米国をはじめ幅広い外国株の取りそろえ
英国で普及しているISAを手本として、今年の年末で終了する証券優遇税制に代わる市場活性化策として打ち出されたのが日本版ISAこと、「NISA(少額投資非課税制度)」である。金融界がこぞってPRに注力しており、その名称自体の認知度は日増しに高まっている。しかし、制度の中身自体をどれだけの人が理解しているのかについては、まだまだ大きな疑問符が付きそうだ。それはさておき、当連載の最終回において、まずは冒頭できちんと結論を述べておこう。NISA口座のメリットを最大限に生かしたいなら、ローコストで選択肢もそろったネット証券を選ぶのが正解である!

NISAの本格的な受付は10月1日以降から始まる。

各社各様、ネット証券はいずれもNISAに関して思い切った策を打ち出しており、「同口座自体を取り扱う予定はない」とのスタンスを表明しているGMOクリック証券は例外的な存在となっている。

ただ、実はこうした競争の口火を切ったのはマネックス証券だ。同社は今年3月、いち早く口座開設予約の受付をスタートし、他のネット証券大手も追随した。同社営業企画部マネージャー兼COO補佐の森山智光さんはこう語る。

「すでに何らかの取引経験があるお客さまの多くは、複数のネット証券で口座を開設し、おのおののニーズに応じて使い分けていることでしょう。NISA口座をきっかけに、それらをいずれかのネット証券に一本化する動きが出てくることが想定されます」

NISAが発端となり、業界内の勢力地図が再び塗り替えられる可能性もあると考えているようだ。マネックス証券は投資のビギナーを意識し、NISAの特設サイトで親しみやすいマンガによる解説も連載。もともとネット証券の中でも特にビギナーに優しいとの定評があり、そのアドバンテージを生かした展開を図っている。

そういった背景もあってか、証券会社として株式の取引が可能なことを投資家にアピールしつつ、同時に投信にも注力。同社は、かねてから取引コストが割安なインデックス(指数連動型)投信の品ぞろえが充実していた。

「当社独自の商品である『マネックス資産設計ファンド』は、バランス型では珍しいノーロード型です。NISAではこうしたノーロード型が中心となると思われますが、手数料だけにとらわれず、この制度に適した投信について見極めていきたいと考えております。そして、どういったタイプの商品がどのようなお客さまに適しているのかをウエブ上などで紹介しながら、必要に応じて新たな投信の追加も検討しています」(森山さん)

加えて、マネックス証券では来春をメドに米国株と中国株もNISA口座での取引が可能となる予定である。より広範囲のニーズに幅広く応えていくという戦略においては、前述のSBI証券や後述の楽天証券とおおむね共通しているともいえそうだ。

もっとも、ネット証券各社がこうして商品ラインナップの拡充を図る一方で、投資家側の理解はいまひとつ進んでいない様子だ。テレビや新聞、雑誌などを通じて金融機関が積極的にNISAのPRに努めてきた結果、その名称自体はかなり浸透してきた感がある。しかし、制度の中身自体についてはまだよくわかっていない投資家が少なくない。

「すでに保有中の投信や株式をそのままNISAに移せると誤解しているお客さまもいますし、証券優遇税制が年内で廃止されることすら知らないケースもあります。口座を開設してから実際に運用をスタートさせるまでまだ時間的余裕がありますから、じっくりと啓蒙活動を展開していきたいと思っています」(森山さん)

本誌発売直後の10月1日からNISA口座の正式な開設手続きがスタートするが、まず間違いなく、それからしばらくは大なり小なりの混乱が生じることだろう。冒頭でも述べたように、1人当たり1金融機関で1口座しか開設できないルールになっているが、その事実をきちんと把握しないまま、複数の申し込みを行なっている投資家が少なくないと見受けられるからだ。

そういった場合、申込み手続きはフリダシに戻ることになり、申込者と金融機関の双方が煩わしい再手続きに翻弄するハメになる。「4年間は最初に選んだ金融機関を変更できない」との制約が金融機関同士の顧客囲い込み競争を助長し、こうした茶番を招くことになる。

マネックス証券のNISAポイント! 米国をはじめ幅広い外国株の取りそろえ

ネット証券最多の約2800の銘柄数を誇るマネックスの米国株サービス。アップルやグーグル、マイクロソフトといった世界を代表する企業に投資が可能。取引手数料も9月23日に改定され、最低5.25米ドル、最大21米ドルと割安になった。なお、NISAで外国株サービスを提供するのは、2014年の春を予定している。

キャンペーン 投信と米国ETFの買付手数料をキャッシュバック

NISAでの投信と米国ETFの買付手数料がキャッシュバックされるキャンペーンを実施する。2014年1月6日〜2014年12月30日までを予定。なお、売却時には通常の手数料がかかるので、注意が必要だ。

※キャンペーン情報などは特に注記のない限り8月末時点のもの。最新の情報はHPで確認を。

森山智光(TOMOMITSU MORIYAMA)
マネックス証券営業企画部マネジャー兼COO補佐



この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。