、最高位が5位とチームにとっては1980年以来過去33年間で最悪の成績なのだ。

明らかに「ハズレ」を掴んでしまったペレスだが、シーズン前から実力で認められたというよりも、世界一の富豪として知られるカルロス・スリム氏率いる母国メキシコの通信関連企業、テルメックスのサポートを武器に「シートを買ったのでは?」との疑惑も囁かれており、9月にはそのスポンサーからチームへの支払いが遅延しているとの情報も流れるなど、ここへきて劣勢に立たされていたのも事実だ。

そんな折、「金の切れ目は縁の切れ目」を地で行くように、マクラーレンはペレスを切り、その翌日にはチーム育成枠の新人、ケビン・マグヌッセンの2014年の起用を発表。シーズン2戦を残し、今週はペレスの地元メキシコからファンが大挙押し寄せるアメリカGPであることを知りながらもラインナップ発表を強行したチームにF1ファンからも「エゲツない」との声もネット上で聞こえる。

この発表を受けTwitter上でつねに注目発言を続けている元F1ドライバーのタキ井上氏のコメントも饒舌だ。元々ペレスの能力に疑いの目を向けて来た井上氏だが、「2014年マクラーレンのドライバーに予想通りケビン・マグネッセンに決定した。ぺレース残念(汗)!」、「結局ぺレースがマクラーレンにもたらしたものは何か?」、答えは「ハミルトンからマグネッセンへのつなぎの1年に都合よく利用されたという事だ(汗)!」と熱い持論を展開している。

窮地に追い込まれたペレスは完全に2014年のシート争いから遅れたため「ほかに活躍の場を求めるしかない」と早くもF1を去ることを示唆するなど弱気発言を繰り返しているという。

昨年、チームメイトの小林可夢偉より後方からスタートし、いち早く表彰台に上がる強運をみせるなど、日本のF1ファンからことあるごとに嫉妬される存在だったペレス。23歳と若く、まだ本当のポテンシャルも知らぬままサーキットを去るのは残念の一言、ぜひ奮起して貰いたいところだ。