【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

海外製のDACが欲しい。最も簡単な方法は日本で売られている製品を購入することだが、未発売だったらどうするか。Amazon.com、またはeBayで探して日本への発送対応なら、クレジットカードかPaypalで決済して送ってもらえばよい。それではどちらにも売っていない中国製のDACが欲しい時はどうすればいいか。アジア最大のショッピングサイト淘宝網(タオバオワン)で探せばいいのだ。ただし、支払方法が特殊で、個人で購入するのはなかなか困難である。

そこで、注目したいのが輸入代行会社である。手数料は購入商品の10%が多い。輸入送料はEMS料金の50%OFFというところが多いようだ。タオバオで欲しい製品を見つけたら、入力フォームで買い付けを依頼、代行会社が在庫確認と発注をおこない、こちらは代金を振り込む。買い付けがおこなわれ、中国事務所に製品が到着、検品後に日本へ向けて発送準備。送料を振り込むと日本へ発送される。関税や消費税が発生した場合は、製品到着時に配達業者が代行で徴収するため現金で支払うことになる。輸入代行会社は沢山あり、「タオバオ通信」などの比較サイトまである。注意したいのはPaypalで決済すると手数料がかかること、業者によって1元のレートが違うことだ。簡易検品、EMS追跡番号通知などのサービスがあればさらに安心だ。今回利用したのは、なぜか代行手数料が無料の「タオバオ便」である。購入の方法や店の選び方まで詳しく説明されているので、初心者でも安心して注文できるだろう。

私が欲しい中華製DACは『DAC-X9』というモデルで、オリジナルはドイツ製のReinAudio『X3-DAC』と推測されている。価格は日本円に換算すると18万4300円のハイエンドモデルになる。入力はUSB2.0、同軸、光、AES/EBUの4系統、出力はXLRバランスとRCAアンバランス、24bit/192kHz対応、さらにDSDネイティブ再生にも対応する。DACはWM8741をデュアルモノ構成で搭載、オペアンプはアンバラがAD797、バランスがOPA2604、LR独立電源、DAIレシーバにはシーラスロジック社CS8416採用。USBレシーバはTENOR社のTE7022を使っている。5種類のデジタルフィルター切り替えが可能。中華DACはケースのサイズとフロントパネルが違うだけで、スペックはほぼオリジナルと同等でありながら、1680元、日本円換算で約2万6900円とオリジナルの約1/7の値段なのだ。驚異的なハイコスパであることから、ニセモノのオペアンプやコンデンサーが使われているなどの噂まである。デザインも音も本家の方がいいに決まっていると思うが、日本未発売で代理店も存在しない。

タオバオで検索してみると複数の店舗で扱っている。DSD対応の第4世代にしぼり、評価の高い店を選択する。タオバオ便に見積もり依頼すると3万307円と速攻で返事が来た。内訳は製品が2万9568円で、国内の送料が739.2円だった。実はこのDACを国内販売しているショップを発見したのだが、価格は4万7000円だった。送料を支払ってもタオバオ便に依頼した方が安そうだ。ちなみにオーディオ製品には関税がかからない。輸入品国内消費税が5%かかるが、運が良ければ掛からないいこともある。とにかく購入決定で指定の口座に入金した。9月末に注文したのだが、運悪く10月1日から8日までが中国の祭日にあたり、発送がストップ。10月8日に入荷の連絡があり、国際送料は4048円に決まった。さらに送料を振り込むと中国から日本へ発送され、送り状ナンバーを国際宅急便のWebサイトに入力するとトラッキングができるようになった。途中で税金などがかかった場合はタオバオ便が代行で支払い、こちらに請求される仕組みだ。国際宅急便から国内に移動すると新たなナンバーが発行され、こちらもトラッキングできるという。しかし、10月12日不在通知があり、13日午前中に荷物が届く。中国到着後5日で日本に荷物が届いた。これはeByよりも早い展開。さすが送料4048円も取るだけのことはある。通電チェック後にラッピングされたのだろうか、本体はグルグル巻きで220V用の電源ケーブルが同梱されていた。フタを開けて内部をチェックすると電圧が230Vになっていたので、これを115Vに切り替えて電源を入れると無事、起動した。全ての入力、出力端子に接続して音がでるかどうかを確認、無事、音が出ることも分かった。税金はかからずに支払った合計金額は3万4355円だった。eBayで発見したFree shipping 360ドルよりもタオバオ便を使った方が安くて早いことが判明した。

【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

タオバオは入会などの手続きなしで、誰でも検索できる。製品名を入れると同じような写真が続々と表示された。値段はどこも横並びだった。

【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

「Google Chrome」を使えば中国語から日本語への自動翻訳ができる。これを使って評価の高そうな店の製品内容をチェックする。

【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

「タオバオ便」に見積もりを出して、金額に納得いけば、指定口座に入金すると代理注文してもらえる。元のレートは日々変わるので、有利な時に注文するとよい。

【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

中国の事務所に製品が届くと、国際送料が計算されて再び請求される。他の代行業者の場合は最初から、国際送料込みで請求されるので、振込手数料が1回で済む。タオバオ便の弱点は2回振り込まなければならないこと。もし関税がかかれば3回振り込むことになる。

【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

トラッキング中の画面。通関中ということは日本に届いてるのだろうか。10月12日にチェックした画面である。

【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

10月13日に突然届いた国際宅急便。消費税や手数料もなく、単に受け取るだけだった。

【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

本体はラッピングされた状態で、前後、2個の緩衝材に支えられていた。付属品は電源ケーブルのみでマニュアルや保証書などは入っていなかった。

【ゴン川野のPC Audio Lab】中華製DACが欲しい! 輸入代理業者に注文したGUSTARD『DAC-X9』

基板上にある電圧切り替えスイッチ。これを115V側に切り替える必要がある。フタを開けなければ気付かずそのまま電源を入れていたと思う。

【研究メモ】

これまでは海外製品はeBayかAmazonで購入していたが、タオバオを使うのもなかなか快適であることが分かった。ただし、中華以外の海外ブランドなどはニセモノもあるため見極めが難しいと思う。中華オリジナルメーカーの製品を選んでeBayと比較してから、購入することをオススメする。輸入代行業者は必ず送料をとるので、あまり安い製品ではメリットがなさそうだ。

●タオバオにはニセモノも多いが中華ブランドのDACなら問題ない
●タオバオ便はスピーディで途中経過も分かりやすい代理業者だった
●中華DACのコストパフォーマンスは抜群
●低価格の中華DACは日本の通販サイトでも注文可能

(文/ゴン川野)

ゴン川野のPC Audio Labオーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!