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航空会社の評価を決めるランキングは欧米やアジア、そして日本でも行われているが、利用者が違えば評価も異なるもの。ところが、中には世界中どこでも高い評価を得ている航空会社が存在する。その代表と言えるのがシンガポール航空である。

今でも十分に高い支持を得ている同社だが、「業界でのリーダーシップを維持する上での投資」とのステートメントとともに、約1億5,000万米ドル(約150億円)を投資した機内装備の導入をこの9月からスタート。その設備の施された新しい飛行機材が成田空港に降り立った。同社の言う、「プレミアムなフルサービスに対する自信を示し、『極上の空の旅』をさらに高みに押し上げる」という機内とは、果たしてどんなものなのか。

○「パーソナルスペース」ってこういうこと

真新しい機内インテリア独特の香りとともに、機内でまず視界に入ってきたのはファーストクラス。自動車メーカーのBMWグループの子会社「デザインワークスUSA」がデザインし、以前に比べてよりスタイリッシュになったのがよく分かる。人間工学(人が快適かつ自然体で過ごせるよう追求した工学)に基づいた形状のクッションやヘッドレストも改良され、見た目だけでなく座り心地も向上された。実際に座ってみるとフィット感が増したのがよく分かる。

○ビーチにいるようなくつろぎも

ビジネスクラスのキャビンは、スタイリッシュさに加えブラウンが濃くなった色使いのため、より落ち着いた雰囲気になった。就寝時にフルフラットになるのはもちろんだが、人がリラックスしやすいとされる「Lazy Z(Zポジション)」に加え、ビーチにあるソファという意味の「Sundeck(サンデッキ)」ポジションも設定。乗客がより自分が快適だと思えるシート・ポジションを見つけやすくなったのも、向上された点だ。

テーブルを真ん中にして同行者と歓談できるスペースも作れるなど、自由自在なシート・アレンジできるようになったのもいい。最近は斜め向きのシートも増えているが、同社のビジネスクラスは座席幅が業界の平均を大きく引き離す28インチ(71cm)もある。そのため、四角い部屋でくつろいでいる気分になり、感覚として落ち着く。シート全体の形状も魅力のひとつだと感じた。

○エコノミークラスにもここまでの工夫

ともすればないがしろにされるエコノミークラスにも、十分な工夫がされているのも同社の特徴といえる。まず驚いたのがリクライニング角度の深さ。背もたれは垂直の状態から27度まで倒すことができ、背部を包み込むようなシートクッションが心地良かった。

ヘッドレストは人間工学に基づいて設計され、足元にはフットレストも用意されている。各座席に設置されたTVスクリーンのサイズは11.1インチと業界最大級のサイズで、タッチパネル式の操作も可能。リモコンはタッチパネル操作ができ、直感的に使えるスグレモノだ。

○「次世代機内装備」を証明

「次世代機内装備」と同社自身が言っているように、今回の新設備は他社にない工夫と細部へのこだわり、そして何よりも「最新鋭の翼とおもてなし」という同社の基本コンセプトを証明しているように思われた。なお、新しい機内装備はボーイング777-300ERの8機を皮切りに、今後導入される最新鋭機エアバスA350などに設置され、日本路線への導入は約1年後に予定されている。

取材協力/シンガポール航空

(緒方信一郎)