消費税増税を前に、ひそかにブームになる金投資
「ノーリスクで利ザヤが抜ける」と個人投資家が増税動向に虎視眈々!消費税増税が来年4月に迫っている。予定通り増税するかどうか、最終判断は10月上旬の見込みだ。増税されると高額商品を中心に駆け込み需要が起きるが、「消費税増税で確実に利ザヤが抜ける」と密かに話題になっているのが「金投資」だ。一体、どんな仕組みか? 金ブーム再来の今、金投資の最前線を紹介しよう。

消費税は本当に上がるのか?

8月末、「有識者60人のうち、7割超の44人が予定通り消費税率引き上げに賛成」と報じられた。一方、安倍晋三首相のブレーンである内閣官房参与の浜田宏一・米エール大学名誉教授は「予定通りの増税はアベノミクスが挫折する可能性がある大きな賭け」と指摘した。また、もう一人のアベノミクスのキーパーソン、内閣官房参与の本田悦朗氏も「来年4月はインフレ期待の形成に非常に重要な時期」と指摘している。

代案として「増税時期の1年延期」や、一気に3%上げるのではなく「1%ずつ上げる」といった案を提示するなど、消費税率引き上げの賛否は交錯している。増税についてはまだ予断を許さないが、消費税が上がるとなると、住宅や自動車、白物家電など高額商品に駆け込み買いが発生することが知られている。実はそれ以外にも、「消費税が上がれば確実にリターンを得られる」とコッソリと話題になっているのが「金」だ。その仕組みとは、こうだ。

消費税率5%のときに金価格1g =4000円で500g 買ったとすると、4000円×500g×1・05=210万円となる。消費税率10%に上がったときに売ると、4000円×500g×1・10=220万円で売ることができ、差額の10万円が利益になるのだ。

もちろん金価格は変動するし、これ以外にも手数料等がかかるが、増税前に買っておけば売却時に増税分が多く支払われるのだ。この?抜け道〞に注目した個人投資家が消費税増税前にひそかに金投資を始め、昨今、金投資ブームが再燃しつつあるという。

では、この流れに乗って金投資を始めるにはどうしたらいいか?

すでにネット証券で株をやっている人には、「金ETF」や「金投信」が手軽だろう。定額でコツコツ投資するなら「純金積立」がおもしろい。また、消費税増税の恩恵を受けたいなら、「金地金」や「金貨」などを直接購入するのがいいだろう。

金ETF 価格に連動するETF。売買・保有コストも低く、現物保管の手間も不要。

ネット証券で株をやっている人にとって、手軽に投資できる商品が「金ETF」だ。ETFは上場投資信託だが、株と性質が似ていて、取引時間中ならリアルタイムで売買でき、売買手数料も株と同じ水準。保有期間中にかかる信託報酬も、一般の投信と比べて低いものが多い。

価格は、それぞれのETFが対象としている指標に連動するようにつくられている。たとえば人気の「SPDRゴールド・シェア」は、金の国際価格(ロンドン午後金値決め)に連動している。

ETFによって異なるが、金の現物や、金価格に連動する債券の裏づけもある。

注意したいのは、株と違い配当がない点。また、商品によっては流動性が低く、売買したいときに希望する価格で決済できない可能性があることも気をつけておきたい。

金ETF 代表的な金ETF

SPDRゴールド・シェア(1326)
1万3350円(1口)
信託報酬:0.42%以内
連動対象:1/10オンス当たりの金価格

金価格連動型上場投資信託(1328)
3895円(10口)
信託報酬:0.525%
連動対象:1g当たりの金価格

純金上場信託(現物国内保管型)(1540)
4380円(1口)
信託報酬:0.49%以内
連動対象:1g当たりの金価格

国内金先物価格連動型上場投信 (1683)
4145円(10口)
信託報酬:0.45%以内
連動対象:東京商品取引所の金先物価格

水木直人
TANAKAホールディングス貴金属本部リテール統括部 マーケティング企画室室長

ワールドゴールドカウンシルなどを経て現職。



この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。