新年から相場環境は様変わり。五輪招致はアベノミクス第4の矢
「2020年東京五輪・パラリンピックの開催決定を受けて、不動産、観光関連の銘柄が注目されそう」と大和証券の木野内栄治さん。証券優遇税制の終了とともに12月頃までの相場はいったん低迷するが、12月以降に買いのチャンスが到来するとみる。

不動産、観光関連が五輪の恩恵を受ける

証券優遇税制が今年いっぱいで終了することを受け、年末までの株式相場は個人投資家による利益確定売りにさらされて低迷しそうだ。

海外では、ユーロ圏や米国、中国などが来年初めから銀行の新たな自己資本規制である「バーゼル3」を適用する。これによって事前に銀行のリスク資産の圧縮が進み、外国人投資家による日本株買いの勢いも弱まりそうである。

年内の日経平均は6月の安値の1万2400円前後まで下がる可能性もある。保有している株は、秋にいったん売って利益を確定してしまったほうがいいかもしれない。

年が明ければ、個人投資家の売りは終わり、バーゼル3によるリスク資産の圧縮も一段落する。規模はそれほど大きくないがNISA(少額投資非課税制度)の資金流入も始まる。2014年は、年初から4月にかけてが株式投資のチャンスといえそうだ。

特に注目したいのは、不動産と観光関連の銘柄である。安倍政権がアベノミクスの「第4の矢」と位置づける2020年東京オリンピック・パラリンピック開催の恩恵をストレートに受けるからだ。

すでに9月の東京開催決定と同時に、建設、不動産、倉庫など、いわゆる?含み資産株〞の株価が動き始めている。

1998年の長野五輪を例に挙げると、長野の公示地価の伸び率は開催決定から終了までの間に、東京の伸び率を7割近く上回った。この前例を踏まえれば、東京の地価に対する期待は、5割程度は目線が上がったといえるだろう。含み資産の増加とともに長期的な株価上昇が期待できそうだ。

消費税増税とともに景気が減速する懸念があるが、日銀の黒田総裁は、いざとなれば追加緩和を打ち出す方針も示唆している。

追加緩和の期待が高まれば、消費増税が実施される4月に向けて、不動産株相場はさらに底上げされる公算も大きい。

一方、観光ついては来年以降、政府が成長戦略の新たな目玉として積極的に政策を打ち出すと思う。戦略の概要が提示されただけでも観光関連銘柄が物色され、株価を上げることだろう。

具体的には、「カジノ特区」関連銘柄のほか、鉄道など旅客輸送関連、ホテルなどの宿泊関連、物販、カード会社といった幅広い銘柄が注目されるのではないか。

木野内栄治(EIJI KINOUCHI)
大和証券 投資戦略部担当部長

成蹊大学を卒業後、大和証券に入社。以来、一貫してテクニカル分析に従事。2004年から2012年まで日経アナリストランキングのテクニカル部門で第1位を獲得。チーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。



この記事は「WEBネットマネー2013年12月号」に掲載されたものです。