劇場版「聖闘士星矢 Legend of Sanctuary」の制作記者発表に登壇した浅間陽介プロデューサー(左)とさとうけいいち監督(右)。

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名字に「熊」の字が入っていたせいで、一時期「ベアー檄」と呼ばれたことがある。
蟹座の友達は、「おい、デスマスク!」といじられていた。
十二支は大人になるまで覚えられなかったが、十二星座は小学生で覚えることができた。

ぜんぶ『聖闘士星矢』のおかげ(せい?)だ。

30代を生きる大人にとって忘れられない青春、『聖闘士星矢』が帰ってくる。
チャンピオンで連載中の「冥王神話」編の話でも、テレビ朝日で放映中のアニメ「聖闘士星矢Ω」の話でもない。
星矢、紫龍、氷河、瞬、一輝ら青銅聖闘士たちと黄金聖闘士による死闘・「十二宮の戦い」が帰ってくるのだ。

昨日1日、東京・秋葉原UDXで開催中の「魂ネイション2013」に、東映アニメーションの浅間陽介プロデューサーと、「TIGER&BUNNY」「黒執事」などで人気のさとうけいいち監督が登場し、劇場版「聖闘士星矢 Legend of Sanctuary」の制作発表会が行われた。
ギリシア神話をベースに、星座をモチーフにした「聖衣(クロス)」を身にまとった少年たちが繰り広げる戦いと友情を描き、80年代の「少年ジャンプ」で圧倒的な支持を集めた『聖闘士星矢』が来年初夏、3DCGアニメーション映画として復活するという。

「企画スタートは2007年。6年の月日をかけてようやく制作発表にまでこぎつけることができました」と、浅間陽介プロデューサーがこの日に至るまでの苦労を語る。
「2Dセルアニメや『黒執事』などの実写経験があるさとう監督が3DCGを撮ったら、正直おもしろいんじゃないかと思い、車田正美先生とも相談のうえ決めました」と、さとう監督にオファーを出したのが2年前だという。
今作は《車田正美・熱血画道40周年記念映画》と銘打たれ、原作者である車田正美が自ら制作総指揮を担当。副題でもある「Legend of Sanctuary」は車田正美自身が命名したという。「Sanctuary」の文字が示す通り、ストーリーは聖闘士星矢の数あるストーリーの中でも最も人気がある「聖域十二宮編」だ。
さとう監督もこのオファーを受けた際、「あの"十二宮"をお願いします。と言われて、どん引きました」と、プレッシャーを感じたという。
その一方で、「昔からの熱いファンの方も、そのご家族の方も楽しんでもらえる映画にしようと、原作サイドとも何にこだわり、何を残そうかという部分でディスカッションを重ねてきました」「エンターテイメントなんで、皆さんが喜んでもらえる映像を、そして喜んでもらえるお話を、と思いました」と自信のほども覗かせた。

上述したように、今作の特徴はフル3DCGアニメーション。制作発表会に先立ち、本邦初公開の特報映像も流れたが、一瞬映った星矢の顔は車田イラストの“らしさ”はなく、全く新しい描写になっていた。
「CGだからリアルを求めるかということそうでない。星矢たちの描写も含めてこだわったのは、リアルではなく“フィギュア感”。キャラクターとして、少年マンガらしい元気な部分を出したいという思いから、表情の描写にはとにかくこだわってガッツリ作っています」と語るさとう監督。十二宮やサンクチュアリの風景描写など、背景のリッチ感にもこだわったという。

さて、『聖闘士星矢』には欠かせないのがあの名文句「君は小宇宙(コスモ)を感じたことがあるか」。今作でさとう監督が最も研究を重ね、心血を注いでいるのも、この“小宇宙(コスモ)の表現方法”だった。
「小宇宙(コスモ)に対する見え方を原作、アニメでの見え方、そしてゲームでの見え方も含め、全て見直しました。誰かのモノマネをするわけにはいかない。逆に誰かにモノマネしてもらえるよう、小宇宙(コスモ)とは何か、どんな時に感じるのかを、シナリオ段階からディスカッションをしました。小宇宙(コスモ)の見え方、カタルシス……これは映画を実際に観て感じて欲しい、テレビでは見られない表現方法を120%意識したものになっています」

浅間プロデューサーが、「『聖闘士星矢』はクロスとコスモの見え方が“胸アツ”の部分ですから」と語ってハードルを上げるが、さとう監督も負けじと切り返す。
「発表から2年。ファンの皆さんも、期待と不安があるでしょうが、裏切らない映画になっていると思います。ハードルを上げていただいていいです。ぜひご家族で、そして一人でも、エンターテイメントとして、見たことがない世界に皆さんを連れて行きます!」

さとう監督の小宇宙(コスモ)も燃えたぎる劇場版「聖闘士星矢 Legend of Sanctuary」は、2014年初夏公開予定。

(オグマナオト)