4R、まず左を伸ばすチャンドラーは頭を振って構えると、アルバレスがテイクダウンへ。切られた直後にパンチを入れたアルバレスだったが、王者はフライングニーへ。挑戦者が組みつくと、チャンドラーはがぶる。と、アルバレスは引きこんでしまう。右のパウンドを受けたアルバレスも、左目尻をカット。王者は傷にエルボー、鉄槌を集中させる。さらに左エルボーを落すチャンドラー、アルバレスの反応が鈍くなってくる。ガードを続けるアルバレスの右手を背中の下でキャッチしたチャンドラーは、顔面にパンチを落とし、自らクラッチを切ると勢いのあるパンチとエルボーを振り落す。

アルバレスのヒップスロー狙いを潰し、右のパウンドを連打するチャンドラー。残り1分を切り、アルバレスはケージを蹴り上げるが、しっかりと抑え込まれて立ち上がることができない。このままトップで4Rを戦い切ったチャンドラー、大切なラウンドを自らのモノとした。最終回、開始早々アルバレスが右アッパーを伸ばす。パンチで前に出るアルバレスに、再び飛びヒザを狙ったチャンドラーは、続いて組みにいく。

上と下から、打撃&レスリングで攻めるチャンドラーは、右アッパーを打ち込むと組んでテイクダウンからバックへ。両足をフックして、仰向けになったチャンドラーだが、アルバレスが胸を合わせるとスクランブルを制してバックにつく。アルバレスはチャンドラーの投げに体が宙に浮くも、着地して亀の態勢になった王者のバックを取る。

試合がスタンドに戻ると、足を止めての打ち合いに。ここからバックを制したアルバレスが、後方からパンチをチャンドラーに入れていく。ヒザ蹴りを貰わないように手をマットにつくチャンドラーだが、バックから振り落とそうとして、両足をフックされてしまう。RNCを狙うアルバレス、一度は腕を振りほどき、ガードを取ろうとした王者だったが、バックマウントから逃げ切れない。再び、タイトなRNCで攻められたチャンドラー。アルバレスの頭が真後ろでなく、左に寄りすぎており、ここは凌ぎ切る。と、チャンドラーは最後の意地を発揮し胸を合わせてトップを取り返す。残り15秒でチャンドラーはバックから投げを見せると、アルバレスのスイッチを許さず、このまま試合はタイムアップに。

第1戦以上の激闘を繰り広げた両者、テイクダウン狙いやスクランブルの応酬、ポジションの交換にサブミッション、疲労困憊になったところでの打撃戦と、MMAとして凌ぎ合いが見えた名勝負だった。この名勝負も勝者と敗者に判別される。順当にいけば1R、2R、4Rを取ったチャンドラーが、48-47で王座防衛となりそうだが、果たして……。

最初のジャッジは48-47でチャンドラー、2人目のジャッジは48-47でアルバレス。そして、最後のジャッジも48-47でアルバレスの名前が呼ばれる――。「俺たちはここまで戦った。ブーイングは止めてくれ」と新チャンピオン、前チャンピオンは「結果はこうなった。また次、頑張るよ」と話し、激闘の場から離れた。パット・カーラン、エマニュル・ニュートン、マイケル・チャンドラーが敗れ、レブニーとSPIKEの思惑が全て外れたベラトール史上最大のイベントとなった。