オンワード樫山は2013年10月28日、メンズ主力ブランド「五大陸」のアンバサダーに片岡愛之助さん、尾上松也さんら歌舞伎俳優5人を起用し、新テレビCMをはじめ大型広告キャンペーンを開始すると発表した。(写真はサーチナ撮影。左から中村隼人さん、中村歌昇さん、片岡愛之助さん、尾上松也さん、中村壱太郎さん)

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 オンワード樫山は2013年10月28日、メンズ主力ブランド「五大陸」のアンバサダーに片岡愛之助さん、尾上松也さんら歌舞伎俳優5人を起用し、新テレビCMをはじめ大型広告キャンペーンを開始すると発表した。同社代表取締役社長執行役員の馬場昭典氏は、今回のキャンペーンの狙いを「クールビズの定着などによる行き過ぎたカジュアルに対抗する“スーツの復権”」と語った。(写真はサーチナ撮影。左から中村隼人さん、中村歌昇さん、片岡愛之助さん、尾上松也さん、中村壱太郎さん)

 歌舞伎俳優をアンバサダーに起用した狙いについても馬場氏は、「伝統を継承していきながら、新しいチャレンジを進めている歌舞伎の世界は、今回『五大陸』が打ち出そうとしている新しい提案にぴったり。一人に限定せずに、5人の方にお引き受けいただいたのも、誰か一人のイメージではなく、歌舞伎の世界全体が、これから始まる『五大陸』の世界とオーバーラップして見えるように意識したため」と語っていた。

 アンバサダーに就任したのは、片岡愛之助さん(屋号:松嶋屋)、尾上松也さん(音羽屋)、中村歌昇さん(播磨屋)、中村壱太郎さん(成駒屋)、中村隼人さん(萬屋)の5人。「五大陸五人男」というキャッチコピーのもと、5人の群像としてテレビCMや新聞、雑誌、交通広告などに登場する。

 馬場氏は、“五人男”が象徴するものとして、「英国の伝統、フランスの華やぎ、イタリアの粋、アメリカの合理性、そして、日本の繊細」と語り、それらが、“ジャパニーズ・ジェントルマン・スタンダード”という「五大陸」の世界観であると紹介した。

 片岡愛之助さんは、「伝統を踏まえながら、新しいものを作っていくという考え方は、まさしく歌舞伎の世界が伝承してきていること。そこを共通点としてアンバサダーをご依頼いただいたお考えには共感しました。歌舞伎の正装というと、黒紋付ということになりますが、今回、用意していただいたスーツは、着心地もよく、楽に着ていられるので、色んな場面にスーツでも出かけて愛用していきたい」と語った。

 また、尾上松也さんは、「これまでも舞台の初日と千秋楽には、スーツを着て気持ちを引き締めて楽屋入りするようにしてきたのですが、これからは、スーツで出かける機会を増やしたい」と笑顔だった。そして、今回のアンバサダー起用で、初めて着用したベストが気に入った様子で、「普段着にもベストを活かしたコーディネートを試したい」と語っていた。

 CM撮影に初めて臨んだという中村歌昇さんは、「舞台では化粧しているのが当たり前ですから、素顔で出演するのは緊張しました」と初々しいコメント。中村隼人さんも、「ダブルのスーツは生まれて初めて身に着けたのですが、思った以上にフィットして窮屈でないので、是非、若い方々にもダブルのスーツを試していただきたい」とアピールしていた。

 さらに、5人の中でムードメーカーといわれる中村壱太郎さんは、「スーツを着て銀座の大通りを歩きたい」と大きく語ると、さっそく「車道は歩けないよ」と突っ込まれ、あわてて「いえ、大通りの歩道を歩きたい」と言いなおして爆笑を誘っていた。

 この5人を起用した広告キャンペーンは、2年間にわたって展開される予定。屋号が異なる5人の歌舞伎俳優が同じ広告作品に出演することは非常に稀な機会という。(編集担当:風間浩)