市民ランナー・中島彩の「続・東京マラソンへの道」

 みなさん、こんにちは! 『走るフリーアナウンサー』の中島彩です。10月27日、私は大阪に住んでいる54歳の母と一緒に「大阪マラソン2013」を走ってきます。母にとって大阪マラソンは、初のフルマラソン! しかも、4ヵ月前に当選したときは、ほぼ初心者ランナー! そんな母でしたが、さまざまな壁にぶつかり、私とも相談を繰り返し、そしてついにこの日を迎えました。ということで今回のテーマは、「RUN×初心者ランナー」。50歳を過ぎて初めてフルマラソンに挑戦する母の取り組みについて紹介したいと思います!

☆初心者ランナーをやる気にさせるためには?

 私の母は週3回くらい勤めに出て、それ以外の時間は家事という生活スタイルです。そんな母が手にした、大阪マラソンの出走権――。当選したときは大喜びした母ですが、フルマラソンはジョギングとはひと味違う、とても大きな挑戦です。ということで私はコーチとなって、大会4ヵ月前から猛特訓を開始しました!

 まず、初心者ランナーに必要なことは、「走る習慣」を身に付けることだと思いました。東京(私)と大阪(母)、近くで練習を見ることができないので、毎日夕方ごろになると、私が母にメールをします。「走った?」と聞くと、「まだ走ってない。大阪は暑いし!」と返信する母。そうか、今日の大阪は東京より暑いのか。その言葉を信じ、私は翌日、「今日はどう?」と聞いてみました。すると、母の返信は、「今日は湿気が......」。さらに次の日は、「今日は自宅で宅急便を待っていて......」。走る習慣がないというのは、そういうことなんです。「走る気はあるの?」と問いただしたい気持ちになるのですが、それを言ってしまってはやる気を削いでしまいそうで言えません。初心者のランナーをコーチするのは、思いのほか大変なのだと痛感しました(笑)。

 しかし、そのまま母の言い分ばかり受け入れるわけにはいきません。私は母をやる気にさせるために、ランナーが集まるサークル合宿への参加を勧めました。ちょうと友人のエリック・ワイナイナさん(シドニー五輪・銀メダリスト)が主催する合宿があったので、彼に頼んでみたのです。するとその合宿で、母の練習に対する考えは一変しました! その理由を聞いてみると、「大阪マラソンに出るって合宿に集まったランナーに言ったら、『私、落選したんです! 応援しています!』と言われたの。頑張らなきゃ!」と言っていました。私も以前から母に、「大阪マラソンに当選する確率は5分の1なので、走れない人も多くいるんだよ」と言っていたのですが......(笑)。

 まぁ、身内以外から応援されたことで、気合いが入ったのか、うらやましがられたことで貴重なチャンスと分かったのか、とにかく母の中でスイッチが入りました。その結果、2日に1回、母は休まず走るようになったのです。ランナー仲間の応援で頑張る気になってくれた母。ランナー仲間の支えは、フルマラソン完走に向けてかけがえのないものだなと、改めて思いました。

☆主婦に教えられたフルマラソンの攻略法!?

 ようやく走り始めた母ですが、練習を始めた当初の話を聞いてみると、走った後は疲れてストレッチもしないまま爆睡していたそうです。それぐらい走ることは、54歳の母にとってハードなものだったのです。仕事を終えて夕方から60分ほど全力で走ると、夕食も作れない、洗濯物も部屋に取り込めない、という毎日とのこと。

 そんな状況を見かねたある日、私は、「そんなに無理して走らなくてもいいのに......」と、電話で母につぶやきました。すると、母はその後、走った後も家事ができるぐらい動けるようになったと言うのです! いったい何があったの? さっそく母に聞いてみると、「無理しないようにした」と言うのです。つまり、それまでは60分間全力で走っていたのを、力を残すように練習スタイルを変えたんだそうです。

 それを聞いた私は、「たしかにこれはフルマラソンを完走する上で必要なことだな」と思いました。というのも、フルマラソン初心者が完走するためには、ざっと5〜6時間は見ておかなければなりません(もちろん、個人差はありますが)。よって、走っているときは体力のすべてを使うのではなく、常に余裕を持って走ることが大切なんだと思います。走った後で家事ができるぐらいの頑張り方でいい、という気持ちの余裕を持ったからこそ、見つけられた練習スタイルなのかもしれません。主婦に教えられました(笑)。

 それから母は、長時間走る練習にも取り組みました。フルマラソンを走る前に一度、長い距離を走る練習をしておくと、体力的にも気持ち的にも余裕が生まれるからです。長時間走ったときの疲れ具合を知ると、「フルマラソンとはこんな感じなのか」と、現実味が増してきます。私もフルマラソンに挑戦する前は、5時間走や30キロ走をやって身体を慣れさせますよ。またこのとき、レース中に飲むゼリーや水の飲み方も練習しておくと、一石二鳥なんです。

 母が2時間を越える長距離走をやってみたというので、話を聞いてみました。すると、長時間のランニングの話ではなく、「ものすごく甘くて、なんか苦手やぁ」と、ゼリーについて熱く語ってきたのです。どうも母にとっては、栄養ゼリーの味が口に合わないようで、逆に疲れが増したとのこと。マラソン用の栄養ゼリーは少量で200キロカロリーも摂れるので、非常に便利なもの。しかし、体質的に合わないのを無理に食べさせるのもどうかと......。いろいろ解決策を考えていると、「じゃあ口直しにアメ(飴)ちゃん持つわ」と母。どうやら、あっさりと解決したようです(笑)。

 こんな感じで試行錯誤しながら練習を続けてきましたが、徐々に母も走ると楽しさを実感してきたようです。はたして母は、大阪マラソンを走りきることができるのでしょうか。娘の私としては多少の不安もありますが、一緒のペースで走ってゴールまで導こうと思っています!

【今週のRUN日記】

10月19日(土) 10キロ @駒沢公園
10月20日(日) 休足日
10月21日(月) 休足日
10月22日(火) 休足日
10月23日(水) 10キロ @駒沢公園
10月24日(木) 休足日
10月25日(金) 8キロ @ジム

 今週の走行距離は、28キロ。週の前半は天候がすぐれず、後半は台風が上陸してきたので、空様子をチェックしながら走りました。大阪マラソンが台風で大荒れにならないことを祈るばかり。母とコンビで走りきってきます!

 LET'S RUN WITH ME!!

 今日までの練習の様子は、ブログをチェックしてください!→中島彩オフィシャルブログ「走ろう!彩と。」

【profile】
中島彩(なかじま・あや)
1987年8月1日生まれ、大阪府寝屋川市出身。慶應義塾大学法学部卒。元東海テレビ報道スポーツ局。現在はキャスト・プラス所属のフリーアナウンサー、タレント。身長158センチ。趣味はマラソンの他に、政治研究。TBS系列「オールスター感謝祭13春」出演。テレビ神奈川「ハマナビ」リポーター。FMカオン(84.2MHz)パーソナリティ(月曜日担当)。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」のコーナー『現場にアタック』キャスター(隔週火曜・毎週木曜)。

中島彩●文 text by Nakajima Aya