ファーガソン前マンU監督の自叙伝が話題に

アレックス・ファーガソンマンチェスター・ユナイテッド監督の自叙伝が今週出版された。過去にもサー・アレックスの自伝は出版されているが、今回は1999年3冠達成からファーギー勇退まで、ラスト14シーズンに焦点を当てて書かれており、話題となっている。

特に注目を集めているのが、2003年のフライング・ブーツ事件(FA杯でアーセナルに敗れた直後、ドレッシングルームでサー・アレックスの蹴り上げた靴がデイヴィッド・ベッカムの顔に当たった事件)の真相だ。

ベッカムがレアル・マドリーへ移籍する決定打となったわけだが、これまで実際に何が起こったのかは明らかにされてこなかった。この件について、サー・アレックスは以下のように語っている。

「3・5メートル離れたところに彼がいた。デイヴィッドが悪態をついたので、彼に近づいていった。歩み寄る途中で靴を蹴ったら、それが彼の右目の真上に当たった。もちろん彼は立ち上がって私を非難し、他の選手たちが彼を止めに入った。それで私はこう言った。“座れ。お前はチームを失望させた。文句があるなら好きなだけ言えばいい”」

そして次の日、サー・アレックスはベッカムと共にビデオで検証したが、ベッカムは自分のミスを決して認めようとしなかった。その翌日にはマスコミがフライング・ブーツ事件を報じて大騒ぎとなり、サー・アレックスはユナイテッド首脳陣にベッカム売却の意志を伝えたという。

マンチェスター・ユナイテッドの選手は、自分が監督よりもえらいと考えたら退団しなければならない。デイヴィッドは、自分がアレックス・ファーガソンよりも偉大だと考えた。それは彼の終焉を予兆する出来事だった」

また、「私が育てた中で、唯一デイヴィッドだけが有名になることを選び、試合以外で世間にその名を知られることを自分の使命とした。彼のセレブ的ライフスタイルに違和感があった。ヴィクトリアと恋に落ちたことが全てを変えてしまった」と、ベッカムがスパイス・ガールズのメンバーであるヴィクトリア・アダムスと結婚したことで、ライフスタイルが一変したことも懸念材料だったと吐露している。

他にも、ウェイン・ルーニーの移籍騒動、ロイ・キーンの電撃退団、クリスティアーノ・ロナウドについても言及しており、ユナイテッドファンはもちろん、多くの人の興味を引く内容となっている。ユナイテッド選手に限らず、ライバルチーム監督などフットボール関係者は、その中身に戦々恐々としているのではないだろうか。