国内株・債券はもちろん海外に投資するタイプも
NISAをきっかけに、生まれて初めて「投信で資産運用を始めてみよう」と思った人も少なくないはず。そんなビギナーのために、「今さら聞けない投信のキホン」を徹底解説!


ところで、国内で買える追加型株式投信は現在約4000本もあり、それぞれの投資方針や投資対象も千差万別だ。

トヨタ自動車やソニーといった国内大型株に投資して安定的な値上がり益を目指すものもあれば、IT系やバイオ関連などのベンチャー銘柄を組み入れ、短期で大きな値上がり益を狙うタイプの投信もある。

国内だけでなく、米欧などの先進国、中国や東南アジアなど新興国の株や債券で運用する投信など種類豊富である。「銘柄選びの手間が省けるとはいっても、どの国のどの資産を運用する投信を選ぶのかといった方向性だけは、きちんと決めてから買ったほうがいいですね」とアドバイスするのはファイナンシャル・プランナーの馬養雅子さん。

さらに、「投信には基準価額の動きがTOPIX(東証株価指数)などのインデックス(指数)にほぼ連動するように設計された『インデックス型投信』と、ファンドマネジャーの運用手腕によって、インデックスを上回る値上がり益を目指す『アクティブ型投信』の2種類があります。どちらを選ぶのかも、購入する前にしっかりと決めておきたいものです」と馬養さんは指摘する。

アクティブ型投信は、ファンドマネジャーが企業調査などに基づいてよりすぐった銘柄だけを運用するので、基準価額の動きは市場全体の?平均点〞であるインデックスの動きとは異なる。

運用がうまくいけば、目論見通りインデックスを上回る利益が得られるが、逆に運用に失敗すれば、思ったほどのリターンは得られず、基準価額が購入時の水準を割り込んで損をする可能性もある。

そうしたリスクを避けるために、アクティブ型投信を選ぶときには過去の運用実績をしっかりと確認したい。基準価額がインデックスを上回っていることが多いようなら、ファンドマネジャーの運用手腕が優れていることを示すひとつの目安となる。

もちろん、投信の目論見書などに書かれている通り、「過去の実績は将来の成果を保証するものではない」が、少なくとも期待は持てるだろう。また、「投信の運用報告書にある『売買高比率』も、ファンドマネジャーの腕前を見るのに役立ちます」と語るのは、前出の深野さん。

売買高比率とは、簡単にいえば1年間で投信の組み入れ銘柄が何回入れ替わったのかを表す指標だ。

比率が1なら1年間で全部の銘柄が1回、3なら3回入れ替わったことを示す。比率が高ければ高いほど、ファンドマネジャーが頻繁に組み入れ銘柄を見直して運用成果を高めようとしているわけだ。

「売買高比率が高く、基準価額もおおむねインデックスを上回っているなら、アクティブ運用が成功している優秀な投信だといえます。逆に、売買比率は高いのに運用成績が悪いようなら、ファンドマネジャーの腕前に問題があるのかもしれません」(深野さん)



馬養雅子(MASAKO MAGAI)
オフィス・カノン代表

“賢い個人投資家”を増やすことを目標に、資産運用に関する書籍や新聞・雑誌記事の執筆、 コンサルティング、講演などを行なっている。FP向けの投資信託に関する勉強会も主宰。『図解・初めての人の株入門』(西東社)『明日が心配になったら読むお金の話』(中経出版)など著書多数。



この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。