QE3縮小、シリア情勢で金価格はどう動く?
「ノーリスクで利ザヤが抜ける」と個人投資家が増税動向に虎視眈々!消費税増税が来年4月に迫っている。予定通り増税するかどうか、最終判断は10月上旬の見込みだ。増税されると高額商品を中心に駆け込み需要が起きるが、「消費税増税で確実に利ザヤが抜ける」と密かに話題になっているのが「金投資」だ。一体、どんな仕組みか? 金ブーム再来の今、金投資の最前線を紹介しよう。

日経平均株価も為替も乱高下することが多いこの相場、金価格も過去にないほど荒い値動きになっている。TANAKAホールディングスの貴金属本部リテール統括部マーケティング企画室室長・水木直人さんに聞いた。

「長期的に見ると、1980年に1g =6495円(1トロイオンス=850ドル)という最高値をつけて以降、下落傾向が続きました。1999年に917円(同252ドル)という大底をつけて反転し、今に至っています」

最近の金価格は4300円ほどだが、ドルベースでは1400ドル台。過去最高値1896・5ドルから調整しているものの、それでも高値水準にあることは間違いない。「ドルに対する不安や世界的な低金利、中国やインドを中心とした新興国の実需などが金価格を下支えしています」(水木さん)

今後の金価格の動向はどうか。米国QE3縮小が決まれば、ドル高が予想される。また、投資資金の縮小懸念から商品市況は弱含む可能性がある。これらは金価格を押し下げる要因となるだろう。

一方、米国経済の回復が確認されれば新興国の実需が増える。また、インフレ懸念やシリア情勢など地政学的リスクからくるヘッジ目的の買いは、金価格を押し上げる要因になりそうだ。いつ、どのテーマに焦点が当たるかを予想するのは難しいが、自分の投資スタンスに合わせて、消費税増税前に再ブームとなりつつある金投資を始めてみるのはおもしろいだろう。

金投信 投信なら世界中の金鉱山株に分散投資し高いパフォーマンスが期待できる!

国内の?金関連株〞としては住友金属鉱山などがよく知られているが、投信なら手軽に世界中の「金鉱株」に投資できる。

南アやカナダの産金大手企業、米国の非鉄金属大手鉱山企業など、世界中の金鉱企業の株式を主要投資対象としている。金投信の代表格「ブラックロック・ゴールド・ファンド」なら、国内の主要ネット証券で買うことができる。

しかも、世界株式がマイナス21%だった2002年、金投信は52%のプラス(金価格は25%のプラス)と、世界の株式が下落した年でも好パフォーマンスを出すことがある。

投信なので販売手数料は3%ほど、信託報酬は2%程度かかってしまうが、ダイナミックな世界中の金鉱株に分散投資すれば、より高い運用効果が期待できそうだ。

金投信 代表的な金投信

ブラックロック・ゴールド・ファンド
運用会社:ブラックロック・ジャパン
基準価格:6563円
純資産総額:110.81億円
販売手数料:3.15%(上限)
信託報酬:2.10%

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコース(為替ヘッジ付)
運用会社:ブラックロック・ジャパン
基準価格:5004円
純資産総額:23.61億円
販売手数料:3.15%(上限)
信託報酬:2.1315%

三菱UFJ 純金ファンド「愛称:ファインゴールド」
運用会社:三菱UFJ投信
基準価格:1万1888円
純資産総額:21.63億円
販売手数料:1.05%(上限)
信託報酬:0.945%

ピクテ・ゴールド・インカム・ファンド(毎月)「愛称:ゴールド・インカム」
運用会社:ピクテ投信
基準価格:1万85円
純資産総額:9000万円
販売手数料:2.10%(上限)
信託報酬:1.1445%

純金積立 毎月1000円程度から、自動で一定額コツコツと積み立てられる!

「純金積立コツコツ♪プラチナ積立コツコツ♪」というCM、聞き覚えがある人も多いだろう。金は安全資産として長く付き合っていくことができる商品なだけあって、毎月コツコツと積み立てていくのが向いている。そこで、毎月一定額(または一定量)の金を購入する方法が「純金積立」だ。

月々1000円や3000円から、1000円単位で積み立てることができるのもスゴイが、毎月の購入金額を営業日数で日割りして、?毎日〞一定の金額で金を買って積み立てる、徹底した「ドル・コスト平均法」が使われている。

これによって、金価格が安いときにはより多く、金価格が高いときはより少なく買うことになる。?定量〞よりも?定額〞購入したほうが、金価格の変動リスクを抑えることができる。もちろん自動積立で、手間いらずだ。

田中貴金属工業や三菱マテリアルなどのほか、楽天証券やマネックス証券でも純金積立ができるので、各社の純金積立の基本的な仕組みはほぼ同じだが、最低積立金額や購入手数料、引き出し手数料、年会費、保管方法などが異なるので確認しておきたい。

純金積立 代表的な純金積立

楽天証券
最少投資単位:1000円以上1000円単位または1g以上1g単位
購入手数料:2.625%
年会費:無料

マネックス証券
最少投資単位:1000円以上1000円単位または1g以上1g単位
購入手数料:2.625%
年会費:無料

田中貴金属工業
最少投資単位:1000円以上1000円単位
購入手数料:1000〜2000円→5.0%
3000〜9000円→3.5%
1万〜2万9000円→2.5%
3万〜4万9000円→2.0%
5万円以上→1.5%
年会費:無料

三菱マテリアル
最少投資単位:3000円以上1000円単位
購入手数料:1000円につき25円
年会費:840円

手軽で便利でしっかり貯まる「net 純銀積立」が田中貴金属でスタート!

近年、金だけでなくプラチナ(白金)や銀など、さまざまな貴金属への注目と投資意欲が高まっている。田中貴金属工業では「n e t純金&プラチナ積立」に加え、9月から「net純銀積立」のサービスを開始した。

ネット上で毎月3000円から1000円単位で銀を積み立てることができる。純金積立と同様、毎日一定額を買っていくことができるほか、銀を即時に購入する「スポット購入」も可能だ。

銀は、金やプラチナと比べて低価格なため、欧米では少額から始められる一般的な資産運用として人気が高い商品だという。金やプラチナに加えて、「net純銀積立」も一考したい。

水木直人
TANAKAホールディングス貴金属本部リテール統括部 マーケティング企画室室長

ワールドゴールドカウンシルなどを経て現職。



この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。