「頭がおかしいというより単なるバカ」
「これは名誉毀損に該当しますね」

双方、かなり頭に血が上っている。今にも掴み合いでも始めかねない勢いだ。片やアゴラ研究所所長の池田信夫氏、もう一方は「明治天皇の玄孫」竹田恒泰氏。ツイッターでのつぶやきから始まったバトルは、竹田氏が「公開質問状」を池田氏に叩き付ける事態にまで発展した。

「マスコミが相手にするのはやめるべき」

先制攻撃を食らわせたのは池田氏だ。2013年11月4日、ツイッターでいきなりこうつぶやいた。

「この自称皇族は頭がおかしい。マスコミが相手にするのはやめるべき」

池田氏といえば言論プラットフォーム「アゴラ」を主宰、ツイッターやブログなどでの活発な発言も常に注目を集める論客だ。対する竹田氏は皇室から原発問題まで軽妙に語る「旧皇族」としてマスコミからも引っ張りだこ、最近では歌手の華原朋美さんとの交際報道まで報じられた。

「頭おかしい」と池田氏が断じたのは、竹田氏が2013年10月、「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)で在日韓国・朝鮮人による「通名」に言及、いわゆる「在日特権」に当たるとの認識を示した問題についてだ。

「在日特権」については在特会や一部保守派が糾弾を続ける一方、そうした「特権」は存在しない、あるいは特権というには当たらない、単なるデマという声は強い。竹田氏の発言に対してもNPO団体などが「差別を助長する」と抗議、放映した読売テレビは謝罪を行っている。

一方の竹田氏は「事実を述べただけ」「在日差別ではない」との立場を貫き、ネット上では賛否両論の議論がその後も続いていた。

夜中の1時前から延々とツイッターでやりあう

さて、思わぬ方向から殴られた竹田氏は、13日になってやはりツイッターで反撃する。

「【拡散希望】池田信夫さんて、こんなこと言う人だったんですね。びっくりしました。もっとまともな方だと思ってた。『お前の母さんでべそ』レベル笑」

まったく知らない仲でもない。過去には「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)など討論番組で共演したこともある。そんな相手からの攻撃に、竹田氏も「拡散希望」とファンを巻き込む形で反攻に出た。

もちろん、池田氏も譲らない。

「頭のおかしい自称皇族の追っかけも多い。『在日特権』なんて信じてるのが、頭のおかしい証拠だ。通称を名乗るのが『特権』なら、政治家も芸能人もみんな特権をもってるよ」

当然、竹田氏も反論だ。

「池田信夫さんも懲りない人ですね。まだ人のことを『頭のおかしい自称皇族』とか言ってます。私を非難するなら、私の主張に論理的な批判をすべきでしょう。理由なく『頭おかしい』とは、およそまともな学者の作法ではない」

深夜1時前から始まった両者の言い争い、竹田氏は1時間弱ほどで布団にもぐりこんだようだが、池田氏はその後も2時過ぎまでつぶやき続け、翌朝早くにはブログも更新し、議論を続けた。

「自称皇族」は許せない!

一連の議論の中で竹田氏は、韓国籍の男性が通名の変更を「悪用」して利益を得ていた事例を挙げつつ、通名制度には問題があり、それが在日韓国・朝鮮人の「特権」となっていると、持論を繰り返す。

一方の池田氏は、「在日特権」とされるものはむしろ行政の怠慢による「事なかれ主義」の遺物であり、しかも在日韓国・朝鮮人に限った話ではない以上「在日だけの特権」とは言えず、彼らのみを攻撃するのは「民族差別」だと批判する。ある種の「利権」の存在自体は否定しないが、在特会や竹田氏の主張は、かえってその是正を遠ざけるという立場だ。

結局、現時点では2人の議論は平行線をたどっている。

なお議論の本筋とは別に、竹田氏は「自称皇族」という発言が腹に据えかねたらしく、

「【公開質問状】池田信夫殿 貴殿は私のことを『自称皇族』と述べているが、私がいつ皇族を自称したのか、その根拠を示してほしい」

との投稿を池田氏に対し送っているが、今のところこちらへの返事はない。