投資でゲットしたリターンが非課税になるNISAの正式な申し込み受け付けが開始秒読み! 日本でも長期投資を浸透させることを目的とした制度なので、投信の運用にもうってつけの口座だ。いくつかの注意点があるので、それらをきちんと把握したうえで節税投資を実践しよう。


投信なら100万円の枠をフル活用できる!

ついに、10月1日から正式な申込み手続きがスタートするNISA(少額投資非課税制度)。20歳以上の日本国内在住者なら誰でも1人につき1口座を開設できる。この口座を通じて取引すれば、100万円の元手が何倍に増えても利益にかかる税金はゼロなので、株式投資でこの非課税枠を活用しようと考えている投資家も多いだろう。

ただ、NISAは5年間(10年間に延長可能)の保有を前提としており、途中で利益確定売りは可能だが、売った分の非課税枠が復活することはない。その点、投信は5年程度の長期保有が望ましいといわれるし、株式と違って100万円の枠をフルに使って買い付けられる。

こうしたことから、株式よりも投信のほうがNISAにはなじみやすいと指摘する専門家もいる。運用はプロにお任せだから、投資のビギナーでも気軽に始めやすいのも利点だ。しかも、株式は証券会社を通じてしか取引できないが、投信なら銀行や郵便局でも広く取り扱っている。実際、「これまで証券会社とは取引した経験がない」という人でも、給与振込先の銀行などを通じて投信を買っているというケースは少なくないはずだ。

もっとも、ここで誤解は禁物。「だったら、すでに買っている投信をNISA口座に移しちゃえばいい」と考えるかもしれないが、それはできない。あくまで、来年1月以降に買った投信だけが非課税の対象なのだ。

また、見込み違いで損失が発生してしまい、もはや復活は無理だと諦めて売却した場合、通常ならその分をほかの投資(株や投信)で得た利益から差し引いて節税を図ることができる。いわゆる損益通算と呼ばれるものだが、NISA口座で買う場合にはそれが認められていないので注意したい。

ほかにも、口座開設にあたっては住民票を提出しなければならないなどといったNISA特有の煩わしさもあるが、あらかじめきちんと知っておきたいのは、投信に関わる取引コストの問題だ。販売手数料のみならず信託報酬も負担することになるので、その分だけリターンは目減りする。節税メリットをめいっぱいに享受したいなら、こうしたコストを極力抑えている投信を選ぶのが正解だろう。

まず、販売手数料についてはノーロード(販売手数料無料)型に注目するといい。また、マネックス証券やSMBC日興証券、いちよし証券、フィデリティ証券などは、前述のタイプ以外の投信も販売手数料ゼロのキャンペーンが実施する(2014年中の期間限定のケースが多い)。

一方、毎年徴収されるので長期保有するほど軽視できなくなる信託報酬については、同じような商品性の投信であっても個々に少なからず違いがある。購入を決める前に、同じカテゴリーの投信同士で比較してみたほうがいい。

NISA制度のポイントまとめ

・口座開設は20歳以上の大人、1人につき1つだけ
・毎年、100万円分までの投資が非課税に
・投資対象は、株(REIT、ETFを含む)と投信
・損失が出た場合の損益通算はできない
・住民票を金融機関に提出する必要がある
・保有投信を移管することはできない

投信が買える金融機関

・ネット証券
・銀行
・対面証券
・郵便局

投信は証券会社のみならず、銀行や郵便局、信用金庫、信用組合、JA、保険会社でも売買可能だ。ただし、NISA口座を取り扱っていない金融機関もある。また、同一の商品でも金融機関によって手数料に違いがあることも。

この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。