写真提供:マイナビニュース

写真拡大

JR東日本のE233系電車といえば、首都圏で活躍している通勤電車だ。2006年に中央線で走り始めてから、京浜東北線や東海道線に投入され、2013年には埼京線にも登場。2014年7月から南武線にデビューすると総勢3,172両となり、JRグループの最大勢力となる見込みだ。同一形式だけど、導入される路線によって変更点もある。どう違うのだろう?

E233系は、山手線や総武線各駅停車、常磐線、東海道線などに導入されたE231系の改良版として開発、製造された電車だ。2013年現在のおもな活躍の範囲は、中央線快速、京浜東北線・根岸線、常磐線各駅停車、東海道線、京葉線、埼京線と、それぞれの路線が相互乗入れを行う路線や私鉄など。2014年春から横浜線、同年7月から南武線にも投入される。開発においては、「制御系などを二重化するなどで故障しにくい」「デザインや設備などでバリアフリー、ユニバーサルデザインを用いて人に優しく」「車両の基本性能を上げる」「情報案内装置の設置」「車体強度をさらに高く」などが考慮されているという。

E233系は外観デザインやモーター、設計最高速度が時速120kmであることなど、基本性能は同じとしながらも、投入される路線によって仕様が異なっている。これは先代のE231系が担っていたコンセプトを継承したためだ。基本設計を共通化してコストを下げつつ、路線の事情によってアレンジしようという考え方だ。たとえば相模鉄道の11000系や小田急4000形も、E233系の基本設計を元に製造された。

それでは、各路線向けのE233系のおもな特徴を挙げてみよう。

・0番台…中央線快速・青梅線・五日市線用。帯の色はオレンジで側面のみ。10両編成と6両編成・4両編成がある。エアコンの効率を上げるため半自動ドアを採用。また、各車両のドアを1カ所だけ開くスイッチがある。起動加速度は3.0km/h/s(1秒ごとに時速3kmずつ増加できる)。

・1000番台…京浜東北線・根岸線用。帯の色はブルーで先頭車前面の窓下にも帯がある。10両編成のみ。先頭車前面窓の下に列車番号表示装置がある。客室内の乗降扉上の液晶ディスプレイが17インチワイド画面になった。起動加速度は2.5km/h/s。

・2000番台…常磐線各駅停車用。東京メトロ千代田線に乗り入れる。千代田線のもうひとつの乗入れ先、小田急線にも乗り入れられる仕様へ改造中。地下鉄に乗り入れる関係で、先頭車前面に非常ドアを設置したほか、車体の断面サイズもトンネルに合わせて小さめとなっている。帯の色はエメラルドグリーンで、屋根付近の帯はない。10両編成のみ。E233系の異端児ともいえそうだ。起動加速度は3.3km/h/s。

・3000番台…東海道線・高崎線・宇都宮線用。帯の色はグリーンとオレンジ。先頭車前面窓下にも帯がある。10両編成と5両編成がある。半自動ドア採用。各車両のドアを1カ所だけ開くスイッチがある。10両編成の中間に2階建てグリーン車を2両連結。10両編成の先頭車と5両編成の片側先頭車にトイレがある。10両編成の両端の2両と、5両編成のうち2両はセミクロスシート。起動加速度は2.3km/h/s。

・5000番台…京葉線を主とし、外房線・内房線・東金線にも乗り入れる。帯の色はワインレッド。先頭車前面窓下にも帯がある。10両編成と6両編成・4両編成がある。各車両のドアを1カ所だけ開くスイッチがある。起動加速度は2.5km/h/s。

・6000番台…横浜線用。2014年から運用開始。8両編成。帯の色は黄緑と緑。先頭車前面窓下にも帯がある。車内照明は当初からLEDとなる予定。

・7000番台…埼京線を主とし、川越線・りんかい線にも乗り入れる。帯の色は緑。10両編成。1号車客室内向けに防犯カメラを設置している。車内照明はLED。起動加速度は2.5km/h/s。

・8000番台…南武線用。6両編成。帯の色はイエローとオレンジ。先頭車前面窓下にも帯がある。車内照明は当初からLEDとなる予定。

○4000番台は欠番? 山手線用?

ところで、この一覧を見ると4000番台がない。これは国鉄時代からの習慣で、「4」は「死」、「9」は「苦」を連想する番号として避ける習慣があるからだと言われている。「9」は試作車に多く、営業用にそのまま使われる場合もある。「4」は営業用車両では使われにくいけれど、派生形式が多くなるとやむをえず使うという事例もあるという。

ただし、鉄道ファンの間では、「山手線用として残してあるのではないか?」という説もあるらしい。山手線は現在、E231系で統一されている。山手線ではホームドアを各駅に設置する都合上、1編成に2両あった6扉車が廃止された。その置換え用として、新たに4扉の中間車が新造された。この新造車両はE233系をベースにしており、1編成に2両ある中の1両は4600番台となっている。これが「将来、山手線にE233系が導入されたら4000番台になるのではないか?」という噂の根拠となっているようだ。

(杉山淳一)