前回、起業家の村田マリさんが事業を立ち上げて、子育てと仕事の両立について考慮した結果、事業売却に至った経緯を説明しました。今回は、事業売却後に村田さんがシンガポールになぜ移住したのか紹介します。

母親を支える家事や育児のサポート体制が整っている

 村田さんは、シンガポールへの移住を検討し始め本格的に視察するまで、当地を訪れたのは飛行機を乗り継いだ時の1回だけでした。シンガポールについて何も知らなかったに等しい状態で、移住について関心をもったきっかけは偶然の出来事からでした。

 村田さんがソーシャルゲーム事業を売却した株式会社gumiの国光宏尚社長のところを訪れたところ、ちょうどgumiがシンガポールを中心としたアジアでの事業展開を拡大するために、アジア支社長の面接をしているところでした。たまたま近くに座っている候補者の1人と話していたところ、その人が後にアジア支社長に選ばれるデイビット・ウー・ミンハさんでした。

 デイビッドさんと話をする中で、ビジネスはもちろん子育てにおいてもシンガポールは魅力的な場所であると感じた村田さんは、2012年3月に1人でシンガポールを視察します。不動産やスーパーなど生活に関わる施設に加えて、既にシンガポールに移住していた先輩日本人起業家の家にも遊びに行きました。家族全員が非常に楽しそうにシンガポール生活を送っていたことに安心した村田さんは、2012年5月にシンガポールに法人を設立します。日本でのビジネスの引き継ぎが一段落した2012年9月には、お子さんを連れてシンガポールに移住しました。

 シンガポールに移住した村田さんは、「移住前に期待していた以上にシンガポールは子育てする場所として魅力的だ」と話しています。両親が近くに住んでいなければ、母親が孤軍奮闘しなければならないことが多い日本の子育てに対して、シンガポールでは母親を支える家事や育児のサポート体制が整っていることが大きいようです。

 現在、ローカルの幼稚園にお子さんを9時〜17時まで預け、必要な時はベビーシッターを利用して働いているそうです。日本に比べるとベビーシッターの人数が多く、急な手配にも対応できて、かつ安価なのでとても有難いと話しています。一般的な幼稚園やケアセンターでは、最大8時〜20時まで預けられ、3食に加えてシャワーまで浴びさせてくれるところもあるそうです。

 村田さんは利用していませんが、シンガポールでは住み込みのメイドを月5万円から雇えます。メイドには、買い物や食事の準備、洗濯などの家事はもちろん、子供の学校への送り迎えもお願いできます。シンガポールでは2ベッドルーム以上のコンドミニアムの多くにメイドルームが完備されているので、住み込みのメイドさんが居る生活もスムーズに送れます。

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