「ホドロフスキーのDUNE」は2014年初夏公開、ホドロフスキー監督の23年ぶりの新作「リアリティのダンス」は2014年公開。

☆「ホドロフスキーのDUNE」とは

第66回カンヌ国際映画祭の監督週間で、2つの作品がワールド・プレミア上映された。とつは、世界中に熱狂的なファンを持つ映画作家アレハンドロ・ホドロフスキー(84歳)の23年ぶりとなる新作「リアリティのダンス」。もうひとつは、彼の未完のSF大作の製作過程を追ったドキュメンタリー「ホドロフスキーのDUNE」だ。

映画祭での上映時には、アレハンドロ・ホドロフスキー監督と、本作に出演し、彼の大ファンであることを公言している「ドライブ」のニコラス・ウィンディング・レフンが登場。会場は熱狂の渦に包まれた。

「DUNE」は、「スター・ウォーズ」「エイリアン」「マトリックス」「プロメテウス」などの元ネタとも言われる、映画史上最も有名な“実現しなかった映画”。スタッフにバンド・デシネのカリスマ作家メビウス(キャラクターデザインなど)、SF画家のクリス・フォス、「エイリアン」「トータル・リコール」のダン・オバノン(特撮)、H・R・ギーガー(デザイナー)、キャストにサルバドール・ダリ、ミック・ジャガー、音楽にピンク・フロイドなど、驚異的な豪華メンバーが集っていた作品だ。しかし、残念ながら撮影を前にして企画は頓挫してしまい、世に送り出されることはなかった。

その後、1984年にデヴィッド・リンチによって、同じ原作小説の別作品「デューン/砂の惑星」が制作され、ホドロフスキーの「DUNE」は幻の作品に。ただ、後にダン・オバノンはここで集めたスタッフを再集結させ、「エイリアン」(リドリー・スコット監督)を企画するなど、その後の映画界に多大な影響を与えた。

本作は、ホドロフスキー本人やプロデューサーのミシェル・セドゥ、H・R・ギーガー、ニコラス・ウィンディング・レフン監督などのインタビューと、膨大なデザイン画や絵コンテなどの資料で綴る、映画史上最も有名な“実現しなかった映画”ホドロフスキー版「DUNE」についての、驚愕、爆笑、感涙のドキュメンタリーだ。