[其ノ一 株ファンダ編]225ETF組成で莫大な需要が発生!
大ざっぱな試算ではあるが、NISA需要で約2兆円、日銀のETF買い入れ枠の残りが1兆2000億円。これらの株式投信やETFへの流入をヒントに投資銘柄を選んでみよう。

来年の株式市場は底堅い。キーワードは「日銀」「NISA」「ETF」!

来年1月から始まるNISA(少額投資非課税制度)。金融機関の宣伝効果もあり、口座開設予約はハイペースのようです。日本証券業協会によると9月末時点で322万口座。基本的には制度開始後に動く人が多いと考えるなら、初年度から400万口座を優に超えそうです。NISAは少額投資に対する優遇なので、投資入門編として活用されるケースが多いことでしょう。ということは、初心者にもわかりやすい「株価指数に連動するインデックス型の投信」、代表的なものでは日経225に連動する投信が人気になるのでしょうか。もちろん、日経225ETF(上場投信)の需要もNISA経由で高くなりそうです。

そうなると、証券会社もETFの組成に備えなければなりません。ETFの組成は、株式市場への資金流入につながります。仮に、NISAが400万口座生まれる場合で試算してみましょう。年間100万円を上限に非課税期間は5年間ですので、1人当たり最大500万円の枠。全員が500万円の枠をフル活用するわけではないですから、1人が5年で平均100万円利用したとします。「400万口座×100万円」で……なんと4兆円!

たとえば、そのうち半分が株式や株式投信などに流入すれば、5年で2兆円の買い越し要因となります。非常にワクワクするインパクトですよね?

しかも中長期保有が前提になりますから、この買い需要は中長期的に?売り〞として市場に出てきません。

さらに、来年の12月までは別の巨大な日本株買い需要もあります。今やおなじみかもしれませんが、日銀による「ETF買い」です。日銀は2010年12月以降、金融緩和の一環として日経株価型とTOPIX(東証株価指数)型のETFをほぼ半分ずつ買い続けています。これまで約2兆3000億円も購入しました。そして、日銀ETF買いの残り枠は1兆2000億円。日銀のETF買い&NISA経由の買いが見込まれる来年1年間は、?国内勢〞が日本株を支える1年にもなりうるわけです。

今後はETFの組成がますます活発になるでしょう。日銀買いとNISA需要に対応すべく、証券会社も動いています。その一例として挙げられるのは、国内最大手の野村證券が、9月6日にとんでもない規模の大量保有報告書を提出したこと。なんとセブン&アイ・ホールディングスを6%強(これだけで約2000億円分!)、横浜ゴムや旭硝子、昭和電工も同時に買い増していました。まさにETF組成に伴う購入と推測されます。業種はばらばらの4銘柄ですが、どれも日経平均採用銘柄という共通点があるからです。こういった動きが進むところに投資ヒントがあります。含み資産関連の中でも日経225採用銘柄の東京ドームが狙い目とか、日経225に新規採用されたばかりの日東電工に注目など……この切り口は有効です。

【今月のファンダ師匠】
岡村友哉(YUYA OKAMURA)
金融ジャーナリスト

証券会社の営業、金融情報ベンダーでアナリストを務めた後、現職。日経CNBCでキャスターをこなす。



この記事は「WEBネットマネー2013年12月号」に掲載されたものです。