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カナダの東海岸に位置するモントリオールは、古き良きヨーロッパの香りを漂わせ、「北米の巴里(パリ)」とも呼ばれて愛され続ける街だ。カナダ国旗にもデザインされた楓がきれいなメープル街道沿いのケベック州に位置する。

モントリオールといえば、1976年に開催され、女子バレーボールや男子体操が金メダルを獲得したオリンピックを記憶している人も多いかもしれない。短い夏の訪れとともに開催されるモントリオール国際ジャズフェスティバルも、音楽ファンにはよく知られている。

秋の足音が聞こえてくる頃に開幕するモントリオール世界映画祭は、今年で37回目。日本と関係浅からぬ映画祭で、過去に深津絵里(『悪人』)や、この11月3日に文化勲章を受章する高倉健(『鉄道員』)らが受賞。今年もまた、『利休にたずねよ』(12月7日公開)が最優秀芸術貢献賞を受賞した。

カナダ第2の都市、モントリオールの人口は約350万人。広島市と姉妹都市関係にあり、中世ヨーロッパの面影を残す旧市街に近いノートルダム通りの市庁舎内に、広島市長から贈られた原爆ドームのタペストリーが飾られてある。

モントリオールの冬は長く寒い。そこで暮らす人々にとって、市内を走るメトロ(地下鉄)こそが市民の足であり、「STM」(モントリオール市交通局)と呼ばれ、親しまれている。モントリオール市内でよく見る「METRO」の5文字と、その上に描かれた丸の中に下向き矢印(↓)のあるマークが、メトロの駅への目印だ。

モントリオールはフランス語圏の街。メトロを利用するときにも、そのことが思い起こされる。チケットに記されているのもフランス語だ。けれども心配や不安は無用。同市内のメトロは、パリとは違い4路線のみ。わかりやすいように、路線別に色分けされている。モントリオール市内を東西に長く走るグリーンラインと、それに並行するように走るブルーライン。市内を南北に走るオレンジラインと、3駅だけを行き来するイエローラインがある。

○行動パターンで選べる、バラエティに富んだチケットの数々

メトロのチケットは、市内を走るバスも利用できる共通券だ。1回のみ使用できるシングルチケットは3ドル。1駅乗っても、始発駅から終着駅まで乗り通しても、料金は一律3ドルだ。10回利用可能な回数券もあり、日本と同様、割安の24.5ドルで販売されている。

その他、24時間有効の1日券(9ドル)や、72時間有効の3日券(18ドル)、日本ではなじみが薄いが欧米ではよく見られる1週間のフリーパスもあり、料金は23.75ドル。ただし、購入した日から1週間有効ではなく、月曜日のみの発売となっているから要注意だ。これらのチケットは駅の自動券売機や窓口で購入でき、現金だけでなくVISAなどのクレジットカードも使用できる。さらに、夕方6時から翌朝5時まで使い放題のナイト券もあり、4ドルで販売されている。

「週末に行動したい、楽しみたい」という人には、ウィークエンドチケットがおすすめだ。料金は12ドルで、5回以上利用すればお得になる。しかも金曜日18時から月曜日の朝5時まで、何回でも利用できるという便利なチケットだ。

モントリオールの市街地は、サン・カトリーヌ通り周辺に歓楽街が広がり、サン・ドニ通りと交差するあたりに深夜営業のパブやレストランが並んでいて、日曜日の深夜も土曜深夜同様のにぎわいを見せる。ウィークエンドチケットは週末の時間を有効に使う市民のライフスタイルにぴったりで、モントリオールに週末滞在する近郊からの旅行者に人気が高い。

モントリオールのメトロは、入場時にチケットの磁気を読み取るものの、降車時にチケットの回収はない。このシステムは本家・フランスのメトロと同じスタイルで、このあたりもモントリオールが「北米のパリ」と呼ばれるゆえんのひとつかもしれない。

パリのメトロと似ているところは他にもある。プラットホームに向かうときも、ホームに到着するメトロに表示されるのは路線名ではなく、終着駅の駅名だ。だから行きたい方向の終着駅の駅名と、メトロのカラーさえ覚えていれば、間違えて反対方向のメトロに乗り込んでしまったり、違う路線に迷い込んでしまったりするようなことはないだろう。メトロ構内の出口表示は、「サン・カトリーヌ通り」「フェスティバル広場」など、通りの名称や地名、建物名などで表示されているので、目的地が表示されている出口をひたすらめざせばいい。

ただし、次の電車があと何分で到着するかの電光表示は、メトロのプラットホームにはない。車内に大きな地下鉄路線図があり、次の駅が近づくたびにアナウンスが流れる。

地下鉄券で利用できるバスも、メトロと同じく早朝4時台から深夜25時前後までモントリオール市内を走る。ブルーラインの北側の始発駅であるサン・ミッシェル駅の場合、平日の始発の発車時刻は4時42分、最終電車は25時半になっている。平日は早朝4時台に3本の電車が走っているので、週末チケットや夜使い放題のチケットを翌朝5時まで利用することは決して難しくはない。バスの時刻表も地下鉄構内に置かれている。

なお、日本からモントリオールへの直行便はなく、メープル街道の入口でもあるオンタリオ湖沿いのトロントまで直行便を利用するか、ニューヨーク、シカゴ、デトロイトからモントリオールへの近距離空路を利用する方法がある。モントリオールには「AMT」と呼ばれる郊外列車もあり、こちらは車窓からの景色を楽しむことができる。

(※文中の価格はすべてカナダドル)

(小張アキコ)